BtoB領域のマーケティングにおいて、ABMという言葉を聞くようになりました。
なんとなくの意味はわかるけれど説明するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。
本記事ではABMについて基本的な意味からABMを行う上で有効なツール、ABMを行うメリットなどを解説しますので参考にしてください。
ABMとは?
ABMとはAccount Based Marketingの略で、自社のターゲットとなる顧客(企業)を選んで、顧客ごとに最適なアプローチを行う手法のことを指します。
リードマーケティングとは違い、自社にとって価値の高い顧客(アカウント)を選別してマーケティングを行うという特徴があります。
特に新しい手法というわけではなく、以前から大手企業などではアカウント営業として行われてきた活動です。
一部の部署だけで行なってきたアカウント営業をマーケティング部門とも連携してABMを行なっていこうという活動ですが、優良顧客の選別やそれぞれに最適化された施策に工数がかかってしまうためうまく運用できるケースは多くありませんでした。
MA(マーケティングオートメーション)やSFA、CRMといった営業支援、マーケティング支援のツールが多く登場したことやABMの自動化を可能とするツールが開発されたこともあり、徐々にBtoBマーケティングのシーンにおいて知名度があがっています。
おすすめの類似ABMツール
類似サービス: Sansan
(4.5)
月額料金 | 要お問合せ | 無料お試し | 要問い合わせ |
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初期費用 | 要お問合せ | 最短導入期間 | 要問い合わせ |
Sansanは、業界No. 1シェアを誇る名刺管理サービスです。 名刺管理を通じて顧客情報を営業に活用することができ、企業のDXに貢献します。 これまでに9,000社以上で利用されている実績があり、法人向け名刺管理サービスとしての市場シェアは82%と、非常に高くなっています。
幅広い情報を管理
Sansanは、名刺情報だけでなく、名刺をきっかけとした顧客との接点情報や、Sansanが保有する企業情報など、あらゆる情報を一元管理できます。 メールの署名、ウェブフォームへの入力内容、商談時のメモ、セミナーの参加者情報といった幅広い接点情報を全社で共有することで、より多角的に営業時のアプローチができるようになります。
名刺情報を正確にデータ化
Sansanでは、スキャナーまたはスマートフォンから名刺を取り込むだけで、99.9%の精度で情報をデータ化できます。 スキャナーとスマートフォン、どちらでスキャンしても、「AI×人」のダブル体制で入力を行うため、高い精度でデータ化することが可能です。
外部システムと連携させたデータ活用が可能
Sansanは、SFA/CRMやMAといった外部システムと連携し、Sansanに蓄積されたデータを活用することができます。 システム連携によって、部門ごとに保有していた顧客情報を全社で共有し、顧客に合わせた最適なアプローチが可能となります。
ABMツールの料金相場
主要なABMツールを比較した場合の初期費用と月額料金の相場を紹介します。
ABMツールの初期費用の料金相場は、10万円程度となります。
ただし、初期費用が非公開となっているサービスも多く詳細はベンダー側に問い合わせると良いでしょう。
月額料金の相場は20,000円〜40,000円程度となっています。
月額料金も非公開となっているサービスが多いため、こちらも問い合わせしてみると良いでしょう。
ABMが必要な理由
なぜ今ABMが注目され始めたのか、どうしてABMが必要とされているのかを解説します。
大きな理由としてはCRMやSFAのような顧客管理を効率化するシステムの登場が挙げられます。
CRMの導入によって、顧客のLTV向上を実現しようと思った際に、自社が理想とするターゲットへ効率的にアプローチを行うことが重要となります。
また、MAツール(マーケティングオートメーションツール)の浸透もABMが広まるきっかけとなりました。
MAツールはリードの行動をトラッキングして、セグメント化することで、顧客ごとに最適なコミュケーションを図ることができるマーケティングの自動化ツールで、各層ごとに施策を立てる手法がABMとの親和性に優れています。
ABMとMAの違いとは?
