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新型コロナウイルスが猛威を振るい、テレワーク・リモートワークといった在宅勤務を取り入れる企業が増えています。
今までは、オフィスで顔を合わせるのが当たり前であった日常が変化し、組織内でのコミュニケーション不足が課題になっている企業も多い中で、これを解消するためのサービスを提供する企業も登場するようになりました。
今回は、テレワークの孤独感を解消するオンラインオフィスサービスとして注目の『Parafice(パラフィス)』を運営されている株式会社Divideの水本豪様にお話を伺いました。
オンラインオフィスが構築できる『Parafice(パラフィス)』とは
――『Parafice(パラフィス)』とは、どのようなサービスですか?
水本様:『Parafice(パラフィス)』は、「チームをつなげるオンラインオフィス構築プラットフォーム」と称して提供中のIPaaS(Integration Platform as a Service)領域のサービスです。
「オンラインオフィス構築プラットフォーム」は、2020年初期段階では需要の薄いカテゴリーでしたが、働き方改革と新型コロナウィルス影響により需要が増加しています。昨年の3月頃に本サービスのアイディアが浮かび、「従来のオフィスで起きていたことをオンライン上に拡張する」というコンセプトを基に開発し、テレワーク・リモートワーク中でもチームメンバーの状況をバーチャル空間内で共有できるようにしました。
――『 Parafice(パラフィス)』の特徴や強みは何ですか?
水本様:特徴的なのは、オフィス内に配置された部屋の役割をチーム内で共有しておけば、メンバーのステータス判定が瞬時にできるようになることですね。メールアドレスさえあれば、オンラインオフィスで同じ空間を共有しながら仕事をすることができます。
「会議室」と設定された部屋に複数人のメンバーがいれば、ミーティングをしていることが視認可能ですし、「休憩室」や「作業部屋」に入室しているメンバーには声をかけない、といった配慮もできるようになるでしょう。
また、サービス内のテキストチャット機能「Bounce(バウンス)」は従来のオフィスで「今ちょっといい?」から始められていたようなコミュニケーションのきっかけとなる様に前述のコンセプトに沿って開発した機能で、ちょっとした雑談やミーティングの打診などに活用できるのではないでしょうか。
これらの事を含めて『Parafice(パラフィス)』の強みは、テレワーク下における「物理的障壁」の突破が可能な点です。ここで言う物理的障壁とは、「オフィス増床問題」「メンバー点在による集約コスト」「他拠点への移動コスト」の3つを指します。
「オンラインオフィス構築プラットフォームは先進的な技術が用いられている領域ではないため、UI/UXや価格面が重要になりますが、UI/UX面で言うと、競合他社では平面でしか再現できないビューを、『Parafice(パラフィス)』は箱庭型に再現することで立体感を演出して、デザイン性を高めることが可能という特徴があります。コスト面においては、主要な競合サービスと比較しても、月単位で3分の1以下のユーザーコストでご利用いただける価格を実現しています。
『Parafice(パラフィス)』誕生のきっかけは、なんだったのか
――そもそもどうして『Parafice(パラフィス)』を始めようと思ったのですか?
水本様:新型コロナウィルスの影響により、多くの企業がテレワーク・リモートワークに強制的にシフトせざるを得なくなり、移行にあたって様々な課題が生まれたというのは、メディアでも報道されています。
弊社は、創業当時からオフィスワークを中心としていたため、今回のことがきっかけで、特別な課題が生まれることはありませんでした。
しかし、様々な社内会議ツールを試す中で、物足りなさを感じていた部分もあり、その理由は「安心感と緊張感の並列する従来のオフィス環境が、リモートによって安心感>緊張感という構図に変わった為」と結論付けました。
このような結論に至った際に、オンライン上にオフィスを構築して、この課題をクリアすることができるサービスはないのかと考えるようになりました。
試しに「My Digital Office」という海外製のツールを使ってみたところ、国内ではこのようなツールでメジャーとなっているサービスはまだなく、弊社がソリューションを提供できれば、このような問題に直面している企業をサポートすることができると思い、開発に踏み切ることにしたのが『Parafice(パラフィス)』誕生のきっかけです。
『Parafice(パラフィス)』のビジネスモデルとは
――『Parafice(パラフィス)』のビジネスモデルを教えていただけますか?
水本様:『Parafice(パラフィス)』は、プラン毎の契約基本料と人数追加料金を頂戴しています。
従来のオフィス機能を『Parafice(パラフィス)』に移管していただくことで、オフィス規模を縮小しつつも従来と変わらないオフィス環境を維持することが可能となるため、コスト縮小ができるというメリットがあります。
現在はβ版をリリースしていますが、製品版のリリース以降は、勤怠管理ツール等との連携も想定しており、労務視点で見たテレワークの不透明さに対してもアプローチすることが可能となります。
また、経費申請機能やクラウドストレージ機能等と連携させ、iPaasサービスとしての機能を強化して利便性の向上を図る予定です。
『Parafice(パラフィス)』の目指すものとは
――貴重なお話をありがとうございます。最後に今後の展開を教えていただけますか?
水本様:開発面の目標としては、2021年3月下旬頃を目処に製品版をリリースしたいと考えています。
ビジネス面においては、2021年12月までに導入社数120社を目指します。
定性的には「従来のオフィスが果たしていた機能や役割、起きていた出来事をオンラインに拡張させる」をコンセプトとしているため、それに沿って必要な機能等があれば開発ないし連携を目指していく所存です。
利便性の追求はもちろんですが、それ以上にオンライン会議システムを中心とするテレワーク・リモートワーク中に生じる「孤独感」を、『Parafice(パラフィス)』を導入することで解消し、安心感と緊張感の中で働くことができる、もう一つのオフィス「Parafice=”Parallel Office”」としてより良いものにしていくことが実現したい世界観ですね。
インタビューから見えた『Parafice(パラフィス)』とは
今回、水本様にインタビューさせていただき、『Parafice(パラフィス)』について貴重なお話を伺うことができました。
新型コロナウイルスの脅威はまだまだ収まらず、収束後もテレワーク・リモートワークを働き方の選択肢の一つとして定着させる企業は多いと考えられています。
『Parafice(パラフィス)』は、テレワークにおいて今現在挙げられる課題はもちろん、今後発生するであろう課題にも対応することができるサービスであることが、今回のインタビューから伺うことができました。
時代の変化に合わせて私たちも働きやすい環境を自ら構築していく必要があります。そのためにも、『Parafice(パラフィス)』を導入して従来のオフィスと変わらない、それ以上の生産性を目指してみるのはいかがでしょうか。
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