メルクマールとは?使われる分野ごとの意味も解説

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ビジネス分野でよく使われる「メルクマール」という言葉は、日本語では「指標」という訳がもっとも近い言葉となります。

医療や法律といったビジネス以外の分野では違うニュアンスで使われることも多く、興味深い言葉でもあります。

本記事ではメルクマールの意味や類語について、分野ごとのニュアンスの違いや、ビジネスにおける活用方法について解説いたします。

メルクマールとは?類語や言葉の意味を解説

メルクマールとはドイツ語の「merkmal」を語源とし、ビジネスの分野でよく使われる言葉です。
「指標」「目印」といった意味で使われ、ビジネスでは目標管理において重要なキーワードとされます。

ビジネスにおいてメルクマールという言葉が使われるときは、「判断」というニュアンスが必ず含まれます。
その点が混同されがちな、よく似た類語との違いといえます。

分野ごとで異なるメルクマールの使われ方と例文

ビジネス分野以外でも、メルクマールはよく使われる言葉です。
分野が違えば、言葉のニュアンスは変わってきます。例文とともに解説していきます。

医療におけるメルクマール

例文 メルクマールによると、患者の症状は回復に向かっているようだ

病院で受ける治療の成果は、患者の症状や所見、検査数値により判断します。
医療においてメルクマールという言葉は、治療結果の「評価指標」として使われます。

また、病院が提供できる医療水準を判断する際の指標としても使われることもあります。

法律におけるメルクマール

例文 この判決は今後、同様の事件のメルクマールとなるだろう

法律の分野におけるメルクマールは、判決や、控訴・上告を行うか否かの「判断基準」として使われます。
例えば、過去の判例などがメルクマールとなります。

金融におけるメルクマール

例文 返済能力のメルクマールは預金残高である

金融においてメルクマールは、法律分野と同様に「判断基準」として用いられます。

メルクマールとベンチマーク、マイルストーンとの違い

メルクマールと混同しがちな類語を整理していきます。

マイルストーン

マイルストーンは、道路上に設置される距離を示す標識のことです。
通過点、単純にゴールまでの残り距離を示す標識という意味で使われます。

これに対しメルクマールは、中間目標がどれだけ達成しているかの評価・判断の基準として使われます。
評価や判断のニュアンスの有無が両者の違いとなります。

ベンチマーク

ベンチマークは測量における水準点を表す言葉です。
動かない定点をベンチマークとして定め、それを基準として建物や構造物の位置を決めます。

転じて金融の分野では株式の銘柄を比較する際の指標として、コンピューターの分野では性能を比較する際の比較基準として使われます。

物事を「比較・計測」するというニュアンスが含まれる点が、メルクマールとの違いです。

バロメーター

バロメーターは、物事の現状や状態を示すニュアンスが強い言葉です。

メルクマールのように判断の基準ではなく、結果を指し示す言葉であるといえます。
例えば「食欲は健康のバロメーター」というように、因果関係を含んだニュアンスで使われます。

KPI

KPIは最終目標 (KGI)の達成に向けた進捗を確認する、中間管理指標のことを指します。
達成基準や評価指標という意味合いが強く、メルクマールとはほぼ同義であるといっても差し支えありません。

違いを挙げるとすれば、KPIは中間目標の達成度を管理するというニュアンスが強いのに対し、メルクマールは評価や判断の基準というニュアンスが含まれる点です。

上手なメルクマールの設定方法

ビジネス分野においてメルクマールは、事業目標を達成するための途中経過を判断する指標となります。
事業目標を最短で確実に達成するためには、上手にメルクマールを設定し進捗確認をする必要があるのです。

メルクマール設定の5ステップ

メルクマールを設定し事業目標を達成するために必要な、5つのステップについて見ていきます。

最終目標を設定する

まず、最終的に達成したい目標を設定します。

目標設定のポイントは、達成までの期限を明確に設定することです。
明確に日付まで定めることが望ましいでしょう。
加えて金額や数値など、定量的な要素で判断できることも重要です。
また設定した目標は、確実に達成できる現実的なものでなくてはなりません。

やるべきことを洗い出す

目標達成のために、やるべきことを洗い出します。

目標を達成した状態と現状を比較し、ギャップを埋めるために必要な「やるべきこと」を抽出します。
可能な限り具体的な項目として挙げ、難易度や所要時間といった複数の要素で分類し整理します。

実行計画を立てる

やるべきことが明確になったら、次に実行の計画を立てます。

優先順位や投入できるリソースを考慮しながら各項目について、実行の手順といつまでに終了するかを中間目標として決めます。
計画は無理なく実行できる、現実的なものとする必要があります。

メルクマールを設定する

計画を立てることで、各項目の達成期限が中間目標として明確になります。
中間目標の達成度を判断する基準をメルクマールとして定めていきます。

基準は具体的に数値等で計測できるものであることが望ましいでしょう。
数値化できないのであれば、より具体的にどのような状態を達成とするのかを明確にします。

実行〜PDCAサイクルを回す

中間目標とメルクマールが定まれば、あとは実行あるのみです。
計画に沿って、各項目の中間目標達成に向け行動を起こします。

当然すべてが順調に進むとは限りません。
常に状態をチェックし、上手く行かない状況が発生すれば計画を見直すなど、柔軟に対応していきます。

メルクマール運用のコツ

計画を立てメルクマールを設定しても、運用が上手く行かなければ目標達成は危ういものとなります。
メルクマールを運用するには、次に挙げる要素が重要なカギを握ります。

実行者のコミットメント

計画の実行に参加するメンバーとの意思疎通は欠かせません。
最終目標と達成に向け取り組む意義を共有し、計画の全体像から自身の担当部分を明確に把握してもらいます。
そのうえで、メルクマールを十分に理解してもらうことが、達成に向けたモチベーションの維持につながるのです。

メルクマールはより具体的に

担当者のモチベーションを維持するには、中間目標におけるメルクマールは具体的なものである必要があります。
曖昧な判断基準であれば、担当者の感覚により達成度にばらつきが生じ、全体の計画を大きく狂わせる要因になりえるでしょう。
こうした事態を防ぐには、メルクマールはより具体的に、可能な限り数値で示す必要があるのです。

まとめ

事業目標の達成のためにメルクマールは欠かせないものです。

中間目標と、その達成を判断するメルクマールを適切に設定することが、事業目標の達成に向けた重要なポイントとなります。

ぜひ、適切な設定を目指してください。

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