会社で利用するものを現金で購入すると、領収書を発行してもらい、会計ソフトや管理ソフトに手入力しなければならないなど、何かと手間がかかるものです。
さらに、管理ソフトへの入力漏れや、社員それぞれが何を購入しているのか把握しづらい点も問題と言えます。
そこで、多くの企業が取り入れているのが「法人カード」です。
本記事では、法人カードについて解説しますので参考にしてください。
法人カードとは
法人カードとは、法人や個人事業主などを対象として発行されるクレジットカードのことを指します。
私たちが普段利用している個人用のクレジットカードとは違い、利用可能額が大きく、利用した金額は法人名義の口座から引き落とすように設定することができます。個人事業主の場合は個人口座を設定することも可能です。
また、従業員用にクレジットカードを追加発行することができ、名義人以外は利用できない仕様となっているため、カードのまた貸しなどの不正利用を防ぐことができるなど、ビジネスでの利用に適しています。
法人カードの種類
法人カードは大きく分けて、「ビジネスカード」と「コーポレートカード」に分類されます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
- ビジネスカード:カード利用者数が20名以下で、中小企業や個人事業主向け
- コーポレートカード:大企業向けで、カード利用枠が大きい
おすすめの法人カード
三井住友カード ビジネスオーナーズ
特徴
三井住友カード ビジネスオーナーズは、法人カードとして高い人気を獲得しています。
本会員の年会費が永年無料となっているだけでなく、従業員用に追加カードを発行する場合も年会費がかかりません。
所定の審査はあるものの、総利用枠が500万円までという点が魅力的です。
法人カードを持ちたいけれど年会費などのコストは抑えたい中小企業や個人事業主の方におすすめの法人カードとなっています。
料金
- 年会費:永年無料
- ポイント還元率:0.5%
※価格情報は2023年4月時点のもの
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
特徴
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、充実した付帯サービスや還元率の高さが魅力的な法人カードです。
豊富な優待特典が付帯しており、空港ラウンジサービスの利用が無料になるといったサービスを受けることができます。
海外渡航にあたっての手厚いサポートが特徴的で、24時間日本語で利用できる電話サービスや、ホテルやレストランの手配、弁護士の紹介などを提供しています。
利用限度額が一律制限なしとなっており、利用者ごとに設定できる点も魅力的です。
料金
- 年会費:13,200円
- ポイント還元率:0.5%〜1%
※価格情報は2023年4月時点のもの
JCB法人カード
特徴
JCB法人カードは、年会費がリーズナブルでありながら優待特典などが充実しています。
会員となることで、JCBタクシーチケットを利用できるため、接待時のタクシー利用をスマートにすることができます。
また、年間のカード利用額に応じてポイント還元率がアップし、最大で0.75%にも上がる点も特徴的です。
ETCカードを枚数制限なく発行できるため、社用車を複数台保有している企業にもおすすめとなっています。
料金
- 年会費:1,375円(ネット申し込みで初年度無料)
- ポイント還元率:0.5%
※価格情報は2023年4月時点のもの
楽天ビジネスカード
特徴
楽天ビジネスカードは、個人用の楽天プレミアムカードを発行している方が申し込み可能な法人カードです。
利用にあたっては、楽天ビジネスカードの年会費と楽天プレミアムカードの年会費も発生します。
しかし、楽天ビジネスカードでは、楽天プレミアムカードの特典も利用可能となっています。
基本還元率が高いため、カードの利用機会が多い企業にはおすすめです。
法人はもちろん、個人事業主で申し込みが可能となっています。
料金
- 年会費:2,200円(楽天プレミアムカードの年会費は11,000円)
- ポイント還元率:1.0%
※価格情報は2023年4月時点のもの
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
特徴
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、コストパフォーマンスに優れた法人カードです。
中小企業・個人事業主におすすめの法人カードとなっており、年会費を抑えつつもプラチナランクのステータス性を持つカードを利用することができます。
年間200万円以上決済することで、翌年度の年会費が半額になる点もコストパフォーマンスが優れている点といえます。
JALのマイル還元率が1.125%と高く、他のプラチナ法人カードと比較しても業界最高水準となっています。
料金
- 年会費:22,000円
- ポイント還元率:0.5%
※価格情報は2023年4月時点のもの
法人カード選定のポイント
還元率を比較する
法人カードを選ぶ際は、還元率を比較すると良いでしょう。
還元率とは、クレジットカードで決済した際に、金額に応じて付与されるポイントの割合のことを指します。
還元率はブランドごとに様々となっており、平均としては0.5%〜1%が相場となっています。
利用する店舗によってポイントが多く付与される場合もあるため、利用頻度が高い店舗やサービスと相性の良いブランドを選ぶと良いでしょう。
ポイントの有効期限が設けられているサービスも多いため、貯めたポイントが失効しないうちに利用することも忘れてはいけません。
年会費を比べる
多くの法人カードは年会費が必要となります。
法人カードによって経費精算の効率化を図りたいのであれば、年会費が無料のものを選ぶと良いでしょう。
法人カードが持つ優待特典や付帯サービスを目的としているのであれば、年会費が無料のものより有料のものを選んだ方が充実度が優れているので、利用したい付帯サービスを明確にした上で比較検討することをおすすめします。
カードの利用限度額で選ぶ
カード会社によって利用できる限度額が異なります。
ビジネスシーンにおいては、クレジットカード決済のみに対応しているサービスを利用する場合もあるため、カード利用額が少ないものを選ぶと、サービスの利用ができないだけでなく、Web広告への出稿が止まってしまう場合もあります。
このような事態を回避するためにも、ある程度利用枠に余裕があるカード会社を選ぶようにしましょう。
法人カードを複数用意する場合は、審査が厳しくなる傾向にあるため、利用枠の大きいカードを1枚用意した方が現実的です。
法人カードを導入するメリット
経理業務を効率化できる
法人カードを持つことで、支払いを一本化することができます。
これまでは、社員が経費の支払いを一時的に立て替えると、経理部門が後の申請に応じて経費精算のために現金を用意したり、振り込みをしたりしなければいけませんでした。
法人カードを利用することで、社員への立て替えが発生せず、決済がスムーズになります。
会計ソフトと連携できる法人カードもあるため、カードを利用するとそのまま会計ソフトにデータが取り込まれるようになり、経理担当者が手入力する手間が効率化されます。
使い分けができるようになる
法人カードを持つことで、公私での使い分けができるようになります。
社員用カードを発行している企業であれば、個人的な利用で経費としての利用は明確にしやすいですが、個人事業主の場合は経費と個人の利用とが曖昧になってしまうことがあり、明細を分別する作業が煩雑化するリスクが発生します。
法人カードを作ることで、個人のカードと使い分けが可能となり、経費の業務効率化や、個人用の支払いを経費計上してしまうミスも防止できます。
法人カードを作って経理業務の効率化を
法人カードについて解説しました。
法人カードは、個人カードにない様々な特典や付帯サービスがあるため、経費精算の効率化だけでなく、従業員への福利厚生としてもおすすめです。
個人事業主や中小企業でも導入しやすい法人カードも多いため、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。