リスクマネジメントとは?なぜ重要かその理由と事例、資格について

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企業の事業継続のため、リスクマネジメントの重要性が叫ばれています。
リスクマネジメントとはなんなのか、非常に重要な理由と事例、資格やプロセスについて解説していきます。

リスクマネジメントとは?わかりやすく解説

リスクマネジメントとは企業や団体などの組織において、リスクを洗い出し、リスクの未然防止や低減、現実化した場合の対処策をあらかじめ策定して、リスクを管理(マネジメント)していくことです。
企業が事業を継続させていくために行うべき対策とされ、あらかじめ検討して策定し、対策を実行していくことが必要です。

リスクマネジメントをするのに必要な資格は?

リスクマネジメントは組織一体的に行う必要があります。
経営部門や管理部門にて策定したものを、全従業員で共有し、日頃のリスク対策を行うほか、万が一リスクが発生したときに対応できるように訓練などもしなくてはなりません。
リスクマネジメントをするにあたり、特別な資格は必要ありませんが、リスクマネジメントをしっかり行い、全従業員に周知していくうえで、リスクマネジメント協会が認定するリスクマネジャー資格を取得すると、一定の知識やノウハウが得られます。

企業活動においてリスクマネジメントが重要な理由

企業の目的は利益の追求であり、自社の商品提供やサービスの品質を維持し、従業員の雇用も守っていくことが必要です。
企業が商品やサービスを提供することで、ほかの企業の事業活動や一般消費者の生活の維持にもつながります。
そのため、災害や事故などで事業の継続が困難になったり、顧客や取引先に損害を与えたり、従業員の健康を損なったり、大量解雇に至るような事態は避けなくてはなりません。
そのため、あらゆるリスクを想定し、未然防止や損害の低減、リスクが現実化した場合に対応できる方法を事前に策定し、実践できるようにしておくことが大切なのです。

リスクの幅は広い

企業が直面するリスクは大規模地震や洪水などの自然災害や自社や工場での火災、爆発などの事故、商品やサービスの欠陥による事故やトラブル、役員や従業員のミスや法令違反、故意による悪質な行為、取引先の倒産による連鎖倒産リスクなど多岐にわたります。
近年では、情報化やIT化が進んだことで情報漏洩や顧客情報の流出リスク、業務の多様化や複雑化によってアウトソーシング化が進んだことで、アウトソーシング先の業務停止が及ぼす自社への連鎖的影響も拡大なども大きなリスクです。
アルバイトスタッフによるイタズラ的な動画投稿でSNSが炎上、企業の信頼が失墜することや不買運動が起こるなど、管理すべきリスクが多岐にわたっています。
テレビCMの内容、新聞や雑誌広告の内容、経営者の発言など、わずかなことでも、反響が多く、ネットなどを通じて世論がストレートに影響してくるので、SNSリスク対策なども必要になります。

リスクマネジメントを導入した企業の事例

リスクマネジメントを導入した企業の事例を1つご紹介します。
災害対策についてのリスクマネジメント事例です。

富士通グループ

大規模な災害の発生を想定した全社防災体制を整備し、人的・物的被害を最小限に抑える目的で、1995年から継続して防災訓練を実施してきました。
被災地域事業所の従業員安否確認や建屋設備の被害状況をリアルタイムに把握し、共有するための情報ツールも導入しています。
全社あげての日頃の防災訓練の積み重ねと情報収集・共有の仕組みが功を奏し、2011年3月11日の東日本大震災では、被害状況を的確に把握でき、迅速な初動対応やその後の復旧支援につなげることができました。

リスクマネジメントの種類について解説

リスクマネジメントの種類には大きく分けて、リスクコントロールとリスクファイナンシングの2つの手法があります。
リスクコントロールは損失の発生頻度と大きさを削減する方法です。
これに対して、リスクファイナンシングは損失を補填するために金銭的な手当てを行うものです。
いずれか一方だけを行うのではなく、リスクコントロールによって損失を削減しながら、リスクファイナンシングを実行することで、より効果的なリスクマネジメントができます。
リスクコントロールはさらに4つの手法に分けられ、リスクファイナンシングの方法も2つの手法があります。
それぞれ見ていきましょう。

リスクコントロールの4つの手法

まずはリスクコントロールの4つの手法について紹介していきます。

リスクの回避

リスクを伴う活動自体を中止する方法です。
予想されるリスクを遮断する対策を採る一方、得られるはずのリターンの放棄を伴います。

損失防止

リスクが現実化することで損失が発生するのを未然に防止するための対策を採ることです。
予防措置を講じて発生頻度を減じるなどの対策も含まれます。

損失削減

リスクが具現化して事故が発生した場合に、損失の拡大を防止・軽減し、損失規模を抑えるための対策を事前に講じておきます。

リスクの分離と分散

リスクの源泉を1ヶ所に集中させず、分離することや分散させる対策です。
たとえば、大規模地震が起きた際にすべての事業所や工場が営業停止とならないよう、地域を分散させて事業所や工場を配置するといったことです。

リスクファイナンシングの2つの手法

では次に、リスクファイナンシングの2つの手法について紹介します。

リスクの移転

リスクに見合った損害保険や生命保険などの契約をしておき、損失発生時に第三者から損失補填を受ける手法です。

リスクの保有

リスクがあることは意識しながら対策を講じず、損失発生時に自己負担する手法です。
予想される損失が小さく、発生頻度も極めて稀なケースで採られる手法となります。

リスクマネジメントのプロセス・流れについて

リスクマネジメントのプロセスと流れは以下のステップを採るのが一般的です。

リスクの発見および特定

企業においてどのようなリスクがあるかを徹底的に洗い出し、特定する作業が必要です。

リスクの算定

特定したリスクをリスクの発生確率とリスクが具現化した場合の企業への影響度という2つの観点から、企業におけるリスク管理の重要度を算定します。
発生確率と企業への影響度をもとに、リスクの度合いを比較したリスクマップを作成して視覚化し、リスクを明確に整理しましょう。

リスクの評価

算定したリスクを一定の基準に基づいて評価し、対応する優先順位を付けます。
たとえば、大規模災害発生時には従業員の生命リスク、工場など建物の被害リスク、商品やサービスの提供ができなくなるリスクなどさまざまなリスクが一度に発生するため、優先順位を付ける必要があります。

リスク対策の選択

リスクごとにどの対策を採るのか、リスクコントロール+リスクファイナンシングによる手法から選び、さらに具体的な対策を講じることが必要です。

リスク対策の実施

選択したリスク対策について、具体的に実現するためのリスクマネジメントプログラムを策定します。
対策を講じても、いざというとき、行動に移せなくては意味がありません。
経営陣をはじめ全社員への周知や訓練の実施などが必要です。

残留リスクの評価

リスク対策実施の結果、残留したリスクが容認できる水準であるかを定期的に評価します。

リスクへの対応方針および対策のモニタリングと改善

定期的なスクリーニングや万が一、リスクが顕在化し重大な損失が発生したときに、リスクへの対応を見直すことも必要です。

リスクマネジメントの有効性評価と見直し

リスクマネジメントの仕組みが適切かつ効率的に構築・運用されているか、対策の有効性を評価し、必要があれば見直さなくてはなりません。

平時からのリスクマネジメントが重要

リスクマネジメントは企業の事業継続において重要な管理手法です。
あらゆるリスクを徹底して洗い出し、優先順位を付け、リスクごとに適切なリスクコントロール手法やリスクファイナンシング手法で対策を講じ、周知や共有、訓練などを実施していかなくてはなりません。

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