ABMと混同されがちなMAですが、MAはマーケティング活動の自動化を目的として導入するツールで、主に個人を想定しています。逆にABMは組織単位をターゲットとしているマーケティング手法です。
MAが量を重視するのに対し、ABMは質を重視し、より確度が高いターゲットに対してマーケティングを行います。
新規ビジネスの獲得に活用するのであればABMよりMAの方が適しており、既存ビジネスの拡大ではその逆と言えるでしょう。
ABM導入のメリット
ABMを導入することで主に以下のメリットが得られます。
リソースの無駄が削減できる
ABMはリソースを減らして効率的なマーケティングを実現します。
予めアプローチする企業を優良企業に絞ってマーケティングを行うため、人やもの、予算といった部分の余分なコストを削減することが可能となります。
ROIが向上する
ABMを効果的に行うことでROI(投資利益率)の向上につながり、よりマーケティングの成果を高めることが可能となります。
無駄のないマーケティング投資ができるようになることで、他のマーケティングにコストを費やすことなく効果的なマーケティングに集中できるようになるのは大きなメリットと言えるでしょう。
効果測定がしやすい
ABMは他のマーケティング手法と違い、限られた対象に対してマーケティングを行うため測定対象も限定的となります。
そのため、メールや広告など行なったキャンペーンの効果を測定しやすいというメリットがあります。
迅速な効果測定でマーケティング内容の仮説検証、改善施策の立案、実行が可能となり、PDCAを回していけるようになります。
部門間の連携がスムーズになる
ABMは営業部門とマーケティング部門が連携を行い進めていきます。
2つの部門が連携することで、それぞれの部門がマーケティングやアカウント営業の考え方を理解できるようになり、顧客との交渉から収益につなげる方法までを思考できるようになります。
マーケターから営業担当者まで一貫したアプローチが可能となるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ABM導入のデメリット
コストが高額になる場合も
ABMツールの多くは料金が公式サイトなどで公開されておらず、見積もりを個別に依頼する必要があります。
そのため、自社が想定したよりもコストが高額になってしまう場合もあるため、見積もり依頼時に初期費用を含めた金額を提案してもらうようにしましょう。
機能を組み合わせて利用できるツールについては、利用する機能が増えるほどコストが高くなるため注意が必要です。
BtoCビジネスには向いていない
ABMツールは企業向けビジネス(BtoB)向けのマーケティングツールのため、BtoCでの利用には適していません。
ABMは企業データベースを活用するため、BtoCビジネスで利用する場合はABMツールよりMAツールを利用してみると良いでしょう。
ABMツール導入時のポイント
保有データベース件数を比較する
ABMツールの選定においては、どのような経路で企業データを収集し蓄積しているのかをしっかりと確認しましょう。
データベース件数が多いに越したことはありませんが、ただ闇雲にデータを収集しているのではなく、無効データを定期的に削除したりとメンテナンスを行なってくれるサービスであればより信頼できます。
実績を確認する
データベースの件数が多いことももちろんですが、導入実績があるかも非常に重要です。
特に、自社と同じ業界の企業が多く導入している実績があれば自社業界特有の課題についてもサポートが期待できます。
操作性を確認
これはあらゆるツールにおいて重要なことですが、ツールを利用する人全員が無理なく操作できるものを選びましょう。
ABMツールはマーケティング戦略において中長期的に利用することとなるため、操作性が複雑ですと社内への浸透は難しくなります。
無料のトライアルを提供しているツールであれば、事前に操作感を確かめることができるため、ツールを操作するメンバー複数人で利用してみることをおすすめします。
おすすめABMツール9選
Sansan
特徴
Sansanは、業界No. 1シェアの名刺管理サービスです。
名刺管理サービスですが、顧客情報以外に、Sansanが保有する豊富な企業情報も一元管理することができるため、ABMツールとしても活用することができます。
100万件を超える企業情報と、20万件以上の役職者情報・拠点情報などを標準で搭載し、いつでも情報共有できる点が優れています。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 運用支援費用:要問い合わせ
- ライセンス費用(月額):要問い合わせ
- オプション費用(月額):要問い合わせ
- Sansanスキャナ(月額):要問い合わせ
BowNow(バウナウ)
特徴
BowNowは、ABMを中心に据えたMAツールです。
マーケティングの自動化だけでなくアラートなどの追客のための機能も充実しています。
0円から利用できるプランも提供しているため、MAツールを初めて導入する方でも使いやすいシステムとなっています。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:5,000円〜
