今注目のマーケティング手法【プロダクトプレイスメント】とは?映画やテレビでの事例・海外事例と共に解説

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「あ、この映画の主人公の食べているラーメン、さっきお昼に食べたやつだ……

映画やドラマを見ていて、そんな体験をしたことはありませんか?

自分が普段使っているものや、食べているものが映画やドラマに登場すると、劇中の人物と同じ体験ができるようで、うれしいですよね。

実はそんな劇中の人物との一体感を味わいつつ、商品の宣伝を行う方法として、注目されているのが「プロダクトプレイスメント」と呼ばれる手法です。

この記事では、さまざまな社会情勢によって、注目を集めているプロダクトプレイスメントについて、簡単に解説していきます。

また、いくつの事例も合わせてご紹介していくので、プロダクトプレイスメントのイメージを掴むための参考にしてください。

もしかしたら、私たちが次に見る映画にも、プロダクトプレイスメントが使われているかもしれませんよ。

プロダクトプレイスメントとは?

プロダクトプレイスメントとは、映画やドラマなどに、企業の製品を登場させて、視聴者に広告と意識させることなく、宣伝効果を狙う手法です。

広告は、製作者側からすると大切な収入源の1つですが、好んで見たいと思う視聴者はあまりいません。

しかし、プロダクトプレイスメントであれば、劇中の登場人物がさりげなく使うことによって、視聴者に広告ではなく、演出の一環として、見てもらうことが可能です。

もともとは、映画が盛んなアメリカ発の広告手法として、半世紀以上前から存在しています。

宇宙人と子どもの交流を描いた、あの映画に登場するお菓子も、実はプロダクトプレイスメント。

せっかくの感動的なシーンが台無し! と思うかもしれませんが、莫大なお金がかかる映画製作は、予算との闘いでもあります。

考え方によっては、予算とストーリーを両立させるための「良いとこ取り」の手法ともいえます。

プロダクトプレイスメントが注目されている理由

では、なぜそんなプロダクトプレイスメントが、注目されているのでしょうか?

大きな理由は3つあります。

動画配信サービスの充実

20年ほど前は、映画を見たいと思えば映画館に行くか、レンタルビデオ店に行くしかありません。

また、ドラマの放送が終わってしまい、もう1度最初から見たいと思っても、簡単に見ることはできませんでした。

しかし、インターネットの通信速度の向上によって、2000年代から徐々に動画配信サービスが充実してきます。

これによって、今では月額数百円から千円ほどで、見たい映画やドラマ·アニメが、好きなだけ楽しめる環境にあります。

つまり、今までは1度しか見られなかったプロダクトプレイスメントが、動画配信サービスの充実によって、何度も見られる可能性が出てきました。

広告にとって、露出する機会は多ければ多いに越したことはありません。

ステイホームによる在宅需要

コロナ禍によって、自宅で過ごす時間が増え、結果としてテレビや映画、ゲームをして過ごす時間が増えています。

これにより、最初にご紹介した動画配信サービスを見る時間も増え、より一層広告の露出する機会を増やすことに繋がっています。

広告としての拒否反応が起きづらい

インターネットの広告の中には、いわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」と呼ばれるものがあります。

PR広告にもかかわらず、明確な表示がなく、使用者個人の感想であるかのような記述が行われているものが該当します。

インターネット利用者から、こうした広告は嫌われており、場合によっては炎上に繋がってしまうことも。

しかし、プロダクトプレイスメントであれば、ストーリーや演出の一環として商品が登場するため、拒否反応が起きづらくなります。

場合によっては、ネタとして好意的に扱われる例もあります。

例えば、ゾンビが大量に出現する映画のラストで、主人公が炭酸飲料を美味しそうに飲むシーンがありました。

なぜ、炭酸飲料? と思いつつ、主人公のカッコよさと相まって、自分も飲みたくなってしまう魅力があります。

プロダクトマネジメントの事例

それでは、実際にプロダクトプレイスメントの例をご紹介していきます。

人気の映画からドラマ、そして意外な作品にも。

知らない間にプロダクトプレイスメントは、色々な作品に使われています。

君の名は

2016年に大ヒットしたアニメ映画「君の名は」にも、プロダクトプレイスメントは取り入れられています。

例えば、主人公が飲んでいるペットボトル飲料は南アルプスの天然水。

劇中に登場する自動販売機には、缶コーヒーのBOSSが、リアルに描写されていました。

天気の子

「君の名は」に続く、ヒット映画となった「天気の子」にも、プロダクトプレイスメントは登場します。

こちらは、SoftbankのスマホやYahoo!の検索画面などが、そのまま映画に登場します。

また、カップヌードルやどん兵衛など、食卓でお馴染みのカップ麺が、映画の登場人物に生活感という名のリアルさを与えています。

愛の不時着

大ヒットした韓国初のドラマ「愛の不時着」にもプロダクトプレイスメントの手法は取り入れられています。

こちらは、韓国大手のフライドチキンチェーン店やスワロフスキーなどの装飾品、パック、自動車など。

また、韓国でお馴染みのチャミスルなども登場しています。

007シリーズ

シリーズを通して、さまざまな種類の車、そしてオメガの腕時計が登場します。

ジェームズ·ボンドのタフな活躍と、何度もピンチを乗り越える姿は、それぞれのブランドイメージに大きく貢献しています。

特にジェームズ·ボンドといえば、オメガの腕時計といっても過言ではないほど。

映画の登場人物を通して、商品を訴求するプロダクトプレイスメントとしては、大成功の部類といえます。

ドクターストレンジ

アベンジャーズの一員でもある「ドクターストレンジ」にも、プロダクトプレイスメントは登場します。

特に私たちになじみ深いものが、ヤクルトです。

映画の後半、クライマックスバトルのシーンで登場するヤクルトの看板は、登場する時間が短くとも印象に残るプロダクトプレイスメントです。

プロダクトプレイスメントの今後の可能性について

若年層のテレビを視聴する時間の減少、YouTubeの有料プランによる広告の非表示など、一見すると広告が露出する機会は減っているように思えます。

しかし、実際はプロダクトプレイスメントによって「広告には見えない広告」として、私たちの周りに存在しています。

今後も通信技術の進歩によって実装される5Gなどによって、どこでも動画を見られる環境が整ってきます。

また、画一的なプロダクトプレイスメントだけではなく、視聴者の好みに合わせた商品が表示される技術も開発されています。

たとえば、同じ動画を見ていても、男性と女性では興味のあるものは違うはず。

従来のプロダクトプレイスメントでは、最初に撮影しておいた商品の表示しか出せませんでした。

しかし、新しい技術では男性が見ている動画にはスーツを表示し、女性が見ている動画には化粧品を表示することも可能です。

視聴者の興味を分析して、より効果的な商品を紹介できるようにプロダクトプレイスメントは進歩していきます。

プロダクトプレイスメントは今後も増えていくのか

広告というと、動画コンテンツの視聴を邪魔する厄介者、というイメージがあります。

しかし、プロダクトプレイスメントは視聴者の邪魔をすることなく、作品の魅力を引き立たせるとともに、商品の訴求を行える手法です。

過剰な広告は拒否反応を起こしてしまいますが、登場人物の魅力を活かすことで、シームレスに商品の認知度を上げることができます。

動画の需要は、今後も増えていくことが予想されるので、ぜひプロダクトプレイスメントの手法を取り入れて、効果的な宣伝広告を行ってください。

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