ファシリテート(ファシリテーション)とは?言葉の使い方·手法·ファシリテート力を高めるには?

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近年は企業に生産性を高めることが求められています。
今までのようにやみくもに時間と人件費だけをかけて仕事をしているようでは、効率良く成果をあげることはできません。
一つひとつの仕事をクオリティ高く行うことがこれからの時代には必要なことなのです。
特に、会議をいかに能率良く行えるかはどの企業も課題にすべきことでしょう。
何のために会議をやるのか、どうやれば会議はうまくいくのかといったことはどの企業にとっても悩ましい話です。
そこで今回は会議の生産性を高くする考え方の一つである、ファシリテートというものについて詳しく見ていきましょう。

ファシリテート(ファシリテーション)とは?基本的な使い方を解説

ファシリテートとは、英語で「促進する」という意味を持つ単語です。
そこから転じて、仕事の進み具合をより早くするという意味のビジネス用語として使われるようになりました。
会議においてファシリテーションという言葉が使われる際は、会議を円滑に進める方法という意味で使われることが多いです。

ファシリテーターと司会の違いは?

より実のある会議を行うにあたっては、ファシリテーターを配置することが大切とたびたび主張されます。
ファシリテーターは、メンバーの意見を集約したり、メンバーに質問したりして、メンバーが発言しやすい環境を作ることが仕事です。
仕事の内容だけを見てみると、司会と似たようなものと勘違いする方も多いでしょう。
しかしながら、司会はあくまでも会議を順番通りに進行していくことを仕事としています。
それに対してファシリテーターには話の流れを見極めながら、時に予定していた進行をアレンジすることも求められるのです。
司会よりも高度な技術を求められる役割と言えるでしょう。

ファシリテート(ファシリテーション)を行う目的

ファシリテートを行う目的は、参加しているメンバーが納得している状態を生み出すことにあります。

会議の目的と理由を参加メンバーが深く理解して、自分のあるべき姿を描くことができるように導くことがファシリテートの意義です。

一方的な演説ではなく、参加メンバーそれぞれのやる気を引き出し主体的に行動、協力して課題解消にあたるような状態が実現できれば理想的でしょう。

ファシリテートが適切に行われていれば、組織としての意思決定力や問題解決力も高まるため、リーダーにとっての必須スキルと言えるでしょう。

ファシリテート(ファシリテーション)の手法・やり方

ファシリテーションの考え方については理解できているけど、具体的にどういう方法を採用すれば良いかわからないという悩みを抱えている方は少なくありません。
ここからはそんな人のために、会議の時に採用すれば役立つファシリテーションの手法について紹介していきます。

会議の目標を決める

そもそも目的意識というものがなければ人間はやる気が出ません。
目的がないまま会議を開いても、何をして良いかわからず戸惑ってしまう人がほとんどでしょう。
そこで会議を開く前にファシリテーターは会議の目標を決めなくてはいけません。
この目標についても具体的なものが望ましいです。
たとえば、先月の仕事の内容を振り返る会議だったら、それを活かして次にどういう仕事ができるかといった話をするといった目標を立てましょう。

議事録を作成して振り返りの機会を設ける

ファシリテーターは会議の最中にだけ仕事をすれば良いというものではありません。
会議が終わってからも、会議の間どういうことが話し合われたか、議事録を作るようにしましょう。
そして、会議に参加したメンバーに議事録を配布し、どういうことが話されたのかといったことが簡単に振り返れるように取り計らうとより生産性は上がります。
もちろん、すべての発言を逐一文字に起こす必要はありません。
会議の中で出た発言内容を箇条書きにしたりするだけでも十分振り返りは行えます。

ファシリテート(ファシリテーション)力を鍛えることで得られるメリット

そもそもファシリテートの大切さが説かれるようになったのはつい最近のことです。
そのため、なぜファシリテートが大切なのかいまいち理解できない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここからはファシリテート力を高めることでどんなメリットがあるのかを紹介していきましょう。
まず、ファシリテート力を鍛えれば、物事をすっきりとまとめられる力がつきます。
ファシリテーターに必要なのはさまざまな意見を集約する力です。
時には会議の中でバラバラの意見が行き交ってうまく集約できないということもあり得るでしょう。
しかし、そんなバラバラの意見の中に共通項がないかと探すことで、複雑な事柄もすっきりと整理できるようになるのです。
これは会議だけでなく、仕事にも活かすことができるでしょう。
次に、周囲の人たちの意見を理解できるようになるというメリットもあります。
人間は千差万別の意見を持っています。
しかしながら、複数人で話し合う機会がないとそういう違いはなかなか目に見えてこないものです。
そんな中でファシリテーターになれば、他人の意見を尊重できるようになります。

具体的にファシリテート(ファシリテーション)力を鍛える方法とは?

