IFRSとは
1.IFRSとは
IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略であり、国際標準の会計基準を意味します。
IASB(International Accounting Standards Board)という、国際会計基準審議会が、世界標準の会計基準の設立を目標として導入し、ヨーロッパを中心に現在は100以上の国で採用されています。
なお、主要国の中で、日本とアメリカは、本基準が導入されていないため、今後の動向が注目されています。
2.IFRSの特徴
・原則主義
IFRSは、財務報告に関する原理を重視し、例外を極力認めず、解釈等を企業に任せる考え方です。
詳細な運用ルールは、IFRSによって詳細に規定されているわけではなく、IFRSが規定する原則を踏まえた上で、実務上、どのように運用するかは、各社の判断に委ねられます。
一方、日本の会計基準は、具体的な数値等の基準が設定されており、「規則主義」と呼ばれています。
・財産価値を重視
IFRSは、資産と負債の評価等、会計期間に増加または減少した財産価値を重視しています。
一方、日本の会計基準は、収益と費用の差額の純利益に応じて、純資産が増加するという考え方で、「収益・費用」を重視します。
・グローバルスタンダード
国際標準であるため、国ごとの独自性は排除され、各国が共通で解釈できる内容が英語にて規定されています。
3.IFRSのメリット、デメリット
(メリット)
・グローバル企業にとっては、各国ごとに会計基準が異なると膨大な事務負担となってしまうため、会計基準の統一化により、事務負担を軽減することが可能です。
また、海外子会社等の財務状況を、同じ基準で比較することが可能であり、子会社等の業績を正確に把握することが可能です。
・国際標準を適合させることで、競合他社との差別化が図れ、第三者にPRすることができます。
・海外投資家に向けて、日本の会計基準を説明する手間が省略され、財務関連資料もそのまま利用することが可能であり、資金調達が容易になります。
(デメリット)
・日本の会計基準にも適合する必要があり、IFRSと日本の会計基準の双方の事務負担が発生するとともに、監査法人等への費用も発生します。
・IFRSは、英語での定義に加えて、日本の会計基準とは考え方が異なるため、財務担当者の教育や事務に関する費用が発生します。また、日本の会計基準に加えてIFRSの改正内容についても、随時キャッチアップする手間が生じます。
IFRSの使い方・例文
・IFRSと日本の会計基準の相違点を整理する。
・A社は、EUに本社にあるため、日本の会計基準ではなく、IFRSの会計基準に要件に適合する必要がある。