アサーションとは?意味やどんなスキルが必要か、トレーニング方法について

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現代は多様性が重視される時代となっています。
かつてのように正しいと思われる価値観を他人に押し付けるようではいけません。
相手の話をよく聞き、それと同時に自分の意見もしっかりと主張してこそ対話は成り立ちます。
しっかりとした対話ができてこそお互いのことも理解できるようになるでしょう。
そんな現代にあって最も重要と言える用語にアサーションというものがあります。
日本ではまだまだ馴染みのない言葉ですが、きっとこれから頻繁に聞くようになるでしょう。
今のうちにどういう言葉かを的確に理解しておくべきです。

アサーションとは?意味・定義について解説

アサーションは日本語で自己主張を意味する言葉です。
そこから転じて、ビジネスシーンなどにおいてはお互いが自己主張し合う対話という意味で使われるようになりました。
対話においては双方が忌憚なく意見をぶつけられるようでなければいけません。
どちらかが一方的に話をリードするばかりで、片方が喋る隙がないようでは生産的な対話はできないのです。

アサーションの考え方はなぜ生まれた?

アサーションという言葉は元々心理療法の業界で使われていた言葉でした。
それまではカウンセラーが一方的にカウンセリングを行うことが一般的だったのですが、それではダメなのではないか、という反省がなされたのです。
対話が苦手な患者でもしっかりと自己主張ができるようにすべきだ、という考え方に変化していきました。
当初は心理療法の一環として取り入れられたアサーションは、徐々に社会に浸透していきます。
特に60年代から70年代にかけて、黒人や女性といったマイノリティな人々が権利を主張するようになるとなおさら自己主張は重要だ、といった思想が定着するようになりました。
そして近年ではビジネス業界でもアサーションの重要性が明らかになりつつあるのです。

アサーションの効果やメリットについて

アサーションを取り入れるメリットとしては、年齢や性別に関係なく誰もが意見を言いやすくなる、という点が挙げられます。
日本のように年功序列が重視されやすい世界においては、どうしても年上の人が発言権を握りがちです。
また、男女平等が進んでいない業界においても、女性がなかなか積極的に発言できないという問題点があります。
そのように既存の価値観に則りながら対話が行われ続けていると、多様な意見が取り入れづらくなってしまいかねません。
そうしたことを防ぐためにもアサーションを取り入れる必要があるのです。
アサーションの考え方を取り入れながら、誰もが積極的に発言できるような環境を作れば、より有意義な意見が収集できるようになるでしょう。

アサーションは信頼関係構築にも有効

近年はパワーハラスメントが何かと問題になりがちです。
上司が一方的に部下に対して圧力をかけるような状況はアサーションの考えとは反対と言わざるを得ません。
そうならないためにも部下が伸び伸びと仕事ができるような環境を作らなければならないのです。
また、目下の人間が積極的に意見を言えるようになれば、上司とも信頼関係を築きやすくなるでしょう。
あの人ならどんなことを提案しても一度は耳を傾けてくれる、と思わせられれば忠誠心を持って仕事をしてくれるようになります。

アサーションに関連する3つのタイプとは?

自己主張する、といっても好き勝手な意見を言いっぱなしにしているだけではいけません。
自己主張をするにしても相手に許容されやすい態度があるとわきまえておくことは重要です。
ここからはアサーションのタイプを3つ紹介していきます。

攻撃的なタイプ

自分の言いたいことだけを言うタイプのアサーションです。
議論などで相手を打ち負かすことだけを狙っている人は少なくありません。
このようなアサーションに対しては、まず相手の言うことをしっかり聞くよう促すようにしましょう。

ノン・アサーティブなタイプ

これは自己主張が苦手な人のことを指します。
人と言い合いをするのが苦手で、自分の意見をついつい曲げてしまいがちなタイプです。
このような人も積極的にアサーションができるような環境を作るのがベストでしょう。

アサーティブなタイプ

自分の意見をしっかりと主張しつつも、相手の意見に耳を傾けられる人のことをアサーティブと呼びます。
論理的に物事を考えられるだけでなく、適切な言葉を選ぶこともできるので、誰かと衝突することもありません。
組織の中にこういう人が一人いるだけでも会議などがスムーズに行いやすいです。
人材を育成する際はこのようなタイプの人をたくさん育てられるようにしましょう。

アサーショントレーニングの方法・ポイント

アサーションの考え方やタイプなどがわかったので、実際に自分もアサーティブな人になりたい、という方は多くいるでしょう。
ここからはアサーショントレーニングである、DESC法とIメッセージについて詳しく説明していきます。

DESC法

Discribe(描写)、Explanation(説明)、Suggest(提案)、Choose(選択)の頭文字を取ったトレーニング方法です。
会社からこの日に出勤できないか、と言われたときのシチュエーションを例にしてみましょう。
まず自分の置かれた状況を描写してください。
この日は家族と外出する予定がある、と言えれば問題ありません。
次に自分の気持ちを説明しましょう。
最近なかなか時間が取れていなかったので家族としっかり過ごしたい、と言うのが望ましいです。
3つ目に代替案を提案しましょう。
急な仕事でなければ次の出勤日にこなす、などと提案できれば相手も納得してくれるはずです。
最後に相手から提案された内容を実行するかどうか選択しましょう。
こうしたトレーニングを経て自分の主張を具体的に伝えるようになれれば、相手との交渉もスムーズに進みやすいです。

Iメッセージ

人と話しているとついつい相手の意見を否定してしまう、という人は少なくありません。
たとえば,、ランチにどこに行くか、という話し合いをしているときに、あなたはファーストフードでいいと言うけどそれは健康に悪いよ、と言ってしまう人は少なからずいるでしょう。
このように物事を否定しているばかりだと生産的な話し合いはできません。
そこで代わりに「私は」という主語ありきで話すというトレーニング方法があります。
先程の例で言えば、私は健康のためにお蕎麦屋さんに行きたいな、と言えば相手の意見を否定することなく自分の意見を伝えることができるのです。

アサーションとアサーティブの違いとは?

アサーションは時にアサーティブと言われることもあります。
両者は大まかに言えば同じ意味の言葉です。
アサーティブは英語のassertivenessを略した言葉です。
英語圏においては、あの人は自己主張の強い人だ、という意味合いで使われています。
それに対してアサーションは名詞なので、単に自己主張という意味合いで使われているのです。
英語圏の人とコミュニケーションするときにはアサーティブと言わず、アサーティブネスというようにしましょう。

アサーションの意味を理解して積極的な発言を

海外の人と比べると日本人は自己主張が苦手、と言われがちです。
海外でも戦っていける人材として成長するためにもアサーションの考え方を血肉化することは欠かせません。
もちろん企業をグローバルなものにしていくためにもアサーションは重要です。
すべての人が進んで自分の意見を言えるような環境を構築していくようにしましょう。

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    執筆者  STRATE編集部

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