従業員代表制とは
1.従業員代表制とは
従業員代表制とは、労働に関する企業との手続きにおいて、従業員全体の意見を集約し、企業に対して発言する役割であり、労働者の代表となります。
企業と労働者は、労働条件に関する協定を締結することが労働基準法に定められていますが、企業は労働組合又は従業員代表のいずれかと協定を交わします。
なお、労働組合は労働組合法によってその役割が明確に規定されていますが、従業員代表制にはこれに相応する法律は存在しません。
また、従業員代表は、原則として全ての従業員が適用範囲になるのに対し、労働組合は組合員にのみ適用されます。
従業員代表は、特に任期の定めはありませんが、1年程度であることが一般的であり、管理監督者と呼ばれる、労働や人事に関して経営者と同レベルの権限を有する社員は、代表になることができません。
また、労働者代表は、労働者の過半数による支持が必要です。
2.従業員代表の役割
・労使協定の締結
従業員代表の主な役割は、労働時間の上限や休暇等の、いわゆる36協定と呼ばれる、労使協定の締結です。
法定労働時間を超えた場合の、時間外勤務や、一日あたりの労働上限、休憩時間、週や月あたりの休暇取得や年次有給休暇に関する諸規定を、企業内で規則化した上で、代表者として締結します。
また、派遣労働者等や有期契約労働者等の、賃金や雇用期間にかかる協定についても、同様に締結します。
企業内での就業規則について、労働者にとって不利な条件が盛り込まれている場合については、労働者の意見を集約した上で、企業や労働監督庁へ意見書を提出します。
・各種代表者の選出
労働環境を健全に維持するためには、安全員会や衛生委員会を設置する必要がありますが、これらの代表者を選出するにあたっては、従業員代表からの推薦により選出される場合があります
従業員代表制の使い方・例文
・従業員代表制によって、労使協定を労働者が確認することで、長時間労働等のリスクを低減する役割がある
・従業員代表が、労働者の中から適切に選定され、過半数以上の支持を集めていることを、客観的に証明する必要がある