これからファシリテート力を鍛えようと思っているけど、いったいどうしたら良いかわからないという方はいるはずです。
もちろん、最近ではファシリテーターのためのセミナーなども各地で開かれています。
書籍なども充実しているので、それを読めば手っ取り早くファシリテート力は鍛えられるでしょう。
しかしながら、会議の中では常々予期せぬ出来事が起こるものです。
たとえば、話し合いが行き詰まってなかなか良い意見が出なくなったということは誰しも一度は体験したことがあるでしょう。
そういうときはいったいどういう対処法を採れば良いかということは、結局実戦経験を積むしかありません。
書籍やセミナーはあくまでも理想的な会議におけるノウハウを教えてくれるだけで、うまくいかないときの対処法はあまり教えてくれないのです。
そのため、会議の練習を何度も何度も積む必要があります。
実際に会議を何回かやってみて、こういうときはこうすればいいんだ、というようなコツを掴めるようになればファシリテーターとしてうまくやっていけるでしょう。

ファシリテーターに選ばれたら?ファシリテーターの役割について

今度の会議でファシリテーターを任されたはものの、何をすれば良いかわからないという方は少なからずいるでしょう。
そこでここからは、ファシリテートの具体的な役割をいくつか紹介していきます。

スタートとゴールの設定

ファシリテーターの事前準備として、会議のスタートとゴールの設定があります。
スタートとゴールを設定する際は、合意形成までのプロセスを把握することで、イメージが把握しやすくなるでしょう。合意形成のプロセスとは以下の通りです。

  1. 場の目的の共有:どんな話を会議でするのか
  2. アクションの理由の共有:なぜそうするのか
  3. アクションの選択と合意:どう行動するか
  4. 実行プランの確認と共有:誰がいつまでに何をするのか

上記のプロセスを理解した上で、会議ごとにスタートとゴールを設定すると良いでしょう。

会議メンバーの性格の把握

まず会議をするにあたっては、何人かのメンバーが集まらなくてはいけません。
そして、それぞれのメンバーの性格はいずれも違っているということを踏まえるべきです。
たとえば、一番年上の人はしゃべるのが得意だけど、一番年下の人は人見知りといったケースを考えてみましょう。
その際は年上の人が一方的にしゃべる展開が予想されます。
そのため、年下の人が話しやすいような質問をいくつか用意し、全員が話しやすいような環境を作るという仕事をするのもファシリテーターの役割です。

場の雰囲気作り

ファシリテーターは参加者が発言しやすい話題や、関心をひきやすい話題からスタートするなどして場の雰囲気作りを行います。
議論が活発にならない要因としては、言いたいことがあるのに発言しない参加者がいるということが挙げられます。
参加者が自分の発言に自信を持てるように、ファシリテーターは参加者一人ひとりの発言を尊重して、全ての発言が重要であることを伝えて誰でも発言がしやすい雰囲気の構築を目指しましょう。

スケジュール管理

会議は時に白熱することがあります。
本当はこの議題も話すべきなのに、この調子で話し合いが続くと、時間が足りなくなってしまう、というのはよくあることです。
そこでこそ、ファシリテーターは常々時間をメンバーに意識させるようにしましょう。
ストップウォッチを見ながら、後5分などとアナウンスするのも一つの方法です。
逆にこの議題はそれほど意見が出なそうだから、早めに切り上げて次の議題に移るというのもファシリテーターならではの仕事と言えるでしょう。
会議のスケジュールを管理し、メリハリのある会議にすることが大切です。

結論と合意形成

ファシリテーターは最後に、会議の内容を受けて「誰が・いつまでに・何をするのか」を明確にした上で参加者の認識を一致させるようにしましょう。
今後のアクションが決まらない場合は、今回の会議においてどんなことが決まったのか、またどんなことが決まらなかったを明確にした上で次回の会議でどんなことを話し合うのかをまとめておきます。

ファシリテーターに求められるスキル

理解力

議論中は様々な意見が飛び交うことになります。
そういった様々な発言をファシリテーターは理解し、整理、進行しなければいけないため、深い理解力が求めらます。

論点の把握と整理する力

議論が白熱するとついつい話の方向がズレてしまうことがあります。
論点がズレているまま議論が進んでしまうと誤った意思決定にもつながりかねないため、ファシリテーターは論点を正確に把握し、整理する力が求められます。
一つひとつの発言に対して、深掘りするべきか否かを判断して議論を正しい道筋に導く力が求められるのです。

質問力

参加者の発言に対して、内容が不十分であった場合などに「具体的に教えていただけますか?」といったように質問し、参加者全員の理解度が深められるようにする力が必要となります。

リアクション

ファシリテーターは、発言者の話を聴こうとしている、理解しようとしていることをリアクションや発言で示す力が求められます。

具体的には、発言者の方向に顔や体を向けたり、発言者とアイコンタクトをとったり、うなずきや相槌などのリアクション、場合によっては発言を受けて自分の理解した内容を話すことも必要となる場合があります。

ファシリテート力を鍛えて会議を円滑に行おう

近年は話し合いの機会を持つことが大切だ、と主張されることが多くなってきました。
しかしながら、意見の違う人たちが集まって実りのある話し合いにするためにはいろいろなスキルが必要です。
ファシリテートの考え方を知ることこそ、これからの時代を生き抜くにあたっては重要と言えるでしょう。

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