シナジー効果とは?言葉の意味やメリット、デメリットについても簡単に解説

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ビジネスシーンにおいて「シナジー効果」という言葉を聞く機会が増えてきました。

ビジネス以外でも日常的に使われるシナジーという言葉。

なんとなくの意味はわかっても人に説明するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

本記事ではシナジー効果について、基本的な意味やビジネスにおけるシナジー効果が生まれる事例、シナジー効果のメリットやデメリットなどを解説しますので参考にしてください。

シナジー効果の意味と言葉の使い方

シナジー効果とは、日本語で言えば相乗効果のことを指します。

ビジネスシーンにおいては、企業同士の協力や部署間の協力によって1+1が2よりも大きな効果を生み出すことをシナジー効果と呼びます。

もちろん1+1に限られることではなく、2つ以上のものが作用して高い効果を生み出すことをシナジー効果と表します。

例えば企業同士のタイアップによって、想定している以上の売上や広告効果を生み出すことや、経営の多角化によって大きな利益を生み出した場合がシナジー効果に当てはまります。

ビジネスでシナジー効果が生まれる事例

業務提携

ビジネスにおけるシナジー効果の代表的な事例として挙げられるのが業務提携です。

業務提携は異なるサービスや技術を持つ企業同士が事業で協力·提携することでお互いの短所や長所を補完して経営課題の解決を実現します。

業務提携でお互いが保有しているノウハウやナレッジを共有することで、高いシナジー効果が見込め、生産性の向上や新規事業の展開など多くのメリットを得ることができます。

M&A

M&Aは事業譲渡を希望している企業を買収、合併することで新たな価値を生み出したり節税効果を目指します。

もちろん、M&Aによる売上アップやリスクの分散、企業価値の向上なども見込めるためM&Aによるシナジー効果は大きなものとなるでしょう。

多角化戦略

多角化戦略とは、企業の主力事業以外の分野に進出することでシェア獲得、企業全体の売上アップを目指すことを指します。

多角化戦略は「水平型多角化戦略」「垂直型多角化戦略」「集中型多角化戦略」「集成型多角化戦略」の4つに分類できます。

集中型多角化戦略

「集中型多角化戦略」は技術や対象顧客のどちらか、またはその両方で関連性を有する多角化戦略のことを指します。

既存の技術や経験を新しい技術などに関連づけることで新規の市場に進出する集中型多角化戦略は特殊な技術などを持つ企業が経営資源を効果的に活用することによってシナジー効果を発揮することが期待されます。

集成型多角化戦略

「集成型多角化戦略」とは、企業が自社の既存事業とは関係のない新規分野へ進出する多角化戦略のことを指します。

ノウハウのない分野に進出するためリスクが高いというデメリットがありますが、成功した場合には大きな成長が見込めるという特徴があります。

例としては、化粧品メーカーが宇宙産業に進出するなどが挙げられます。

グループ一体経営

グループ一体経営とは、複数のグループ会社を持つ企業が共通業務の一本化を行なってコスト削減などを実現、経営のスリム化を目指すことを指します。

例えば、金融業界では共通する業務が多いため、グループ一体経営を行うのに適しています。同業種の事業を1つに集約すればスケールメリットも生まれやすいでしょう。

シナジー効果のメリット

売上アップや収益アップが見込める

シナジー効果におけるメリットの代表例としては売上アップや収益アップが見込めることにあるでしょう。

企業同士·部門同士が協力することで経営の多角化などが実現でき、売上や収益にプラスの効果をもたらします。

シナジー効果によってユーザー数が増えたことやブランドとしての認知力が強化されることはもちろん、売上や収益にも影響がでるのは大きなメリットと言えるでしょう。

コスト削減が期待できる

企業同士が協力してビジネスを展開することで、重複する部分が集約されるためコストカットが期待できます。

本来自社だけで負担することとなる対売上比のコストも協力している企業と負担できるため大きなコストカットにつながります。

さらに、自社だけではコスト面から挑戦することができなかったビジネスも、企業同士でコストを負担すれば1社あたりの負担は大きく削減できるでしょう。

財務状況が好転する

企業同士の協力体制が実現できれば、更なる資金調達が期待できます。

更なる増資が実現できれば資金力が改善され財務状況の好循環が生まれるでしょう。

経営基盤が安定するようになれば新規事業に取り組んだりすることでビジネスを拡大することができるため、財務面でもシナジー効果は大きな影響をもたらすでしょう。

技術開発力の向上が期待できる

企業同士が協力して研究開発(R&D)に注力することで、化学的な研究はもちろん、新技術や既存の技術の改良に役立てることができます。

企業同士のシナジー効果によって両者の技術力、開発力が大きく向上するのは注目すべきメリットでしょう。

シナジー効果のデメリット

組織再編による疲弊

企業同士で新体制を構築するには企業として体力を要します。

それぞれの組織から意思決定権を持つ人材を選定したり、あらゆる面で慎重かつ適切な判断を下す必要があります。

シナジー効果を十分に発揮するためには互いの従業員が納得できる形での組織再編、その後の取り組みが重要となりますので、ある程度の時間を要することを意識しておきましょう。

人材の流出リスクがある

例えばM&Aなどで企業が合併·統合すると、それまでの組織理念や環境が一新するため、従来の企業風土に愛着があった人にとっては会社に残り続ける魅力は感じなくなってしまう可能性があります。

また、組織が再編成されることでこれまでのポストから移動することを不満と感じて退職してしまう人が現れる可能性も十分にありますので、注意が必要です。

マイナス効果が生まれる場合もある

企業同士がタイアップしたからといって必ずプラスの効果が生まれるとは限りません。

事業の展開に制限が発生したり、自社の望まない方向にビジネスが展開してしまう可能性もあります。

このようにシナジー効果によって生まれるマイナス、シナジー効果の対義語を「アナジー効果」と呼びます。

アナジー効果とは

アナジー効果とはシナジー効果の対義語で、相互に起きるマイナス効果のことを指します。シナジー効果を狙って行った施策がアナジー効果となってしまい失敗してしまったというケースもあります。

アナジー効果が発生する要因としては以下が挙げられます。

既存事業との方向性が違う

タイアップする企業同士の方向性が大きく違う場合、アナジー効果が発生する可能性が高まります。

顧客やサプライチェーン、ビジネスモデルなどで方向性が被る部分がなく、単純な利益の合計以上の効果が生み出せないときにアナジー効果は発生します。

意思決定者の意見が合わない

例えば経営者同士の意見が合わない場合にもアナジー効果発生するケースもあります。

M&Aなどの最終的に1つの企業の経営者が意思決定することになる場合でも、合併後しばらくは複数人の経営者が経営に参画することとなるため、経営スタイルや投資などに関する考え方の違いから、派閥化が起こりアナジー効果を引き起こすこととなります。

優秀な人材の流出

M&Aなどによって企業のキーパーソンや重要顧客が企業を離れてしまうとシナジー効果を得られない場合があります。

M&Aや企業タイアップをきっかけに給与体系や組織編成が見直されることで、優秀な人材が失われる可能性があるため、アナジー効果となってしまいます。

まとめ

シナジー効果について基本的な意味やビジネスシーンにおける事例、シナジー効果のメリットなどを解説しました。

シナジー効果を狙って行った施策が結果としてアナジー効果を生み出してしまい、うまくいかなかったというケースもあるためタイアップ先の企業との相性や、経営における方向性などを事前にしっかりと確認した上で施策に踏み切ることが重要です。

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