「レッドオーシャン」は血で血を洗うような、競争の激しい市場を指すワードです。
一般的には避けるべき市場であるレッドオーシャンですが、あえてそのシーンで勝負を挑み、成功を収めている企業も少なくありません。
今回はレッドオーシャンの意味や言葉の由来、またメリット・デメリットをなどをご紹介いたします。
レッドオーシャンの意味や言葉の由来
レッドオーシャンとは?
「レッドオーシャン」の意味は「競争の激しい市場や分野、また業界やある特定の場所」とされています。
多くの企業がすでに参入しているマーケットや、一般的に人気のある競走の激しい業界に対して、またはライバルの多い社会などに対して使用されます。
以下に使用例をまとめました。
- 我が社がこのままレッドオーシャンを突き進むことに不安を感じざるを得ない。
- レッドオーシャンを避けることは、必ずしも企業にとって良い側面ばかりではない。
- この業界も、レッドオーシャン化してしまったので、今後は新しい市場を開拓する必要がある。
また、「自分にとって好都合な価格やそれ以上の価格を提示している売り手と、自分にとって不都合な価格や安い価格で購入しようとする買い手が、対立している市場」すなわち「競争市場」と言い換えることもできます。
ブルーオーシャンとは
「レッドオーシャン」の対義語は「ブルーオーシャン」です。
直訳すると「青い海」となりますが、その名の通り「静かな青い海」を連想させる「穏やかで競合が少ない市場や分野」を意味します。
これに加え、「まだ誰も参入しておらず、未開拓かつ新しい市場や業界」も「ブルーオーシャン」と呼んでいます。
以下、ブルーオーシャンの使用例です。
- これから起業するなら、ブルーオーシャンを狙い利益を追求するべきだ。
- 今はブルーオーシャンでも、参入する企業が増え、すぐレッドオーシャンに転化してしまう可能性がある。
- ブルーオーシャン市場だからと言って気を抜いてはいけない。
レッドオーシャン戦略のメリットとデメリット
メリット
レッドオーシャンのメリットとして挙げられるのは、確かな需要があるという点です。
多くの企業が参入しているということは、需要が多いということでもあり、上手くレッドオーシャンでの戦略を練り、成功すれば利益をあげることも可能です。
デメリット
レッドオーシャンの一番のデメリットは、市場への参入が極めて困難だということです。
レッドオーシャンには、経験ある歴史の長い企業が多く、多くのライバルに押しつぶされてしまう恐れがあるため、市場に飛び込むのは極めて危険だといえるでしょう。
こういった事情から、過酷な状況に身を置くリスクを避け、競争の緩やかなブルーオーシャンに足を踏み入れる企業も少なくありません。
レッドオーシャン戦略で成功した企業の事例
敢えてレッドオーシャンに飛び込み、成功した企業の事例をご紹介いたします。
その1
某食品会社では、主力商品のラインナップに「塩を使わないポテトチップス」を投入しました。
結果、健康志向で塩分を控えたい中高年や、素材そのものの味を楽しみたい若い女性から高く評価される商品となりました。
ポテトチップス最大のネックの塩分摂取のリスクを解消したことで、これまでにない可能性を見出した一例と言えるでしょう。
その2
近年、大人気の高級食パンの市場では、小規模な専門店から大手まで多数の企業が参入しており、2020年の市場規模は255億円にまで成長しました。
そのレッドオーシャンに新たに、大手ハンバーガーショップを展開する企業が参入しました。
首都圏や関西、九州を中心に「約1000店舗」という規模で、1斤600円の高級食パンを販売し、「完全予約制」という独自のスタイルを確立し評判を呼んでいます。
予約を受けた分だけメーカーに発注するので廃棄ロスが大幅に減り、本数が少なくても売れた分だけ利益になるというメリットを見出しています。
その3
売上高国内2位の某大手飲料メーカーでは、チューハイ・サワー市場で最後発ながら、全国展開からわずか1年足らずで一定の地位を築き話題になりました。2020年だけで約790万ケースを売り上げ、人気の商品として認知をされています。
炭酸や果汁などの清涼飲料で培ったノウハウが生かし、データだけに頼らず、開発メンバーたちが全国にある人気の居酒屋やバーに足しげく通い努力を重ね、勝ち取った結果と言えるでしょう。
レッドオーシャンな業界で勝つためのポイント
レッドオーシャンで戦うことが、最初から負け戦であるかというとそうとは言い切れません。
いくつか成功した企業の例を前述しましたが、参入や市場での勝ち残りが非常に厳しいレッドオーシャンでもデメリットを克服し、利益をあげる戦略はいくつもあります。
ライバル企業の分析・研究を行うことで、企業が持つ理念や考え方などを詳細に調べあげ、企業動向を検討し、同じような目線を持つことが可能です。
商品の差別化を図り、ライバル企業が提供する商品に無いものや改良を行うことで、商品に付加価値を付けて需要を増やすことで、レッドオーシャンで戦える希望が生まれることでしょう。
まとめ
レッドオーシャンは、さまざまな分野に広がっています。
激しい競争に疲弊する企業がある一方、着実に勝ち残っている企業も存在していることも事実です。
またブルーオーシャンだったシーンが短期間でレッドオーシャンになることも稀ではありません。
他社の成功事例や、成功の上で必要なポイントをしっかりと学ぶことは、これから新しい分野に新規参入を目指す企業にとって非常に有益だと言えるでしょう。