ステークホルダーとは?その語源と、企業事例、社内でのステークホルダーマネジメントについて

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ステークホルダーという言葉をビジネスシーンで耳にしますが、なんとなくわかっているような顔でごまかしてはいませんか?
正確な意味を把握していないと後々困ることになりますし、プロジェクト管理に携わる立場ならなおさらのことです。
ここでは語源も含めステーホルダーについて簡単にわかりやすく解説するとともに、社内で参考になるステークホルダーマネジメントの事例を紹介します。

ステークホルダーとは?すごく簡単に解説!

ステークホルダーとは、利害関係者です。
簡単にわかりやすく例を挙げると、株主や経営者、取引先や顧客がまさにそうですし、そこで働く従業員もステークホルダーです。
取引先とは企業だけではなく金融機関も該当しますし、関係する自治体や地域社会、行政機関などもステークホルダーになる場合があります。
これだけ聞くと、その企業が得をすれば得をし、損をすれば損をする関係性にある相手に見えますが、実はその真逆も該当します。
たとえばその企業がとても業績を伸ばし、たくさん利益を上げたときに損失を被る企業も実はステークホルダーです。
つまり同業者、競合他社、商売敵もステークホルダーであり、必ずしも「味方」とは限らないという点をしっかり覚えておきましょう。

ステークホルダーの語源と、ここまで広まったワケ

ステークホルダーの語源は、stake+holderです。
stakeは利害関係、リスク、掛け金などの意味、holderは保有者の意味ですので、そのままの意味と言えます。
ビジネス理論として提唱したのは哲学者のRエドワードフリーマン氏で、1980年代からビジネスの利害関係者すべてを指す言葉として広まりました。
株主のことだと捉えている人も中にはいますが、確かに株主も該当するものの、本来もっとずっと広い範囲を指す言葉です。
また株主はほかにも呼び方があり、単なる株保有者という意味ならストックホルダー、議決権を持つ大株主ならシェアホルダーと表現するほうが的確でしょう。
とはいえ、なぜここまでこの言葉が広がったかと言えば、コーポレートガバナンスが世界で叫ばれるようになったことが背景にあります。
企業が自社の利益を追求するがために不祥事を起こす問題が近代になって急増し、企業統治の仕組みであるコーポレートガバナンスが求められるようになりました。
コーポレートガバナンスの仕組みに欠かせないのが経営を外部から監視する体制であり、その役割をステークホルダーに期待するようになったことがきっかけです。
もう1つは、あらゆる業務がプロジェクト化されるようになった、現代の仕事の進め方によるところも大きいと言えます。
プロジェクトごとにステークホルダーを明確にし、プロジェクトの意思決定やアクティビティを管理すべきという考え方が現在の主流となりつつあります。

ステークホルダーの種類と特徴、タイプについて解説

ステークホルダーには前述の通り、さまざまな立場の個人や組織が該当しますが、大別すると2つに分けることができます。
まず1つめが直接的ステークホルダーです。
直接的ステークホルダーは、企業の活動にダイレクトに影響を与える立場の個人や組織、または直接影響を受ける立場の個人の組織が該当します。
株主や顧客、取引先もそうですし、従業員も金融機関も直接的ステークホルダーです。
2つめが間接的ステークホルダーです。
こちらは直接影響を与えたり与えられたりはしないものの、結果として相互作用関係にある立場の個人や組織が該当します。
従業員ではなく従業員の家族や労働組合などがそうですし、地域社会などもこちらに分類されますが、企業との関わり方によっては顧客が該当する場合もあるのです。
プロジェクトにおいては、直接的ステークホルダーとなるチームや組織はもちろん、組織外にも間接的ステークホルダーが多数存在します。
商品やサービスの販売員やヘルプデスク従事者など、定常業務に従事するすべての個人や組織も、いずれかのステークホルダーです。

プロジェクト管理に必須なステークホルダーマネジメントとは?

