「キャリア・アンカー」とは？｜人事用語

キャリア・アンカーとは

１．キャリア・アンカーとは

キャリア・アンカーとは、「career」＝「仕事」　「anchor」＝「いかり」に由来し、「個人の仕事における軸」＝「仕事に対して何を大切にするかの価値観」を意味します。

アメリカの心理学者によって提唱され、仕事に対する価値観を自覚することで、自分の将来のキャリア形成や、職場・部署・職務・責任等の選択を客観的に分析し、働き方を計画的に選択することが可能になります。

また、キャリア・アンカーは個人のキャリア形成・選択だけに関わらず、組織内でキャリア・アンカーを共有すること、適正な人事配置をすることが可能になり、能力を最大限に発揮させることや、従業員の満足度向上、離職率の低下をもたらすメリットがあります。

２．キャリア・アンカーのタイプ

・専門性
生涯を通じて特定業務分野のスペシャリストとして仕事に携わるなどの専門性に関する価値観。
例えば、難関国家資格を必要とする弁護士や公認会計士、難関な大学受験と就学期間、国家試験を必要とする、医者・歯医者・薬剤師等が該当します。
また、大学での修士・博士課程を経た研究者や、企業において新規の薬品、食品、商品等を開発する研修者等もこれらに分類されます。

・経営者、管理者
雇用主から仕事を与えられるのではなく、自らが経営に携わり、組織を管理

・時間、場所の制約
就業において、時間や場所に制約を受けず、自由な時間と場所で業務を遂行
例えば、裁量労働や、フリーランス、請負業務等がこれらに分類
また、「残業の有無」「休日出勤の有無」「転勤の有無」等

・安定性、成長性
大企業や、国家公務員等においては、短期間での昇給は見込めない一方で、安定性を重視
ベンチャー企業等は、倒産等のリスクはある一方で、企業成長や昇給等の将来性を重視

・社会的貢献度
当該企業や、業務が社会に与える影響
例えば、医療・福祉・教育による社会貢献や、環境保護やチャリティーなど

キャリア・アンカーの使い方・例文

・自身のキャリア・アンカーを考えた結果、転勤や休日出勤の発生しないB社への就職を決断した
・大学を選択する上で、キャリア・アンカーを考えることは、非常に重要だ