働き方の多様化や、価値観の多様化によって、1つの企業で長く働くスタイルは変化しつつあります。
企業としては、優秀な人材には少しでも長く働いてもらいたい、離職率を下げることが大きな課題となります。
従業員の早期離職を防止するには、「離職防止ツール」を利用してみると良いでしょう。
本記事では、離職防止ツールについて解説しますので参考にしてください。
離職防止ツールとは
離職防止ツールとは、従業員の企業定着率を高めることで早期離職を防止することを目的としたITツールです。
従業員のエンゲージメントやモチベーションをシステム上で可視化して、離職率改善のための仕組みづくりなどをサポートします。
タレントマネジメントシステムや、人事評価システムなどにもエンゲージメントの管理や退職原因の分析機能が搭載されている場合がありますが、離職防止ツールは、より専門的な機能が搭載されているため、本格的に離職率の改善を目指すのであればツールの導入を検討してみると良いでしょう。
おすすめの離職防止ツール
+one step
特徴
+one stepは、株式会社テイチャクが運営している人材ビジネス向けに特化したLINE公式アカウントの拡張ツールです。
求職者へのアプローチや定着支援までを一元管理することが可能で、休眠状態の求職者の掘り起こしや問い合わせ対応の効率化を実現します。
派遣スタッフの定着率が向上した事例や、求人配信のCVRが改善したという事例もあります。
導入目的に合わせたプランを展開しており、希望する企業には運用代行プランも提供しています。
料金
- 初期費用:100,000円
- MAプラン:30,000円〜
- 定着支援プラン:80,000円〜
※価格情報は2023年4月時点のもの
LLax forest
特徴
LLax forestは、サーベイを活用した離職防止ツールです。
サーベイ結果をもとに分析、個人へのフィードバックを行うことができます。
フィードバックは、従業員に合わせたオンラインコンテンツが豊富に用意されており、おすすめのコンテンツを自動で選考してくれるため、初めて離職防止ツールを活用する方でも安心です。
料金
- ベーシックプラン:年額2,400円×利用人数(税別)
- 福利厚生付きプラン:年額6,600円×利用人数(税別)
※価格情報は2023年4月時点のもの
HR OnBoard NEXT
特徴
HR OnBoard NEXTは、エン・ジャパン株式会社が提供しているリテンションマネジメント支援ツールです。
内発的動機づけを支援することで離職率の低下につなげることができます。
独自設計した設問によるアンケートを実施することで、社員のコンディションを月ごとに把握、離職兆候を見逃すことがありません。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:50,000円〜
※価格情報は2023年4月時点のもの
テガラみる
特徴
テガラみるは、株式会社ツナググループHCが運営している離職防止ツールです。
離職防止ツールの中でも、従業員のコンディション把握に特化しています。
従業員がその日のコンディションをアイコンで選択することで、簡単に担当者のもとへ情報を共有することができます。
システムに搭載されたコミュニケーション機能を活用して、コンディションが悪い従業員のフォローを行うことで、離職防止につなげることが可能です。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:要問い合わせ
※価格情報は2023年4月時点のもの
Visual
特徴
Visualは、PCやスマートフォンから簡単に回答できるアンケートによって従業員のエンゲージメントを把握できる定着率向上システムです。
定期的な質問に回答することで、離職兆候や貢献欲求を可視化し、離職リスクを回避することができます。
質問内容は全52問となっており、自社で自由に質問を追加することが可能です。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:400円〜/ユーザー
※価格情報は2023年4月時点のもの
離職防止ツールを導入する目的
離職防止ツールは、以下の目的から導入するケースが増えています。
エンゲージメントを可視化
離職防止ツールを導入することで、従業員のエンゲージメントを可視化することができます。
エンゲージメントとは、従業員が会社に対して持っている貢献意欲のことを指し、エンゲージメントが高いほど、仕事にやりがいを感じ、会社に貢献することを喜びと感じている状態といえます。
一般的に、エンゲージメント率が高いほど、離職率は低いと言われています。
エンゲージメントが低い従業員は仕事にやりがいを感じていない状態と言えるため、いつ離職するかもわからない状態です。
離職防止ツールを導入することで、エンゲージメントを可視化することができるため、離職の可能性が高い従業員をいち早く検知、早期にケアすることが可能となります。
離職防止ツールでは、人間関係や労働環境などに関するアンケート調査、ストレスチェックなどを実施し、データを元に離職者の属性や離職タイミングを可視化することが可能です。
従業員のモチベーション向上
離職率を低下させるには、従業員のモチベーション維持も非常に重要となります。
従業員のモチベーションを向上させるためには、仕事に対するやりがいはもちろんですが、報酬や称賛も必要です。
しかし、従業員の働きぶりを一人ひとり把握して称賛を送ることは難しいでしょう。
離職防止ツールでは、社員同士で普段の働きぶりや目に見えにくい普段のちょっとした気にかけなどに対して、感謝や称賛をポイントとして送り合うことができます。
付与されたポイントは、電子マネーや景品などと交換することができるため、モチベーションの向上につながります。
コミュニケーションの活性化につなげる
職場の人間関係や心理的安全性についても、離職とつながる大きな要因と言えるでしょう。
しかし、コロナ禍によって、これまでの働き方が変化したこともあり、従来のように気軽にオフィスでコミュニケーションをとることが難しくなったという声も多く聞かれます。
離職防止ツールには、チャット機能や掲示板機能、社内SNSが搭載されているものも多いため、多様な方法でコミュニケーションをとることができます。
また、誰が何をしているのかが可視化されることで、会話のきっかけになるだけでなく、管理もしやすくなります。
普段からSNSを多用していることが多い、新入社員などは、対面での会話よりもチャットなどの方が会話がしやすい場合もあるため、上司への相談も気軽にできるようになったというケースもあり、思わぬつながりを生み出すことが可能です。
離職防止ツール選定のポイント
導入事例を確認
離職防止ツールを導入するとどのような効果がでるのか、実際に離職率が何%改善するのか、知りたい情報は企業によって様々でしょう。
ベンダー側が公表している導入事例を確認することで、ツール前の状況と、導入後にどのような効果があったのかを把握することができます。
また、自社と同業界の導入事例を確認すれば、ツールの運用イメージもつきやすいでしょう。
ベンダー側のサポート体制
ツールの使い方がわからない場合や、分析結果をどのように活かせば良いのかわからないということは起こりうるケースです。
離職防止ツールの導入においては、ベンダー側のフォロー体制が優れたものを選ぶと良いでしょう。
ベンダー側でフォロー代行や運用方法に関する研修を実施してくれるものや、いつでも対応可能なサポートセンター、ヘルプページを提供しているツールを選ぶとスムーズな運用が実現できます。
使いやすさを比較
離職防止ツールは、管理者だけでなく従業員も利用する場面があるため、ツールに触れる機会があるメンバー全員が使いやすいツールであることが重要です。
わかりやすいUIで設計されているか、スマートフォンやタブレットからでも操作できるか、コミュニケーションに活用できる機能はあるか、といって点を確認すると良いでしょう。
無料のトライアルを実施しているツールであれば、本格的な運用前に機能性や画面構成を確認することができます。
また、普段から社内で利用しているチャットツールと連携できるツールであれば、新しく使い方を学習することなくコミュニケーションをとることが可能です。
離職防止ツールの導入は社内環境を理解することから始めよう
離職防止ツールについて解説しました。
離職防止ツールを導入することで、これまでは把握できなかった社内の人間関係や労働環境に対して、従業員がどのように感じているかがわかるため、離職率を改善するためにも、ツールの導入を積極的に検討してみましょう。