病院や美容サロンなど、診療情報を記録したカルテは従来紙で作成して管理することが一般的でした。
しかし、請求書や契約書など多くの業務領域で電子化が取り入れられていることもあり、カルテにおいても電子化して運用する事例が増えてきました。
本記事では、電子カルテについて解説しますので参考にしてください。
電子カルテとは
電子カルテとは、従来紙で作成していたカルテ(診療録)を電子化して、システム上で編集・管理することができるシステムや記録のことを指します。
電子カルテには、患者の診療内容や経過といった情報に加えて、患者に関連する検査結果、検査画像などの情報を記入し、保存することが可能です。
電子カルテは、病院向けのサービスとクリニックなどの自由診療向けのサービスに分けられ、主な違いは入院機能の有無やレセコンの有無などが挙げられます。
電子カルテを導入することで、業務効率化や情報共有の効率化など、様々なメリットがありますが、まだまだ新しいサービスですので、今後普及率が伸びていくでしょう。
おすすめの電子カルテサービス
B4A(ビーフォーエー)
特徴
B4Aとは、株式会社B4A Technologiesが運営する自由診療クリニック向けのクラウドツールです。
美容外科や美容皮膚、AGAなどの自由診療クリニックなどで導入されている実績があり、業務負担の軽減や待ち時間の短縮などを実現します。
あらゆる業務の一元管理や、新規集客の強化、リピート率の向上などの導入効果が期待できます。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額料金:30,000円台〜
※2023年4月現在/詳細は公式サイトを確認
ACUSIS Cloud
特徴
ACUSIS Cloudは、株式会社プロ・フィールドが運営している電子カルテサービスです。
AWSによるサーバー設置不要で利用できる手軽さが魅力的で、導入コストの削減が可能となっています。
患者さんの状況を色に分けてステータス管理できるほか、複数背術をグループ化できるセット施術予約も可能など、機能性に優れています。
直感的な操作で利用できるため、初めて電子カルテサービスを利用するという方にもおすすめです。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額費用:要問い合わせ
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MEDICALFORCE(メディカルフォース)
特徴
medicalforceとは、株式会社メディカルフォースが運営している電子カルテサービスです。
予約カレンダーや電子カルテなどの院内リソースを連携でき、業務効率化や情報共有におけるミスの防止につなげることができます。
また、在庫管理機能が搭載されており、会計確定時に在庫数を自動で減少してくれるなど、幅広い業務の効率化が可能です。
料金
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額費用:要問い合わせ
※2023年4月現在/詳細は公式サイトを確認
きりんカルテ
特徴
きりんカルテは、電子カルテサービスとして医療現場の課題解消に貢献します。
直感的に操作ができるため、PC操作に不安があるという方でも安心です。
豊富な機能が標準搭載されており、業務効率化はもちろん、待ち時間の減少などの導入効果があります。
料金
- 初期費用:0円
- 月額費用:要問い合わせ
※2023年4月現在/詳細は公式サイトを確認
MEDIBASE
特徴
MEDIBASEは、クラウドで利用できる電子カルテサービスです。
美容外科やAGAなど、クリニックの運営に必要な機能がオールインワンされており、診療や請求などの業務効率化が期待できます。
また、経営分析にデータを活用することも可能です。
必要な機能を好きなタイミングで追加できる点も優れています。
料金
- 初期費用:70,000円~
- 月額費用:45,000円〜
※2023年4月現在/詳細は公式サイトを確認
電子カルテを導入するメリット
業務効率化につながる
電子カルテを利用するメリットとして、業務効率化につながる点が挙げられます。
紙のカルテを作成する手間がなくなり、受付業務の負荷を軽減、会計時間が短縮できるため、患者の待ち時間も短くなります。
電子カルテは紙のカルテと比べて情報共有が手軽なため、入力した情報を連携部門で簡単に共有し、予約や受付などの業務を効率化、さらに、レセプトと連携できる電子カルテであれば、算定漏れを防止することも可能です。
電子カルテには、入力補助機能や、診断書などのテンプレート機能が搭載されているため、カルテ入力や書類作成にかける時間を短縮することができます。
検査結果の確認が容易になる
検査結果を電子カルテに取り込むことで、いつでも電子カルテの画面上で検査結果を確認することができるようになります。
検査会社がオンラインで検査結果をアップロードして、検査結果を自動で取り込むことができるサービスもあります。
スペースの有効活用が可能となる
これまでは紙のカルテをファイリングして、棚に保管していたという場合も、電子カルテを導入することで保管スペースが不要となります。
電子カルテはサーバー上に情報が蓄積されるため、物理的な保管スペースが不要なだけでなく、紙のように経年劣化や紛失の心配もありません。
また、電子化以前の紙カルテを電子化してくれるサービスもあるため、必要なものだけを紙で残し、残りを電子化することで、保管スペースを減らすことも可能となります。
情報共有が効率化される
紙のカルテの場合は、誰かがカルテを閲覧していると別の人がカルテを確認できませんでした。
電子カルテは、入力した情報、編集した情報がリアルタイムで更新され、複数人での閲覧にも対応しています。
ミスの防止につながる
手書きのカルテでは、記入する人によって字が読みにくかったり、読み間違えてしまうことから思わぬミスにつながるケースもあります。
電子カルテでは、統一されたフォントでカルテの内容を登録できるため、スタッフが医師からの指示を的確に把握することが可能となります。
ミスを未然に防いでスムーズな業務が実現できるのは大きなメリットです。
電子カルテのデメリット
導入には準備が必要
電子カルテの導入には、事前準備が必要となります。
自院で利用する薬剤名などを登録する作業などが発生するため、導入後すぐに運用を開始したいのであれば、ある程度の余裕を持って導入することをおすすめします。
また、利用するサービスによっては、操作性が複雑で、一部の人か使いこなせない、スタッフが慣れるまでに時間がかかるケースもあります。
そのため、電子カルテの導入においては、サポートが充実しているものを選ぶと良いでしょう。
システムトラブルが発生すると利用できない
例えば、災害が発生して停電した場合や、システムトラブルが発生した場合は電子カルテが利用できません。
電子カルテを導入する際は、災害時の対応や、紙カルテで対応できる仕組みを構築しておくことが重要です。
セキュリティリスクがある
インターネットを活用する以上、ウイルスやサイバー攻撃などに対するセキュリティ強化が必要となります。
もちろん外部からだけでなき、内部からの情報漏洩にも注意が必要です。
ログの管理やアクセスの制限ができるサービスを選ぶことでセキュリティの強化が可能となります。
また、ベンダー側にどのようなセキュリティ対策を行なっているか確認しておくと良いでしょう。
これまでの運用方法を変更しなければいけない場合がある
電子カルテの導入にあたっては、これまでの運用方法を変更し、統一しなければいけない場合があります。
医師によっては、紙のカルテに慣れているため、運用方法の変更に抵抗があったり、慣れるまでに時間がかかる場合もあるため、テンプレートを活用して記載内容を統一するなどして、すぐに慣れるように整備すると良いでしょう。
電子カルテは業務効率化に有効
電子カルテについて解説しました。
電子カルテは、紙のカルテに比べて業務効率化や情報共有の効率化、保管スペースの節約など、様々な導入メリットがあります。
紙カルテにも、コスト面などでメリットがありますが、電子化による利便性向上は非常に魅力的なため、この機会に導入を検討されてみてはいかがでしょうか。