ナレッジマネジメントとは?手法や導入目的、ツールも紹介!

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企業として成長していくためには個々のスキルや能力を高め、蓄積したナレッジを共有·提供していくことで高度な人事育成を実現していく必要があります。

そんな流れの中で注目されているのがナレッジマネジメントという手法です。

従業員が持つ知識や経験を共有することで個々の成長を促し、生産性の向上や競争力を高める経営手法で、効果的に用いることで短期間で高度な人材育成が実現できることから多くの企業で導入され始めています。

今回はナレッジマネジメントとはどのような手法なのか、導入する目的やツールについて紹介させていただきます。

ナレッジマネジメントとは

従来、業務を経て個人に蓄積された知識や経験というものは他人に共有されることはなく、部署内での業務報告によって形式的に伝えられることがあるくらいです。

ナレッジマネジメントとは、この個人が持っている暗黙知(ベテラン社員の知識やスキルなど)を企業内に蓄積して共有することができるようになる環境を作ることで企業としての技術力向上や生産性を向上させることができる経営手法です。

朝礼やミーティングでの情報収集も簡易的なナレッジマネジメントととして考えられており、システムを使った知識のデータ化といった手法も昨今では取り入れられています。

ナレッジマネジメントが注目されている背景

日本企業の特徴として、ベテランが蓄積してきた知識や経験は時間をかけて次世代に引き継いでいくという流れがありました。この伝統は日本企業の強みでもあり、デメリットも抱えているものでした。

企業のニーズが変化

高度経済成長時の日本企業は、新卒で採用した人材を入社時の新人教育から定年退職まで年功序列制度を用いて育成していました。しかし、このような終身雇用制度は事実上崩壊しており、暗黙知の自然継承だけでは社内全体でのナレッジ共有は難しく、企業の成長速度は十分なものとは言えなくなってしまいました。

社員に対して異動や転勤を用いることで新たな知識の獲得、組織の属人化を防ぐといった試みを導入する企業も増えましたが後に広がる働き方の多様化や選択肢が広がったことにより、このような傾向を敬遠したがる社員も増えるようになりました。

働き方の多様化

終身雇用制度の崩壊に伴い、企業は人材の整理や再編成に追われるようになり従業員側も転職など自由な働き方を選ぶようになりました。

人材の入れ替わりが早くなり、抜けた人材が保有していた知識や技術の継承が行わず、社内のナレッジ共有·蓄積の必要性が高まったことにより、ナレッジマネジメントが求められるようになったという背景もあります。

ナレッジマネジメントの手法

分析型

分析型のナレッジマネジメントは、組織内のナレッジを多角的に分析して経営戦略に活かす手法です。自社の事例分析だけでなく、競合他社の分析も行い分析結果からより経営に活用しやすい戦略の策定を行えるようにします。

分析型のナレッジマネジメントを行うことで、業務プロセスにおける改善点を把握できるようになり、企業としての事業を促進しやすくなるという特徴があります。

業務改善型

業務改善型のナレッジマネジメントは、顧客からの要望や意見、クレームへの対応方法を通して得た知見をデータベース化してルール設定や対応方法を定めておくことで適切な対応をとることができるようになり、総じて顧客満足度の向上を実現できるようになる手法です。

電話業務などでは、顧客への回答例や問い合わせ内容に対してベストな対応方法を共有できるようになり、上司に対して意見を求める際のボーダーラインも見極めやすくなります。

社員教育型

営業成績の優れた人材や、優れた技術を持っているエンジニアなどの優秀な人材の行動分析をすることでナレッジの共有を実現し、社内のスキルを向上させることが可能になります。

優秀な人材の暗黙知を形式知にすることができれば、効率的に人材育成を行うことができるようになり、短期間で戦力となる人材を育てるフローを作成して社内の生産性向上が実現できます。

専門知識型

専門知識型は、よくある質問や専門的な知識に対応する仕事内容をデータベース化して効率的に情報提供ができるようになる手法です。

ヘルプデスクやカスタマーサポートなどの顧客からの問い合わせが多い部署での業務負担を軽減して、問い合わせへの対応速度向上、高品質な対応へと役立てることができるようになります。

