【簡単に解説】VUCAとは?意味や読み方、必要なスキルや事例について詳しく解説

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VUCAという言葉を聞いたことがありますか。
ビジネスの現場で環境の目まぐるしい変化に危機感を感じている場合や現状を打開したいと考えている人なら、見聞きしたことがあるかもしれません。
VUCAとはなんなのか、その意味と読み方を簡単に解説しながら、必要なスキルや事例について詳しく解説していきます。

VUCAとは?その意味と読み方を簡単に解説

VUCAとはどんな意味か、簡単に紹介していきます。
まず、VUCAの読み方は「ブーカ」です。

  • V(Volatility:変動性)
  • U(Uncertainty:不確実性)
  • C(Complexity:複雑性)
  • A(Ambiguity:曖昧性)

上記の頭文字を取った略語です。
変動が激しく、不確実で、複雑で、曖昧な時代に、企業がどう生き抜いていくべきか、どのようにビジネスを展開していくべきか、考えるべき時代がきていることを意味しています。
それぞれの言葉の意味を具体的に検討していきましょう。

Volatility:変動性

IT技術の進化やグローバル化が進み、全世界をあっという間にさまざまな情報やモノや人が駆け巡る時代です。
個人が簡単に情報発信ができるようになり、インフルエンサーとなって企業の集客や売上まで左右する時代となりました。
トレンドがあっという間に変わり、ニーズも多様化しており、変化のスピードに追い付けないと生き残りが難しくなります。

Uncertainty:不確実性

将来は不確実なものですが、今の時代は想定外のことや予想がしにくいことが多いです。
地球温暖化による気候変動や甚大な自然災害の発生、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大など、誰もが予想だにしなかったようなアクシデントが起こり、先が読みにくくなっています。

Complexity:複雑性

情報の更新スピードの速さやIT技術の進化、次々に生み出される商品やサービス、企業や消費者のニーズの多様化など、さまざまな要素や要因が複雑に絡み合う環境では、簡単に答えを導き出すことや解決策を導き出すのが難しくなっています。
たとえば、消費者がスピードを求めることに対応して、注文すれば当日や翌日に到着するサービスが目指される一方で、人材確保の難しさやコスト面からあきらめる企業や送料無料のハードルを上げる企業などがあります。
どの選択が消費者に受け入れられるか、競合サービスと比較しながら模索しなくてはなりません。

Ambiguity:曖昧性

時代の変化が激しく、スピードも速く、複雑な時代となれば、解決策や答えを導き出すのが困難を極め、曖昧な状態で放置されることが予測されます。

VUCA時代に必要なスキルについて

VUCA時代で企業がビジネスを展開し、経営を持続していくには、どのようなスキルが必要でしょうか。
目まぐるしい変化に柔軟に対応し、リスクとリターンを直観的に判断して迅速な意思決定を行い、リーダーシップを発揮できる人が求められています。
VUCA時代に必要なスキルについて、確認していきましょう。

迅速な意思決定力

テレビや新聞などのメディアの速報より、SNSによる個人からのニュース配信のほうが速い時代にあっては、ビジネスチャンスも一瞬にして訪れ、一瞬にして逃げていきます。
危険な状況や手を引くべき状況も迅速に判断でき、逆にビジネスチャンスを逃さないように、瞬時に判断できるような迅速な意思決定力が求められるのです。
じっくりリサーチして長い会議を行い、何人もの人に稟議を行って、ようやく決裁されるといった従来のやり方では時代から取り残されます。

臨機応変な対応力

ビジネスの現場では、これまでは計画を立てることの重要性や掲げた目標を達成することが重要だと言われてきました。
ですが、VUCA時代は何がいつ起こるかもわからず、将来の不確実性も高まっています。
あらゆるリスクを想定して、事前に対策を検討しておくことも必要ですが、計画通りに物事が進まないことは多々あります。
そのため想定外の事象に対して臨機応変に対応する力が必要です。

