前回の記事では、LinkedIn(リンクトイン)は転職の目的以外でも使えるということをお伝えしました。
実際のところ、LInkedInは転職サイトではなく、あくまでも「ビジネス特化型のSNS」であり、プロフェッショナル同士を「繋げる」ことが、LinkedInの本質的な価値となっています。そして、人を「繋げる」という文脈から、派生的に「転職」支援というサービスが誕生したと理解するのが自然でしょう。
さて、今回はこのLinkedInを使って、どのようにしてより良い転職の機会(キャリア・オポチュニティ)を獲得するかについて共有します。
プロフィールの設定を変更し、転職に関心があることをアピールする
もし転職を考え始めている、もしくは新たなキャリアオポチュニティの情報取得に関心があるなら、プロフィール画面から「転職関心シグナル」をオンに変更しましょう。
オンに変更することで、リクルーター側の画面から、あなたが転職に関心があることが判別されるようになります。
なお、LinkedInは、有料プランとしてリクルーター向けに「Recruiter Account」を提供しています。これによって、以下のようなことができるようになります。
- 人材の検索
- InMail 管理
- プロフィール管理
- 求人掲載管理
また、本エントリーでは、ヘッドハンター・転職エージェント・企業採用担当者を含めて、リクルーターと呼ぶことにします。僕の場合は、この転職関心シグナルを発信すると、発信しないときと比べて、リクルーターからのアプローチが5倍以上多かったです。
転職シグナルの変更の方法は、以下の通りです。
- LinkedIn ホームページのメインメニューにある [あなた] アイコンをクリック
- ドロップダウンから [設定 & プライバシー] を選択
- ページ上部の [プライバシー] タブをクリック
- [求職に関する設定] セクションで、[人事担当者に求職中であることを知らせる] の横にある [変更] をクリック
- スイッチを [はい] に切り替えると、キャリアの関心が一致する場合に、あなたの情報が人事担当者の検索結果に表示されます。スイッチを [いいえ] に切り替えると、求職中であることを人事担当者に知らせる通知を停止できる
- 変更点は自動的に保存される
なお、この転職関心シグナルは、原則として、現在の勤務先のリクルーターには開示されないようになっているので、安心して使える機能です。
詳細は、LInkedInの公式ヘルプページに記載されているので、お目通しください。
リクルーターの検索条件に引っかかる部分をテコ入れする
さて、あなたのプロフィールがリクルーターの目に留まっても、プロフィールが魅力的でなければスカウトの機会を失ってしまいます。
特に、どの部分の内容を充実すべきだろうか?リクルーターの目線から、紐解いてみましょう。
<h3リクルーターの検索条件に注目する
まず、リクルーターは、大勢の候補者の中から、求めている人材像に合致するように検索条件を設定し、検索を行います。LinkedinのRecruiterアカウントの主な検索条件は、以下のような項目です。
・氏名
・会社名
・役職
・スキル
・業界
・経験年数
・キーワード(自由記述)
なお、リクルーターが人材を探す場合、特定のキーワードで検索する場合が多いです。
たとえば、エンジニアを探している際は、「ruby」や「ブロックチェーン」といったキーワードを入力して検索します。そのため、これらのキーワードを、「スキル」やプロフィール詳細に盛り込むようにして、検索でヒットするように準備しておきましょう。
<h4ヘッドラインとプロフィール(特に上段)を推敲する
検索結果にヒットした候補者が、一覧表示されるが、何百人もすべてのプロフィールをチェックするリクルーターは、ほとんどいないはずです。検索条件の関連性の高い、上位表示された候補者を集中してチェックするはずです。
一覧表示された候補者の中で見ることができる情報は、主に以下の項目です。
・氏名
・在籍企業
・役職
・ヘッドライン
・プロフィール(上段の数十文字)
よって、これらの内容を作りこむことで、リクルーターがあなたのプロフィールの詳細画面まで遷移し、スカウト(InMail)を送るかどうかの検討対象となります。
プロフィールは英語版も作成する
2018年現在、徐々に日系企業のリクルーターも使い始めてきている印象があります。
メルカリやLINE、DeNAは、海外人材も積極的に採用しようとしているので、やはりLinkedInでのリクルーティングに積極的だし、情報発信・ブランディングも怠っていません。
そうは言っても、LinkedInでリクルーティングする企業は、まだまだ外資系企業が圧倒的多数です。そのため、日本語だけでなく、ぜひ英語でもプロフィールを書くことをお勧めします。
英語でプロフィールを書くことによって、日本語が苦手な、もしくは話せない日本人以外のリクルーターに目を付けてもらえる可能性が生まれますが、LinkedInでは全体から見れば、日本語を話せないリクルーターがほとんどです。
