植物肉は日本ではどこで買える?植物肉の原料とは

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「え?これが植物肉?」海外のチェーン店で植物肉のバーガーを食べたことがある方は肉との違いがわからず驚いたことでしょう。

昨今海外ではハンバーガーのパテは牛肉の代わりに植物肉を利用することが増えてきました。その背景には何があるのかをご紹介します。

海外では人気の高い植物肉とは?

昨今海外で話題の植物肉を使ったバーガーはどうして台頭してきたのでしょうか?

実は、ハンバーガーのパテに使用されているのは牛肉。牛肉の畜産のためには多量の温室効果ガス、いわゆるCO2やメタンガスを放出しています。その結果地球温暖化が加速していると考えられているのです。

そのため、米国の企業を中心にできるだけ牛肉の畜産を減らして植物肉を代用していこうという動きがあります。

気になる植物肉とは、大豆やエンドウ豆、ジャガイモなどの地球環境に優しい植物が原材料。動物界の自然破壊を阻止する狙いもあります。

植物肉を製造している企業はできるだけ牛肉の風味や食感を再現するために独自の製法を取り入れています。

植物肉で一世を風靡した「ビヨンド·ミート」ってどんな会社?

植物肉を製造·販売している米国ビヨンド·ミート社は2019年5月に上場して時価総額83億ドルを叩き出しました。株価もどんどん上昇しています。

今後の人口の増加やCO2の増加を考えると環境に優しい植物肉はさらに需要が高まる見込みです。

実際にKFCやスターバックス、マクドナルドなども米国では植物肉を採用しています。ビヨンド·ミート社のビヨンドバーガーが日本に上陸する日も近いのではないでしょうか。

とはいえ、2016年にビヨンド·ミート社に出資した三井物産が2019年にビヨンド·ミート社の日本進出は取りやめると正式に発表しています。今度の動向はまだ定かではありません。

米国「インポッシブル·フーズ」が環境保全についてレポート

ビヨンド·ミート社と肩を並べて米国では人気が高まっているのがインポッシブル·フーズです。インポッシブル·フーズはバーガーキングとコラボし、インポッシブルバーガーというインパクトの大きな商品名で全世界でバーガーを売り出しています。既に9,000店舗以上のレストランなどで採用されている実績もあります。

インポッシブル·フーズが2018年に出したレポートによると、来店客が1年間に牛肉の代わりに植物肉を使ったバーガーを食べたと仮定すると、アメリカの自家用車が2.5億マイル(約4億km)を走るのと同量の温室効果ガスの排出を防ぎ、サンフランシスコと同じぐらいの土地(約121km²)を守り、300万人が使用する量の水を節約できると発表。

インポッシブル·フーズは2018年には国連環境大賞を受賞(ビヨンド·ミート社とダブル受賞)しています。

お肉にこだわりのあるアメリカでどうして植物肉が受け入れられたのか?

植物肉がアメリカで受け入れられた最大の要因は味です。

ビヨンド·ミートやインポッシブル·フーズの植物肉が本物の牛肉と遜色がないため、米国では受け入れられました。その味の秘密は大豆の根に含まれるヘム鉄。ヘム鉄は基本的に動物性の食品にしか含まれていません。

ですが、大豆の根の成分にヘム鉄があることに着目したのが植物肉。牛肉に多く含まれるヘム鉄を利用することで限りなく牛肉感に近づけたことが両社の成功の秘訣でしょう。両社の日本上陸が待ち遠しい限りです。

植物肉には日本企業も参画しているのか?勝算は?

では、米国では既に受け入れられている植物肉ですが、日本での動きはどうなっているのでしょうか。地球温暖化を少しでも阻止するためには全世界で同様の動きが望まれます。

日本にも以前からおから等で作った大豆由来の植物肉(いわゆるソイフード)は売られていました。ですが、どの商品もやはり大豆。お肉の食感や風味とはかけ離れたもの。

此度のアメリカでの成功を受けて、日本人にも満足できる植物肉の開発をフード業界各社が手がけています。

ローソン·ファミリーマート

実は2020年7月にはローソンでも「大豆ミートかつバーガー」なるものが販売されました。その他大豆から作った唐揚げなども発表。ファミリーマートでも大豆肉のビビンバ丼が発売されました。

日本人にもウケたようです。

日本ハム·伊藤ハム

日本ハムや伊藤ハムからも「お肉を使用しないハンバーグ」などの名称でレトルト食品が販売されています。

評判は上々です。

モスバーガー·ロッテリア

ハンバーガー業界各社もソイバーガーの販売を開始しています。

日本のハンバーガーでも美味しさを実感できているようです。その上ヘルシーに仕上がっています。

無印計画

地球環境の保全に力を入れている無印良品計画でも2020年10月から植物肉の販売を開始しています。ハンバーグやミートボール等の4種類です。無印良品は昨今食品に力を入れているので高評価を得られるのではないでしょうか。

日本でも植物肉は流行るのか?

日本でも植物肉は流行るのか?という疑問もあるでしょう。確かに日本人は魚を食べる文化があり、魚肉ソーセージなどの方が馴染みがあるかもしれません。正直なところ米国ほどはまだ受け入れられていません。

植物肉が日本でも受け入れられるためには味付けが決め手になるでしょう。米国での成功はハンバーガーショップで肉と変わらない風味を出せたことです。濃い味付けで風味良く仕上げることができれば日本人にも受け入れられるかもしれません。

なぜなら、日本にはヴィーガンやベジタリアンが海外ほど多くはいないからです。美味しくなければ敢えてお肉以外をチョイスするとは考えられません。

お肉を食べたいと考えている日本人が植物肉を手にするのは味付けが好みで美味しい場合に限りそうです。さらには健康食にも訴えかけられれば成功できるのではないでしょうか。

しかし、一つの疑念点として、植物肉は環境保全のためには確かに優れた食品ですが、植物由来だから健康に良いものとは限らないことです。ビヨンドバーガーにしてもインポッシブルバーガーにしてもコテコテの濃い味付けで人気を博しています。つまりは塩分や糖分は従来の牛肉で調理していたときと殆ど変わりません。決して健康に良いとは限らないのです。

日本人に受け入れられるケースでも恐らく米国同様に濃い味付けのケースではないでしょうか。いかに美味しくヘルシーに仕上げられるのかが各社の課題になります。

植物肉はどこに売っている?

植物肉は日本国内なら前述したようなコンビニやバーガーショップ、スーパーなどで簡単に手に入ります。また、オンラインショップでもさまざまな種類の植物肉が手に入る時代です。大豆ミートで検索してみるとひき肉や餃子、ハンバーグなどさまざまな植物肉が手に入るでしょう。

ただし、以前から売られている大豆ミート類は一度水で戻して調理する必要があるため、調理に時間がかかります。お肉よりも安価に手に入るため、節約を好む主婦層には受け入れられてきました。

今後日本人全般に受け入れられるためには、やはり調理済みの美味しい食べ応えのある植物肉を訴求していく必要があるでしょう。

日本でも植物肉が流行りつつある?

植物肉が日本で流行るかはまだ疑問の声が多いのが正直なところ。ただし、海外でも受け入れられた、ビヨンドバーガーやインポッシブルバーガーが上陸すれば話題性とボリュームのあるバーガーの食べ応えで受け入れられるのではないでしょうか。

少しずつ日本でも植物肉が受け入れられていることは事実。今後は調理方法といかに健康に良いのかを追求していく必要がありそうです。海外ほどの爆発的な人気となるまでにはまだ時間が必要かもしれません。

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