meceとは?フレームワークやビジネスシーンでの活用例について

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ビジネスシーンでの問題解決にはmeceな考えが必要です。物事を漏れなくダブりなく整理する方法で、原因となる要素を洗い出す際の基準とします。

ロジカルシンキングという考え方がビジネスではよく使われますが、ロジカルシンキングは物事を整理して順序立てて考え、矛盾のないように解決に導く方法です。その最初の工程で物事を整理する際にmeceな考えが有効となります。

最初に漏れやダブりがあると正しい解決に至らないため、meceを使いこなすことは業務の向上に欠かせません。

ここでは問題解決に悩む働き手の方々にぜひ知っていただきたいmeceな考えについて、フレームワークやビジネスシーンでの活用例をご紹介していきます。

meceとは?

meceは「ミーシー」または「ミッシー」と読み、「漏れなく、ダブりなく」という意味があります。
以下の単語の頭文字を取っています。

・Mutually:相互に
・Exclusive:重複せず
・Collectively:全体で
・Exhaustive:漏れなく

meceは物事を考える際に細分化した情報を「漏れなく、ダブりなく」整理するやり方です。特にビジネスでは問題が複雑化する傾向にあり、そのままでは本質が見えないため、細かく切り分けて考えていきます。

meceの考えには2通りのアプローチがあります。
1.トップダウンアプローチ
2.ボトムアップアプローチ

それぞれ比較して説明します。

トップダウンアプローチ

トップダウンアプローチとは、その名の通り上から全体を見て大枠を掴んでから要素を当てはめていく方法です。

ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチは、トップアップアプローチとは反対に要素を積み重ねて徐々に全体像を把握していきます。

全体像が不明確な場合は、ボトムアップアプローチで大枠を導き出してから、トップアップアプローチで修正していくやり方も効果的です。

meceを意識することで、見落としや重複のミスが減り、問題へ正しくアプローチできます。

meceのフレームワーク

meceな考えにはさまざまなフレームワークがあります。目的によって使い分けることが多いですが、中でもロジックツリーはさまざまな場面に応用できる万能タイプのフレームワークです。

3c分析

3c分析とは、顧客(Customer)、競合会社(Competitor)、自社(Company)の3つの頭文字をとって名付けられたフレームワークです。顧客と競合会社から見た視点を独自に分析して自社の成功へとつなげます。

SWOT分析

SWOT分析は、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字が使われたフレームワークです。自社の強みと弱みをしっかりと把握し、環境からくる機会と脅威からビジネスを展開します。

4P分析

4P分析は、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つに分けて考察します。マーケティングによく使われるフレームワークで、戦略を練る際に有効です。

5フォース分析

5フォース分析は、次の5つの脅威について分析します。業界内での競争、新規参入、代替品の有無、買い手の交渉力、売り手の交渉力です。新たに事業を立ち上げる際に使われるフレームワークです。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題となる要素をツリーに見立てて並べたフレームワークです。枝分かれして要素を整理できるので、何がどこの問題とつながっているのか、どこから派生しているのか把握しやすい特徴があります。全体のイメージも掴みやすく、優先順位もつけやすい万能タイプです。

ビジネスにおける活用例

meceのビジネスにおける活用例をご紹介します。
meceになっている例となっていない例でみていきましょう。

meceになっている例

自社のサービスを利用する消費者を分析する場合、居住地域で分ければ漏れやダブりを防ぐことができます。単身赴任などで2つ家があったとしても、住んでいる居住地は一つに限定できます。

meceになっていない例

上記の自社サービスを利用する消費者を、職業で分けるとどうでしょうか?
会社員、自営業、フリーランス、アルバイト・パートと並びますが、フリーランスとアルバイトを掛け持ちしている場合は、ダブりが出てきます。
会社員の中でも正社員、契約社員、と細分化できたり、無職の人がいることに気づかなければ漏れがあるということです。

meceの注意点

meceの考えを活用する際は4つの注意点に気を配る必要があります。
1.目的を見失わない
2.重複より漏れに気をつける
3.優先順位をつけて考える
4.すべての要素が分類できるわけではない

一つ一つみていきましょう。

1、目的を見失わない

分類することに夢中になると本来の目的を忘れてしまうこともよくあります。meceは問題解決に向けた手段です。何のために分類するのか目的をはっきりさせておきましょう。

2、重複より漏れに気をつける

meceでは重複を避けることも必要ですが、漏れに気を付ける方が優先されます。漏れを見逃すと大事な要素を取り逃してしまうことになります。

3、優先順位をつけて考える

問題を分析していくと、それほど重要ではないことや主観的と思えるような要素も出てきます。優先順位をつけていくと、それらに時間を取られることがなくなるでしょう。

4、すべての要素が分類できるわけではない

meceではすべての要素が独立して分類できるとは限りません。いくつかのカテゴリに属する要素も出てきます。主観にとらわれず、meceの考えに立ち返って分類しましょう。

meceを身につけるには

meceは一度で習得できるものではないため、ロジカルシンキングに基づいて繰り返しフレームワークを練習する必要があります。meceに考える思考が定着すると、問題解決がスムーズになり、大事な要素を見落とすことがなくなります。

時には分類したものを第三者に客観的に見てもらうことも効果的です。
日頃から意識してmeceな考えを習得していきましょう!

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