いまは、Google翻訳の精度が上がっているので、あまり苦労せずに英語版のプロフィールを作成することができるはず。外資系企業で働きたい人や、海外で働くことに興味がある人は、ぜひ英語版のプロフィールも作成しましょう。
Tips:プロフィール内にメールアドレスを記載する
これは好き嫌いが分かれるが、特段支障がなければ、自身のメールアドレス(GmailなどのフリーアドレスでOK)を記載しておきましょう。
そのうち、LinkedInを見た、ということでコンタクトをもらえることが増えてくるかと思います。ただし、よく分からない商品のセールスを受ける可能性もあるので、悩ましいところです。ちなみに、僕は自分のフリーアドレスを公開しています。
求人案件に応募する
LinkedInでも、リクナビのような、いわゆる「ジョブボード」的な機能が備わっています。トップページの「求人」というタブをクリックすると、LinkedIn上で求人募集している企業がリストアップされます。
外資系企業が大多数ですが、オープンされている案件を網羅的にチェックできるので、興味のある企業の案件を一読しておきましょう。
また、企業ページを見ると、その企業で働いている人のバックグラウンドや最近リリースしたコンテンツが把握できるので、興味ある企業についてはチェックしておきましょう。
リクルーターと話してみる
プロフィール内容を充実させておくと、リクルーターからコンタクトが届くようになると思います。このコンタクトの仕方には、いくつかパターンがあります。
まずInMailで送られてくるメッセージ。これは、有料プランでないと送れない機能で、毎月に送信制限がかかっています。つまり、これは!という人材に対してでないと、リクルーターとしては送信したくないのです。
つまり、InMailが送られてきたら、相手側も本気だと思って良いでしょう。
その他には、まったく見ず知らずのリクルーターが適当にリクエストを送ったような場合も多いと思いますが、そのコンタクトに何らかのメッセージが付いていると、ある程度の本気度が感じられます。
そういったコンタクトを中心に、リクエストを承認してみましょう。
その後、
あなたのキャリアについて、一度電話でお話しませんか?
といった誘いを受けることになります。
相手がネイティブであれば、当然英語での会話になります。もし英語があまり話せなければ、予めその旨を伝えておけば、相手もそれを考慮して話し方やスピードを合わせてくれるので、あまり不安視しなくても良いでしょう。
電話インタビューの内容は、主に以下のようなものです。
・お互いの自己紹介
・どの程度、転職に関心があるか?
・キャリアオポチュニティの提案
とてもさっぱりしています。時間にして15〜30分程度なので、あまり気負う必要はないでしょう。
LinkedInで転職活動を行うメリット
ここまで読んでみて、「なんだ、リクナビやビズリーチとあまり変わりないじゃん」と思われた方もいるかもしれません。そこで、LinkedInで転職活動を進めるメリットについて整理してみましょう。
- 海外勤務を含めた、外資系企業のオポチュニティの提案が多い
- 良さげな外資系スタートアップからの提案が多い
1. については、やはりLinkedInを使っている企業やそのリクルーターがネイティブの方が多いので、外資系企業の案件が多くなっています。
とりわけ、日本支社立ち上げの案件だったりグローバル企業であることが多いので、海外出張があったり海外勤務(特に東南アジア)の案件も多いです。
2. は、伸び盛りの外資系スタートアップ(と言ってもすでに数十億円以上は調達済み)からのスカウトが多いことも、LinkedInの特徴です。
彼らは、アジアのヘッドクォーターとして、シンガポールや香港そして東京を選ぶことが一般的です。アジア市場に参入する際に、現地の適切な人材をコストパフォーマンス良く探すため、 LinkedInを使っているのです。
成長している外資系スタートアップで日本支社の部長クラスになれば、年収は2,000万円を超えることは確実です。加えてストックオプションのチャンスもあります。外資系企業で年収をアップさせることを検討している場合は、LinkedInで転職活動を行うことに損はないと思います。
おわりに
本エントリーでは、LinkedInの便利な機能を活用して、転職活動を成功させるための方法をみてきました。
LinkedInは純粋な転職ツールではないものの、転職活動すなわち外部のキャリア・オポチュニティに接する上では、欠かせないツールだと思います。日本語版のLinkedInも、UIがどんどん改善されています。まだ登録していない方も、一度登録されることをおすすめします。
なお、IT・Web業界の転職では、ギークリー社は一目置かれています。某大手転職媒体が主催する「転職決定人数部門」で、ギークリー社はランキングの常連であり、マッチング力に優れていると言えるでしょう。
エグゼクティブクラスの案件も多数保有しているため、若手の方だけでなく40代のシニア層の方にもフィットする案件に出会えるはず。実際に転職するかどうかはともかく、外部のポチュニティや自身の評価を知るためにも、転職活動は皆がするべきです。当然無料なので、一度ギークリーに登録してみてはいかがでしょうか。