アウトプレースメントとは
1.アウトプレースメントとは
アウトプレースメントとは、企業に所属する職員に対する、再就職の支援活動を意味し、外部の専門エージェントに委託して、退職する人員への求人紹介等を行います。
企業の退職支援は、リストラ等のネガティブなイメージが定着していますが、少子高齢化に伴う働き方改革の一つとして、シニア労働者向けにこのような制度を活用する企業が、年々増えています。
解雇に伴う、教育研修や手続き等も、専門エージェントが代行するのが一般的であるため、委託する企業の人事・労務にかかる負担が軽減されます。
なお、転職等で活用される、人材紹介サービスのエージェントは、転職者のスキルに応じて、多くの企業からのスカウトを受けることから、ヘッドハンティングと呼ばれ、アプトプレースメントとは、識別されています。
2.アウトプレースメントの目的
大手企業が人員整理を行う場合、退職金の割増等が一般的ですが、当該従業員と訴訟等に発展するケースも少なくありません。
特に、日本の場合は、正社員解雇の法規制等があります。
従業員の退職について、対象者が十分に理解した上で、新たな労働環境を提供することで、紛争に発展するリスクを軽減させる効果があります。
3.アウトプレースメントのメリット、デメリット
(メリット)
・円満退職
アウトプレースメントの活用によって、退職者のスキルアップやライフプランに基づく労働環境の提供が可能になるため、リストラと比較して、円満退職が期待できます。
また、従業員の再就職をサポートする観点から、労働組合からの指示も得られやすく、紛争に発展するリスクが軽減されます。
・人材の有効活用
再就職の支援により、当該企業で長年培った技術やノウハウを、他企業で有効活用することができるため、企業の社会的な責任を一層高めることができます。
(デメリット)
・エージェントに対して、対象者一人当たり数百万円相当のコストが発生します。
・対象者のスキルによっては、再就職先が見つからない可能性があります。
アウトプレースメントの使い方・例文
・役職定年後、アウトプレースメント制度を活用し、再就職先を見つけることができた。
・アウトプレースメント制度の導入によって、リストラに伴う、退職者からの訴訟リスクを低減させる効果が期待できる。