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2021年10月現在/詳細は公式サイトを確認
Senses
特徴
Sensesとは株式会社マツリカが提供しているSFAです。
操作性に優れており、直感的に営業案件を管理することができます。1,300社以上の導入実績があります。
グループウェアやカレンダーツールなど外部サービスとの連携も可能で、コメント機能で人材育成の効率化も実現できます。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:25,000円〜
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2021年10月現在/詳細は公式サイトを確認
FORCAS
特徴
FORCASは株式会社FORCASが運営しているABMツールです。
顧客リストの分析によって成約確度の高い顧客を予測して最適なアプローチを可能とします。
また、企業が保有している顧客リストだけでなくFORCASが140万社分の企業情報を保有しているため、より多くの顧客データを見出すことができるようになります。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:要問い合わせ
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2021年10月現在/詳細は公式サイトを確認
uSonar
特徴
uSonarはSFAやMAとして活用できる顧客データ統合ツールです。
企業データの名寄せが容易にでき、顧客属性の分類分けも可能としてくれます。
信頼できるLBCを搭載しているため、より正確な企業情報を取得することができ国内網羅率は99.7%という高さです。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:要問い合わせ
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2021年10月現在/詳細は公式サイトを確認
SPEEDA(スピーダ)
特徴
SPEEDAとは株式会社ユーザベースが運営している経済情報プラットフォームです。
560以上の業界データを搭載した情報プラットフォームが特徴的で、経営企画から技術開発まで幅広い活用ができます。
幅広い業界のデータが登録されているため、手軽に競合調査が可能となります。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:要問い合わせ
- 無料トライアル:7日間無料
※2021年10月現在/詳細は公式サイトを確認
Marketo(マルケト)
特徴
Adobe傘下のマルケト社のMAで、顧客の購買行動の入り口から出口まで、どの段階でも狙った通りの顧客戦略を実現することができます。
MAとしてはもちろん、メールやホームページ作成など10個以上のアプリケーションを搭載しているため、シンプルな利用からより高度な運用までが柔軟に実現できる点も優れています。
B向けC向けを問わず、重要顧客の絞り込みやパイプラインの管理、カスタマージャーニーを各部署で共有してABMにつなげることができます。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:要問い合わせ
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2022年9月現在/詳細は公式サイトを確認
SPIRAL
特徴
SPIRALは、クラウドで利用できるローコード開発プラットフォームです。
自社が利用しやすいようにマーケティング分析に必要な機能を追加することができ、ホットリードの発見から育成までがシンプルな機能で実現できます。
ABM機能だけに絞ってシンプルに利用したいという場合はおすすめのサービスとなっています。
料金
- 初期費用:100,000円
- 月額料金:50,000円〜
- 無料トライアル:要問い合わせ
※2022年9月現在/詳細は公式サイトを確認
HIRAMEKI XD
特徴
シンプルかつ低コストで利用できるマーケティングプラットフォームです。
BtoBマーケティングやECサイトといった業界・業種に合わせたプランを提供しています。
デジタルマーケティング業界において20年以上の運用実績があり、そのノウハウを基に推奨施策を初期から登録しているため、デジタルマーケティングの経験が浅いという方でもまず始めることができる点が魅力的です。
料金
- 初期費用:50,000円〜
- 月額料金:40,000円〜
- 無料トライアル:フリープラン(30日間無料)
※2022年9月現在/詳細は公式サイトを確認
ABMに関して動画で詳しく解説
特徴を理解してABMを取り入れよう
ABMについて、概要やおすすめのシステム、導入のメリットなどを紹介しました。
ABMは不特定多数に対して行うマーケティングとは違い、確度が高い顧客に対してマーケティングを行うため成果がでやすいという特徴がありますが、顧客選定までには工数がかかり手間も発生していました。
効率的なABMを実現するにはABMに特化したツールの導入がおすすめです。
本記事で紹介したおすすめサービスや導入のポイントを参考にして自社にあったサービスを探してみてください。