柔軟なコミュニケーション力

複雑な時代は人々のニーズも多様化し、消費者のみならず、企業内でも主張や立場が多様化しています。
ビジネスのグローバル化により、民族性や文化が違う人と交渉や商談を行う場合や従業員として雇用する機会も増えてきました。
ダイバーシティが叫ばれていますが、多様な価値観や個性の異なる人と柔軟にコミュニケーションができ、それぞれの価値や個性、考え方などを尊重できる力も求められます。

問題解決力

変動的で不確実で、複雑で曖昧な時代には、目の前に現れた突然のトラブルや課題に対して、これが正解だという解決策がすぐに見つかることは難しくなっています。
パーフェクトな答えや解決策を求めるのではなく、あらゆるリスクを想定したうえで、その時点で最良と言える解決策を導き出せる力が必要です。

VUCAの時代に企業はどうあるべきかを詳しく解説

VUCAの時代に企業はどうあるべきなのでしょうか。
変動的で不確実で、複雑で曖昧な環境において、突然の変化や出来事が起きても、ひるむことなく、現在ある経営資源を臨機応変に投下して、リスクを回避することや生き残るための手段を講じる、そのとき求められるニーズに対応することが必要です。
たとえば、どのような対応で乗り切れるのか、直近で起こったVUCAの一つであるコロナショックを事例に振り返ってみましょう。
感染拡大を防止するために営業自粛や移動制限、外出控えなどが起き、飲食店や観光サービス業などが一気に苦境に陥りました。
閉店を決断した場合や倒産に追い込まれたお店や企業も多い中、臨機応変かつ柔軟で迅速な意思決定で生き延びた企業や新たな利益を得る機会を得た企業も少なくありません。

想定外の事態への対応事例

営業自粛やアルコール提供の制限で飲食店へお酒の販売量が激減した酒造メーカーが、感染防止に役立つアルコール消毒液を作る、飲食店で開けてしまったボトルや長期保存ができないお酒を集めて長期保存が可能なスピリッツを製造してリサイクルしたお酒を返還し、お酒の廃棄を抑え、新たな価値を付加するといった酒造メーカーも登場しました。
クリーンルームや衛生環境の整った半導体や精密部品の製造ラインなどを活かし、家電メーカーが供給不足となっていた医療用のマスクを製造する、アパレルメーカーが高機能マスクを開発して販売する動きもありました。
テレワークの普及でスーツが売れなくなったアパレル店では、スーツやYシャツの生地からマスクを作って販売し、売上の一助としたケースもあります。
海外渡航が禁止され、飛行機を飛ばす本数が激減した航空会社では、客室乗務員を接客サービスなどさまざまな業種に派遣する事業をはじめ、雇用の継続を維持しました。

VUCA時代の意思決定方法OODAループとは何か

OODAとは、「観察する(Observe)」・「状況を理解する(Orient)」・「決める(Decide)」・「動く(Act)」の頭文字を取ったものです。
現在起きている事象や市場動向、消費者の行動などをよく観察して理解し、その状況に合った対策を決定し、実行に移すというサイクルを意味しています。
ビジネスの現場では、これまでPDCAサイクルを回すのが基本でした。
計画(Plan)を立てて、実行し(Do)、その結果を評価して(Check)、改善していく(Action)という方法です。
VUCA時代には時間をかけてプランニングすることや結果を丁寧に分析して改善していく時間もなければ、改善したところで、変化していく事象に対応しきれません。
そこで、OODAにより、観察して状況を理解し瞬時に決めて動く、次の状況を観察して瞬時に決めて動くを、どんどん行っていくことが求められます。

VUCA時代を生き抜くためにOODAを意識した意思決定を行おう

VUCAはブーカと読み、V(Volatility:変動性)・U(Uncertainty:不確実性)・C(Complexity:複雑性)・A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字を取った言葉です。
変動が激しく、不確実で、複雑で、曖昧な時代に、企業がどう生き抜いていくべきか、これまでとは異なる方法で考えていくことが求められています。
OODAを参考に、臨機応変かつ柔軟かつ迅速な意思決定ができる力が求められる時代です。

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