人事担当なら覚えておくべき「エンゲージメント」をわかりやすく解説!意味や必要性、測定方法に関して

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エンゲージメント(engagement)という言葉がビジネスで使われる場合、双方の深い関係性を意味します。
企業では主に顧客に対して使われる場合と従業員に対して使われる場合とがありますが、人事領域で考えるなら対従業員の分野です。
企業が成長し、業績を上げ発展するために欠かせないエンゲージメントについて、人事目線で測定方法や高めるコツを解説します。

エンゲージメントとは?社内の人事領域での意味と目的

エンゲージメントとは、企業と従業員の関係性を表す言葉です。

従業員エンゲージメントの高い企業では、従業員が企業と深い関係性を持ち、愛を持って労務に従事しています。
結果として企業は従業員とともに成長·発展し、まさに組織として理想の形になるでしょう。
現在は職業観も変わり、少子化による人手不足も相まって企業人事はまさに従業員エンゲージメントの強化が急務となっています。
人事に課せられる任務と目的は、エンゲージメントされた組織で長期的に維持発展できる企業体の構築です。
事実、従業員エンゲージメントが経営にプラスに働くという実感は世界の経営陣が肌で感じているものですが、具体的にはどのように取り組めば良いか難しい部分もあります。

ロイヤリティとの違い

エンゲージメントと似た言葉に、従業員ロイヤリティがありますが、これは従業員満足度でありエンゲージメントではありません。
ロイヤリティは主に待遇や雇用条件などに関するもので、従業員が環境や報酬などにどれだけ満足しているかを表すものです。
待遇が良ければ意欲も湧くだろうと考えがちですが、従業員ロイヤリティが高くても業績とはリンクしません。
理想の相互作用を生むのは条件面ではなく、やはり愛着や思い入れであると言えます。

TwitterやFacebookでのエンゲージメントとは?

 

TwitterやFacebookなどSNSプラットフォームで使われるエンゲージメントは、マーケティング用語です。
やはり愛着を意味しますが、SNSプラットフォームの場合は、たとえば紹介されている商品やサービス、もしくは提供しているメーカーやブランドを好きになり、ファンになることで生まれる関係性を意味します。
Twitterであれば、投稿に対してユーザーが好意的なアクションを示すことや返信やいいね!、リツイートなどで表面化するのがエンゲージメントになるのです。
Facebookも同様に、投稿に対していいね!を付けたりコメントしたり、投稿をシェアしたりする行動を指しますし、その投稿をタップした人数もエンゲージメントとしてカウントします。
ユーザーの関心を高めることで事業につながり、業績につなげることが主な狙いです。

社内やSNSでエンゲージメントが高い状態とは?エンゲージメントを高めるメリット

社内にしてもSNSにしても、エンゲージメントが高い状態というのは、まさに自身のファンが多数いる状態と言えます。
愛着を持って提供するものやサービスを好意的に受け留め、他者に対しても無償でプラスの情報発信を行ってくれる強い味方を得るということです。
企業がエンゲージメントを高めるメリットは、自社の発展にほかなりません。
社内エンゲージメントが高ければ優秀な人材の確保や流出抑制につながりますし、組織が活性化して業績が向上する期待があるからです。
一方で、SNSエンゲージメントが高ければブランディングが可能となり、商品やサービスが好意的に受け留められるだけでなく社会的信用も高まるでしょう。
いずれにしても企業価値向上につながる大きなプラスであり、事業を存続し、将来的に発展する強いサポートを得られることは間違いありません。

エンゲージメントを高める方法とコツ【社内編】

社内でエンゲージメントを高めるには、ステップを踏んで着実に進めていく必要があります。
まずは組織の現状を把握することが重要です。
独自に社内アンケート調査などを実施しても良いですが、質問内容が適切でなければ正しい回答を得ることは難しいでしょう。
いろいろな企業がツールなどを提供していますので、そちらのサービスを活用するのがおすすめです。
現状が見えたら分析をしなければなりませんが、分析にも注意が必要です。
相関関係を見間違うと解釈を誤り、間違った方向へ従業員を誘導しかねません。
たとえば、低待遇でも文句も言わず残業する人にエンゲージメントの高い人が多かったとしても、エンゲージメントを高めるために待遇を下げ、残業を強いるという相関関係が成り立たないのは明白です。
分析後は自社に最適な施策を練り、ぜひすぐに実行に移してください。

