本記事では、人事管理についてQ&A方式で解説しております。
人事管理システムが持つ機能についてよくある疑問
A.人事管理システムの持つ機能は、人事業務の無駄を省き、効率を上げる事を目的としたものです。
【福利厚生、就労状況の管理】
入退社の手続きや採用の際の契約書、給金の明細書の作成を、書面ではなくWebで実施可能です。
これにより、用紙の配布や回収の手間が失くなります。
またマイナンバーの管理、年度末の調整ができる機能を持つシステムもあります。
【社員の個人データの管理】
部署異動の経歴や、資格の有無などを電子データ化して管理・更新します。
【勤務状態の評価】
人事評価では、評価の担当者により調査方法や結果に差が出る事があります。
システムによる調査では、評価の判断基準を統一化し平等に評価できます。
Q.人事管理システムの種類は?
A.システムの種類は、大きく分けて3つあります。
会社の規模や業務内容により、合致するシステムの機能は違います。
人事管理システムの種類を把握する事により、自社に合う機能を持ったシステムを選別できるでしょう。
【人事・労務手続きに特化】
人事・労務手続きに特化したシステムは、手続きの簡略化に特化した機能を持っています。
Web上での書類作成により印鑑を省略し、システムによっては自動で文書を作成します。
簡易な作業はシステムに任せ、職員は精密な業務に集中可能です。
・オフィスステーション労務
職員が10人以上いる職場なら、1人月440円で利用可能です。
労務に関係する104つの書類が作成できます。
・SmartHR
約50の他システムと連携でき、給金を算出するソフトと接続すると、Web上で支払い明細書を簡単な操作で作成できます。
従業員はWeb上で明細を確認できるので、明細書発行の必要はありません。
【人事情報を一元管理】
管理が必要な職員の情報は多数存在します。
連絡先から始まり、職場の所属経歴や役職の変更、過去と現在の人事評価などを管理するのは大変です。
その上、派遣社員の契約更新なども人事の役目となります。
社員の情報を一括で管理し、人事の負荷を緩和してくれるのが人事管理システムです。
以下は、おすすめの人事管理システムになります。
・マネーフォワード クラウド人事管理
他のマネーフォワード クラウドと連携すれば、データを移行せず給金の算出などができます。
・総務人事奉行クラウド
部署異動などで生じた変更点を容易に改定できます。
・ヒトマワリ
住居などに変更があった場合、職員がシステムにアクセスして人事に知らせる事ができます。
【人事評価に特化】
職員の就労状況を調査し、評価する事は人事にとって不可欠な業務です。
システムで調査を行う事により、人事職員の先入観などによる評価の偏向性を失くし、正当な調査を実施できます。
・カオナビ
人事評価の偏りを防止する甘辛調整機能があります。
この機能は、人事が特定の職員のみを厳しく評価したり、または贔屓して評価を上げる事を抑制します。
約2,500の企業への導入経験があります。
・あしたのクラウド
AIによる評価システムなので、主観的な判断が評価に入る事はありません。
Q.人事管理システムを導入するときの比較ポイントとは?
A.システムの導入前に、それが自社の業務に対応しているかや、利用料金は予算内かなどのリサーチは必須です。
また、使い勝手の良さや他の自社システムとの連携も考慮する必要があります。
【対象業務の範囲】
人事管理システムにより、対応している業務の幅は違います。
任せたい業務が対象の範囲内かを確認しましょう。
・オフィスステーション労務
この人事管理システムは、全ての人事業務が対象内です。
有休なども、オプション機能で管理できます。
・マネーフォワード クラウド社会保険
社会保険の手続きに関する文書が作成でき、そのままWeb上で申請できます。
【利用料金は妥当か】
人事管理システムの大半が、職員数により料金が算出されます。
小規模会社向けのシステムでは、一定の職員数までは安価で利用できるものもあります。
・マネーフォワード クラウド社会保険
5人まで月4,980円で利用可能です。
それ以降は、1人につき100円加算されます。
・SmartHR
30人まで無料のため、人事管理システムを試験的に導入する場合におすすめです。
【操作性が直観的で簡単か】
人事以外の職員も人事評価に回答する場合などにシステムを扱うため、操作が簡易なものが望ましいです。
・オフィスステーション労務
職員自ら個人データを登録でき、後ほど加筆する事もできます。
・カオナビ・スマカン
職員のデータに写真を添付して、限定的な閲覧を可能にします。
この機能により、職員同士のコミュニケーション向上が見込めます。
Q.おすすめ人事管理システムは?