近年、多くの企業が業務遂行にプロジェクト制を敷くようになりました。
従来の企業組織や業務本来の組織とは別に、なんらかの目的達成のためチームを構成する体制ですが、特に大規模開発などでは採用されることが増えています。
ただ残念ながら日本では組織の縦割りに慣れており、関係部門から適任者を選出し、組織を横断的にまたぐ業務のやり方には障壁が発生するケースも少なくありません。
さらに社内だけでなく社外からもチームメンバーが参加することも多いプロジェクト制においては、管理におけるステークホルダーマネジメントが必須となるのです。
目的は一つのはずなのですが、部門や部署、企業を超えて人が集まる以上、利害関係が複雑に絡むことは避けられません。
それをあらかじめ理解し予測したうえで適切なコミュニケーションを取り、プロジェクトを成功に導くことがステークホルダーマネジメントの本質です。
では具体的に何をすれば良いか、流れをまとめてみましょう。

ステークホルダーの明確化

プロジェクト管理において社内のステークホルダーマネジメントを実施するためには、まずプロジェクトに関わるステークホルダーをすべて明確にすることが重要です。
プロジェクトメンバーは当然ですが、メンバーに対してどういった組織が承認権限を持っているか、資金や人員はどこから出るのか、社外のどういった企業が関係するのかを漏れなく洗い出します。
主に承認者や意思決定者、成果物確認部署などが社内のステークホルダーとなるでしょう。
リストアップできたら直接的か間接的かを分類し、間接的に関与する行政や地域社会などコミュニティもできる限り洗い出すことで、その後のプロセスを進めやすくしておきます。

関係性の明確化

各ステークホルダーとはどう関係するかを整理します。
プロジェクトに対してどのような権限を持つか、関心度や関与度、影響度を組み合わせてマトリクスを作成しましょう。
見える化すると、各ステークホルダーとどのように関われば良いか、どのようなコミュニケーションをどの段階でどれくらいの頻度で行えば良いかが把握できます。

適切なコミュニケーションの実施

関係性が明らかになれば、後は実際にステークホルダーとコミュニケーションを取るだけです。
方法はさまざま考えられますが、頻度によってチャット、定例会議、議事録の共有などを使い分けながら適切に情報共有ができるようにしましょう。
特にコミュニケーションツールの活用や使い分けは非常に重要です。

企業でのステークホルダーマネジメントの事例

近年はステークホルダーマネジメントを重視する企業が増え、ステークホルダーとのより良い関係性がビジネスの成功につながるという意識が非常に強まりました。
大企業が実施するさまざまな事例がありますので紹介しましょう。

伊藤忠グループ

  • 特徴:ステークホルダーとの対話を重視
  • 対消費者:公式ウェブサイトでの情報提供や問い合わせ窓口の設置、品質管理やサプライヤー·サステナビリティ調査
  • 対株主など:公式ウェブサイトでの情報提供、株主総会、説明会の実施や調査格付け対応
  • 対政府機関など:政府各省庁関連委員会や協議会への参加
  • 対地域社会など:ボランティア活動や周辺地域住民との定期的なコミュニケーション
  • 対従業員:社内報での情報提供、研修やセミナー、キャリアカウンセリング実施、24時間対応社員相談窓口設置

スクウェア·エニックス·ホールディングス

  • 特徴:具体的な関わり方を提示
  • 対消費者:商品やサービス、クオリティや価格において適正な情報を開示
  • 対株主など:財務諸表の作成、経営に関する重要事項の適時開示
  • 対取引先:公正、私的目的の金品授受や過剰な接待禁止、贈賄禁止、強制労働や児童労働、その他隷属的な労働排除
  • 対従業員:職場環境整備、評価や処遇の公正なプロセス、不正行為通報窓口設置
  • 対社会:知的財産権尊重、インサイダー取引禁止、反社会的勢力断絶、エネルギー資源節約

ステークホルダーは対象範囲が非常に広い言葉であるため、企業によってこの用語を使用するタイミングは変わります。
主に意味するものは都度異なる場合もあり、時にはより直接的な顧客や株主、取引先や従業員だけを指すこともあるでしょう。
本来はあらゆる利害関係者を指す言葉ではありますが、企業方針や使われ方によって意味を柔軟に理解することが重要になってきます。

ステークホルダーを意識してマネジメントを効率化しよう

ステークホルダーの存在を意識するだけで、企業のマネジメントは大きく変わります。
特に社内のステークホルダーマネジメントは、これまで多くの企業が見落としていたきめ細やかな対応を可能とし、よりプロジェクトの障壁を減らすことにつながります。
よく言われるのは、「ステークホルダーはモノではなく、感情を持った人だ」ということです。
最終的に重要なのはコミュニケーションであり、情報を共有し、避けられない利害関係を調整することが成功につながると言えます。

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    執筆者  STRATE編集部

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