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多くの人がスマホやパソコンでネットを利用する時代にあって、宣伝効果を上げるにはWeb広告が外せません。
テレビCMや雑誌広告と異なり、低コストで利用できるので、中小企業や小さなお店でも広告を出しやすいのがメリットです。
もっとも、Web広告の種類や仕組みも多様化しているため、自社のニーズや予算にマッチし、宣伝効果が出せる広告形態を選んでいくことが必要です。
ここでは、その1つであるDSPについて詳しくご紹介します。
DSPとは?DSP広告の特徴について

DSPとはDemand Side Platformの略称で、広告の需要側の立場に立ったサービスです。
広告を出したい広告主側のオファーを受けて、広告枠の買い付けや広告配信、掲載する広告のターゲティングをなどを一括管理してくれます。
広告主が宣伝を行いたいターゲット層と予算などを設定し、掲載したい広告をDSPに提供すれば、DSPはなるべく低い出稿金額で、より高い成果が上げる最適な広告の配信を一元管理してくれます。
すなわち、DSPは広告を出して宣伝効果を上げたい広告主側の収益を最大化するためのサービスです。
DSP広告の仕組みをわかりやすく解説
DSPが広告主から託された広告を掲載するには、Webサイト上に展開される各広告メディアの中から、広告主のターゲット層に働きかけることができ、かつ、最も低コストで広告を掲載できる媒体を探さなくてはなりません。
では実際にどのような仕組みなのかを説明していきます。
広告の掲載権をオークション
最適な媒体を選ぶために、DSPがどのようにしているかというと、広告代理店のように媒体と交渉をして回るのではなく、オークション形式を利用しています。
RTB(Real Time Bidding)と呼ばれるオークションで、広告の掲載権を入札方式で決めているのです。
どういう流れで掲載に至るのか
DSPが広告主側の代理人とすれば、広告を掲載、配信して広告料を得たいメディア側の代理をするSSP(Supply Side Platform)と言われるサービスもあります。
SSPが出品する広告枠に対して、DSPがRTBを通じて入札を行い、最も高い入札額を示したDSPが広告掲載権を獲得するという瞬時のオークションを繰り返されています。
RTBは、できる限り安い値段でより高い成果を上げたい広告主を代行するDSPと広告枠をなるべく高く売りたいメディアを代行するSSPの、需要と供給を一致させるための市場と言えるのです。
Web上には多数の広告が掲載、配信されているため、簡単にWeb広告が出せるように思えますが、さらに数えきれないほどの広告主の中から、RTBで勝利した広告のみが配信されていることになります。
SSPは広告を表示する機会が発生するたびに、RTBを通じて複数のDSPの中から最適な広告を瞬時に選んで配信しています。
データ処理能力の高いDSP業者に依頼しましょう
DSPの側では、SSPが出品する1つの広告枠ごとに、この枠はどのような層のユーザーが目にする機会が多いのか、ほかの広告と競い合ってまで勝ち取る必要があるか、ほかの広告と競い合うなら費用はどのくらいかけても良いかを瞬時に判断し、入札の有無や入札額を決定しているのです。
DSPを提供するサービス業者も複数ありますが、いくら広告費用はいくらでもかけるから落札してもらいたいといっても、瞬時の判断能力や入札タイミングが悪いと勝ち取ることができません。
そのため、データ処理能力の高いDSP業者に依頼することがポイントになります。
混同しがちなDSPとアドネットワークの違いについて
Web広告の掲載スタイルや掲載の仕組みは多様化しているとご紹介しましたが、DSPと似ているように見えて、違うのがアドネットワークです。
では、DSPとアドネットワークにはどのような違いがあるのでしょうか。
アドネットワークは広告枠を一元管理するシステム
アドネットワークはサイトやブログ、SNSなど複数のメディアが提供する広告枠を一元管理する広告配信管理システムを指しています。
Web上だと、どれも同じように思えるのでわかりにくいですが、たとえば、テレビとラジオ、雑誌に新聞に一度に広告を出すネットワークがあるようなイメージです。
アドネットワークを使うことで、1つの広告を、さまざまなWebサイトやブログ、各種SNSなどに一度に配信できます。
これに対してDSPは、広告のターゲット層にまで着目して、それに見合った広告枠が配信されたときだけ、入札を行い、広告枠を効果的にゲットしていきます。
この点、アドネットワークの仕組みのほうが先に登場しており、その後にさらに効果的な広告を出す仕組みとしてDSPの仕組みが登場してきました。
アドネットワークではターゲティングができない
アドネットワークではネットワーク内にある、各種のブログや各種SNSの広告枠にまとめて配信できる機能はあっても、どんなユーザーに対して配信するかというターゲティング機能は有していません。
これに対して、DSPはユーザーデータを用いて運用を行っているので、ターゲティングを行い、的を絞った広告の配信を可能にしてくれます。
そのため、アドネットワークは面の広告配信、DSPは人に焦点を絞れる広告配信と表現されることがあります。
DSP広告を利用するべき3つのメリットについて
Web広告を出すにはさまざまな仕組みがありますが、DSP広告を利用するべきメリットはどんな点でしょうか。
ここでは代表的なメリットを3つご紹介します。
ターゲットを絞った広告配信ができる
DSPは入札するにあたり、広告枠がどこのメディアなのかといった場所だけでなく、その場所がどんなユーザーがアクセスしたか、利用する場所なのかまでチェックすることができます。
その分析のために、ネットユーザーのCookie情報を利用して、性別や年代、嗜好、行動履歴などを調査、分析できる機能が備わっているのです。
データ分析を通じてターゲットを絞り、RTBを通じてターゲットに見合った広告枠かを瞬時に判断して、最適な入札額を入れ、無駄なくピンポイントで広告を配信できるのがメリットです。
かける広告費用に対しての成果が出やすく、コストパフォーマンスに優れています。
類似ユーザーにも拡大可能
DSPのデータ分析を利用すれば、過去に出した広告で成果が出たユーザーと類似した行動や興味関心を持つユーザーへ広告を配信することも可能です。
ターゲットユーザーだけでは飽和状態になった場合など、行動パターンや嗜好が類似するユーザーまでターゲットを拡大することで、回り道をせず、速やかに市場拡大や売り上げを伸ばすことが可能となります。
コストパフォーマンスに優れている
ユーザーの行動履歴などのデータ解析に基づき、RTBを通じて入札を行うシステムなので、ターゲットにならないユーザーに対してまで広告費用を払うこともなく、オークション形式を利用した最適な価格で効果的な配信を行うことが可能です。
Webマーケターがよく使うDSP広告の種類
DSP広告にもいくつか種類があります。
Webマーケターがよく使うDSP広告の種類をご紹介します。
自動型
目標設定や配信方法が事前に決められており、これまでの配信結果やDSPごとに独自のアルゴリズムに基づき、自動的に最適化される仕組みです。
あらかじめ定まったアルゴリズムによるので、主観が排除されます。
運用型
自社で運用を行う方式で、広告効果を確認しながら、ターゲット層の決め方などを細かく調整する方式です。
運用する手間がかかりますが、市場の動きやトレンドなどに合わせて柔軟な対応がしやすくなります。
メリットを理解してDSPを活用しよう
DSPは広告主が希望するターゲット層に、希望する予算の範囲で広告を配信し、無駄のない効果的な成果を上げていくための仕組みです。
ターゲットを絞り、オークションを通じた最適な価格で広告を出せるので、コストパフォーマンスに優れています。