歩留まりとは?使い方や率の計算方法について

更新日:

製造業などで働いていると『歩留まり』というワードを耳にすることがあります。

「歩留まり率が低い」「歩留まり率の向上が課題」などと聞いても読み方や意味がわからないという人もいるのではないでしょうか。

今回は歩留まりについて意味や使い方、歩留まり率の計算方法などについて分かりやすく解説していきます。

歩留まりとは?

「歩留まり」は「ぶどまり」という読み方であり、主に製造業などで使用される言葉です。

とまりと聞くと何かがストップするイメージを持ちやすく、なにか悪い状態を意味するように思いますが、本当の意味は逆になります。

歩留まりとは、製品の製造に必要な原料や素材の量に対し、実際に得ることができた割合のことを指します。

つまり、出来高の割合のことを製造業などでは歩留まり率として呼んでいるのです。

また、最近では人材ビジネスなどにおいても活用されています。

内定を出した人数のうち、実際に入社をした人数の割合が歩留まり率であり、これらは人材派遣や転職サービスを行う人材ビジネスにおいて、業績に直結する重要な数字です。

歩留まりの歴史

歩留まりは昔から使われている言葉で、歩留まりの歩という字は「歩が悪い」という歩と同じ意味になります。

つまり歩留まりの歩は自分の取り分といった意味になり、自分の取り分が溜まるということで歩留まりと呼ばれるようになりました。

歩留まりが高い・低いとは?

歩留まりが高いであったり低いと聞いて、どちらが良いことなのかわからない方も多いのではないでしょうか。

歩留まりが高いと低いということがどういうことなのか解説していきます。

歩留まりが高いということとは

歩留まりは上記で説明したように自分の歩を指すため高い方が良いと言えます。

歩留まりが高いということは不良品が少なく、利益が高いことになります。

歩留まりが低いということとは

歩留まりが低いということは不良品などが多く利益が低いということになります。

歩留まりの使い方

歩留まりは実際にどのような時に使われているのか、いくつか例文を見ていきましょう。

・残業代などのコストを削減するには、歩留まりを高くする必要がある
~残業代などのコスト削減には不良品を少なくして作業量を減らす必要がある

・歩留まりが低すぎて納品に影響が出ている
〜不良品が多いことから納品に影響が出ています。

・販売価格が10,000円の商品に材料費で8,000円もかかっているのは歩留まりが低すぎる
~販売価格が10,000円の商品に材料費が8,000円もかかっているのはロスが多すぎる

・上半期において歩留まり率が10%向上しています。
~上半期においては材料費に対し不良品の割合が10%減少しています。

歩留まりはこのような使われ方が一般的です。

歩留まり率の計算方法

歩留まり率の計算式は以下のように算出できます。

歩留まり率(%)=良品数÷生産数×100

500個生産した中で良品数が420個であった場合、歩留まり率は84%となります。

また、良品数がわからない場合は以下の計算式で算出できます。

歩留まり率(%)=(生産数-不良品数)÷生産数×100

生産数が多かったりした場合や、その場で不良品とわからない場合、正確な数値の把握は難しくなりますが、歩留まり率の把握は生産性を改善する上で重要な数字です。

また、複数の工程で作成される場合は工程ごとの歩留まり率を確認することで、改善策が立てやすくなります。

歩留まり率を高くする方法

生産現場や人材サービスなどにおいて歩留まり率はとても重要です。

その歩留まり率は『原因究明と記録』『目標の設定』『直行率の注意』を定めたりすることで高くできます。

具体的な実践方法を解説していきます。

生産不良の原因究明と記録をする

歩留まり率を向上させるためには不良品率を下げるなければなりません。

そのために必要となるのが不良品が発生する原因の究明です。

不良品が発生したら6つの項目を記録していきます。

・いつ
・どの作業で
・誰が
・どの部品や製品を
・いくつ
・なぜ発生したのか

このような記録をつけるようにし、具体的な発生原因を究明することで機械のメンテナンスや人員の配置などを見直せるので不良品の発生率が下がります。

商品の製造工程の中で既に検査工程を設けている場合は、その数量だけでなく上記項目を記録することで更に細かい原因がわかります。

歩留まりの目標設定

1日の製造数が多い場合、作業に対する慣れなど作業員の意識も不良品に大きく関係してきます。

ただ歩留まり率を伝えるだけではなく、明確な目標を設定することで作業員などのモチベーションを高めやすくなります。

また、それらの数値を朝礼などで毎日話すことで意識も高く持ち続けやすくなり、歩留まり率の向上が期待できます。

直行率にも注意する

歩留まり率を向上させるにあたり『直行率』も大切です。

直行率とは一発で良品になる割合のことを言います。

直行率が悪いと歩留まり率が高くても人件費や材料費、その他光熱費が多めに高くなってしまい利益が出にくくなります。

その理由としては、途中で不良品と検出されても、その後加工などにより最終的に良品となったものは歩留まり率では良品とカウントされるからです。

歩留まり率が向上しても生産コストがあまり改善していない場合、直行率も記録してみると原因が分かりやすくなります。

歩留まり率を意識して正しく生産効率を上げよう

今回は歩留まりについて解説してきました。

歩留まりとは利益率の良さを表しており、歩留まり率は生産効率を上げる上で需要な数字となります。

歩留まり率の算出は簡単であり、向上させるためには不良品の発生プロセス等を記録することが大切です。

生産効率で悩んでいる場合は一度歩留まり率を見直してみるといいでしょう。

      その他の関連する記事

        広告

        リード情報をお求めの企業様へ
        STRATE[ストラテ]に貴社サービスを掲載しませんか?

        まずは無料で掲載