価値観の把握

近年増えているダブルワークOKや福利厚生の充実などもそうですが、従業員の価値観をしっかり把握し、一人ひとりが働きやすい環境を整備する施策には即効力があります。
コツは定期的に従業員の声を集めることで、従業員が何を一番に考えているかを把握すると良いでしょう。

マネージャー層の教育

マネージャー層を教育し、部下のコーチング技術を向上させましょう。
コツはコミュニケーションスキルを身につけさせることで、対話による部下のモチベーションアップを図れる上司を作ることが重要です。

適切な人材配置

人事の本分としては、適材適所の人材配置、ポテンシャルの引き出しに力を入れましょう。
コツはリーダーシップを持つ人材を評価することで、その人を中心に従業員の中からエンゲージメントの向上を図るのが得策です。
特に数字では評価しにくい点を人事が評価することでやる気を引き出すことが可能です。

エンゲージメントを高める方法とコツ【Facebook、Twitter編】

FacebookやTwitterでのエンゲージメントを高める方法は、まずとにかく投稿の閲覧母数を増やすことに尽きます。
母数が増えれば自ずとリアクションをしてくれる人数が増え、望むエンゲージメントも徐々に増えるでしょう。

Facebook

Facebookの場合、フォロワーが少ないといかに投稿してもなかなかリーチは増えません。
ユーザーがコメントやシェアしたくなるコンテンツを投稿し、インパクトある画像や動画を使用し、フォロワーを獲得しましょう。
ユーザーの役に立つナレッジを発信し、いいね!を獲得することも重要です。
ライブ配信をするとフォロワーに通知される仕組みがありますし、テキストより滞在時間が延びるためFacebookにも好まれる傾向にあります。
コツは自社WebサイトやほかのSNS、メルマガなどのチャネルをクロスさせながら飽きられないように訴求することです。
コメントやシェアしてくれたユーザーと積極的にコミュニケーションを取り、個別に丁寧な対応を心がけましょう。

Twitter

まず大前提として、Twitterのエンゲージメントはいいね!がなくても伸びますのでそこは理解しておきましょう。
リツイートや詳細のタップ、リンクや画像のタップでカウントされます。
Twitterはテキスト主体のプラットフォームではありますが、画像を投稿すると伸びる期待があるので積極的に投稿するのも良いでしょう。
反応を得やすい時間帯を狙い、親しみやすいやわらかい言い回しを心がけるのがコツです。
連続で投稿すると一つひとつが目立ちにくく得策ではありません。
リプライにはすべて丁寧に返信することも大切です。

エンゲージメント向上の具体的な施策事例

従業員エンゲージメントの向上に積極的に取り組んでいる企業は多数あります。
ここでは日本でも有名な大手企業の施策事例を紹介しましょう。

ヒルトン成田

ヒルトン成田では、横のつながりを意識した「感謝しあえる環境」の提供により、従業員エンゲージメントを向上させています。
従業員同士が活発なコミュニケーションを取るようになったことで、それまで社内イベントには疎遠だったアルバイト従業員も参加するようになりました。
互いを知ることで部署の垣根を超え、新しい施策や企画が生まれやすい環境を作っています。

エンゲージメントを高めて更なる成長を

従業員エンゲージメントを、単なる愛社精神や愛着という言葉だけでまとめてしまうのは誤りです。
企業を実際に動かしているのは現場の従業員であり、従業員が意欲と熱意を持って自身の活力を仕事に注ぎ込むことこそ、企業の維持発展に欠かせないのは言うまでもないことでしょう。
人事領域でエンゲージメントを考えるのであれば、社内調査などで定期的に従業員の声を集め、高める努力をすべきです。
企業を愛する主体的な従業員が増えれば増えるほど、将来は拓けると言えます。

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