A.上記で記載したシステム以外のシステムを紹介します。
【労務手続きに特化した人事管理システム】
・SmartHR
多言語機能で日本語に不自由な職員にも対処できます。
5万の企業への導入経験があり、30人以内は無償のプランがあります。
・オフィスステーション労務
導入経験は約2万社で、利用した会社の9割が引き続き運用しています。
社会保険労務士から、電話によるアドバイスが貰えます。
導入費用は11万円です。
・freee人事労務
法定三帳簿(職員名簿、賃金台帳、出勤簿)が作成できます。
職員の給金と控除を自動で算出し、明細書を作成してくれます。
1人月400円で、導入にかかる費用はありません。
【職員データを一括で管理できる人事管理システム】
・総務人事奉行クラウド
人事の仕事を自動化し、会社自体のパフォーマンスを上昇させます。
社会保険労務士などのプロフェッショナルが、職員のデータの管理状態をチェックしてくれます。
基本料金は月7,000円です。
・COMPANY
大手の人事管理に特化したシステムです。
1,200の大企業への導入経験があります。
リピート率が9.8割で、約10年連続で600社以上が利用を継続しています。
・ヒトマワリ
導入は無料で、基本料金は1万円です。
人事評価を数年にわたり解析する機能があります。
各部署やポジションによる離職率、平均の給金や給金のベースアップ率を解析可能です。
また、求人や面接などの雇用管理の機能もあります。
導入は無料で、月1万からの利用料金です。
【人事評価に特化した人事管理システム】
タレントマネジメントシステムとも呼称されています。
・HRBrain
人事評価だけではなく、職員の持つ技能や将来性を分析し、人事異動を効果的に行える機能があります。
・スマカン
大学や専門学校への導入に特化しています。
職場が掲げる目標達成への援助、職員の職場への貢献度グラフ化機能があります。
月5万円からの利用料金です。
・あしたのクラウド
職員の評価に応じて給金を決定する機能があります。
4,000の会社への導入経験があり、AIが会社が掲げる目標を診断して修正してくれます。
人事評価が妥当だったか、評価を担当した人事を調査する機能があります。
会社のマネジメントやサポート機能も付いています。
人事管理と労務管理の違いについてよくある疑問
Q.人事管理と労務管理は何が違う?
A.人事管理と労務管理の違いについて解説します。
【人事管理とは】
人事管理とは就職面接や従業員の教育を行うなど、職員と直に接する機会の多い業務です。
職員が働きやすい様バックアップし、企業を中から発展させます。
勤務状態や就労時間、有給休暇の消化状況などを認識して管理します。
【労務管理とは】
労務管理とは就労に関するルールを決定し、業務上の安全や衛生面での管理を行います。
職場の環境省を整備するのが主な業務です。
個々の職員への対応は人事に任せ、職場全体を管理します。
Q.人事管理と労務管理に共通することとは?
A.業務の異なる二つの部署ですが、留意しなければいけない点や、職務に対する姿勢には共通点が存在します。
【情報管理意識の徹底】
両部署とも、職員の個人情報を管理しているという点は変わりません。
例え職場内でも個人データが漏洩すると、1人のミスでも部署全体がペナルティを負う事態になります。
人事と労務で働く全員が情報管理の重要性を意識し、情報リテラシーを徹底する必要があります。
職員のデータについては、人事と労務で管理におけるガイドラインを作成しておく事が大切です。
電子システムで情報を管理している場合は、セキュリティ対策を取る事が必須です。
【法令の遵守】
人事・労務管理ともに、労働に関連する法律の知識を身につけ遵守する必要があります。
法令が改定されたら、職場の就労規約や制度も見直さなくてはいけません。
労働に関する法律は厚生労働省の管轄なので、情報を適宜収集しましょう。
もし法令に違反してしまいネットニュースなどに取り上げられてしまうと、会社が倒産危機に陥る可能性もあります。
【改善点を見つける姿勢をもつこと】
不必要な作業はないか、更に合理的にできないかを考え、システムを利用するなどして無駄を排除し、管理の状態を最適にする事が重要です。
労務管理システムを利用すると、書類の作成などを自動で行ってくれます。
これにより、事務作業を大幅に減らし管理を効率化できます。
Q.人事管理の業務内容とは?
A.労務は職場全体の管理という幅の広い業務ですが、人事管理は個々の職員のサポートを行う綿密な業務です。
人事管理の業務内容について解説します。
【職員の雇用】
職場の目標や基本方針を元に、雇用のプランを立案します。
今職場に必要なのは新卒なのか、即戦力となる就業経験者なのかを協議して求人を出します。
その後は応募者を書類選考し、面接の段取りを組みます。
【職員の各部署への配置決め】
新入社員の配属先を決定するだけでなく、他の支社や本社への配置転換、自社内での人事異動も行います。
職員の保有資格や希望する配属場所、将来性などを考慮して決定します。
【職員の教育】
研修制度を整えたり、各部署に応じた資格の習得などを後押しします。
実務前に業務内容を講義やリモートで伝える研修プログラムを組んだり、必要であれば社外の講座を勧めたりもします。
新卒社員の場合は、社会人としてのビジネスマナーを含めた研修や、コンプライアンスを学ぶ機会を設ける事もあります。
【人事評価】
職員の給与や昇級を決定するには、職員の勤務状態を評価する仕組みが必要です。
設定した目標の達成度や、働き振りを判断し評価します。
正当に評価するには客観性が必要で、人事の主観的判断は不要です。
職員から不満が出ない様、調査方法や評価基準は誰もが納得するものである必要があります。
Q.労務管理の業務内容は?
A.労務管理の業務を一言で表すと、職員が安全に働ける環境を整えるという事です。
【就労規約の作成】
就業に関するルールを作るには、労働基準法などの法律を遵守しなければなりません。
就労に関連する法令が改定された場合、職場の就労規約も改定します。
会社のビジネス形態が変化したり、業務がリモート化された場合なども、ルールの変更が必要です。
【入社と退社の手続き】
入社の際に、給金を振り込む口座の登録、保険への加入手続きを行います。
退社の際は、保険の資格喪失届けの提出、退職証明書の発行、退職金の支払いとそれにかかる所得税の計算などを行います。
【衛生面の管理、安全への配慮】
労務管理には健康診断の実施や、近年ではメンタルヘルスケアも業務内容に含まれています。
その結果職員に異常が見つかった場合、生活習慣の改善を促したり、時短勤務に配置転換するなどの対処が求められます。
またハラスメント対策を協議したり、職員の悩み相談も受け付けています。
職員が勤務中に負傷したり、仕事が原因で病気を発症した場合、労災認定の判断を行います。
Q.人事管理システムが持つ基本機能とは?