ナレッジマネジメントの目的

人材育成の効率化

ナレッジマネジメントを用いることで人材育成に蓄積したナレッジを活かすことが可能となります。

業務経験を通して蓄積されたノウハウや経験を、似たようなケースが発生した際に活かすことができるので効率的に人材の育成を行うことができます。

新たなナレッジの取得

ナレッジマネジメントを用いることで、本来その人しか知り得なかったナレッジを参照して活用することができるようになります。

ナレッジを活用することで新たなナレッジが生まれるようになり、さらに社内へ蓄積されていくことで企業としての成長を期待することができます。今では活用されなくなったナレッジも、データ化して蓄積することで思いもよらぬ活用へと生まれ変わることもあります。

業務改善

蓄積したナレッジを元に業務効率化を実現できても、その新たなナレッジが部署内や個人の範囲で収まってしまうケースもあります。

蓄積したナレッジを特定の部署だけでなく、社内で共有し、活用できるように体制を築くことができないのでは会社の成長にとって大きなロスとなってしまうので、ナレッジマネジメントを行い蓄積したナレッジを適切な部署で活用し業務の改善を行っていきます。

ナレッジマネジメントツールとは

ナレッジマネジメントを効率的に行うには、ナレッジマネジメントツールを使うと良いでしょう。ナレッジマネジメントツールとはエクセルやITシステムを活用したナレッジマネジメントソリューションです。

個人が蓄積していた知識や経験を社内全体で活用·共有できるようなるので人材育成を効率化することが可能となります。

ナレッジの共有がスムーズにできるようになるため、属人化していた業務をマニュアル化することが可能です。ベテラン社員でなくてはわからなかったブラックボックス化していた業務における課題もナレッジ共有ができることで対応できるようになります。

おすすめナレッジマネジメントツール3選

DocBase(ドックベース)

特徴

DocBaseは直感的に操作することが可能な情報共有ツールです。

テレワークのような在宅勤務でも利用することができ、アルバイトやフリーランスといった様々な雇用形態を採用している企業でも、アクセス権限の設定ができるので適切に情報共有ができるという特徴があります。

主な機能

  • 同時編集機能
  • 文書作成機能
  • 文書管理機能
  • チーム管理機能
  • 検索機能
月額料金900円〜
初期費用0円
無料トライアル30日間無料
最低利用人数1人〜

2020年10月現在/詳細は公式サイトを確認

月900円から使える?DocBase(ドックベース)の料金·評判·機能について

画像·データ出典:DocBase公式サイト

Qiita Team(キータチーム)

 

特徴

Qiita Teamはテンプレートを使用した日報の作成や議事録作成、メンバー会員への知識共有などが可能になる情報共有サービスです。

情報共有のためのドキュメントがマークダウン記法で作成することができるので、全体のレイアウトを気にしないでドキュメントを書くことができます。

主な機能

  • 文書作成機能
  • 文書共有機能
  • コメント機能
  • メンション通知機能
月額料金1,520円〜
初期費用0円
無料トライアル30日間無料
最低利用人数1人〜

2020年10月現在/詳細は公式サイトを確認

月1,520円から使える?Qiita Team(キータチーム)の料金·評判·機能について

画像·データ出典:Qiita Team公式サイト

Confluence(コンフルエンス)

特徴

Confluenceは企業向けWikiツールとして高い知名度があり、国内の有名企業でも多数導入されています。

簡単に記事の作成ができるだけでなく、作成した記事は階層構造で管理することができるのでページに関連性を持たせることができます。コメント機能も搭載されているので、作成した記事に対してさらにナレッジを付与することが可能です。

また、10ユーザーまでであれば無料で利用することができるFreeプランも提供されています。

主な機能

  • ドキュメント作成機能
  • ドキュメント検索機能
  • コメント機能
  • 通知機能
月額料金600円〜
初期費用0円
無料トライアルFreeプランあり
最低利用人数1人〜

2020年10月現在/詳細は公式サイトを確認

Confluence(コンフルエンス)の料金·評判·機能について。無料で利用できる?

画像·データ出典:Confluence公式サイト

ナレッジマネジメントツール導入のメリット

知識をスムーズに収集できる

ナレッジマネジメントツールを導入することで情報収集がスムーズになります。

知識収集が容易に行えるようになるので部門ごとはもちろん、部門を跨いでのナレッジの活用が実現可能です。

ベテラン社員が長い業務経験から編み出した営業で使える手法をナレッジマネジメントによって横断的に活用することで、ベテラン社員並のスキルを持った人材を大量に短期間で育成することが可能になるのです。

少子高齢化などで人材の確保が難しいと言われている昨今では、個々人のスキルアップを持って高い営業成果を期待していくことが望まれます。

人材育成の高速化が可能に

ベテラン社員が構築した営業で勝てるパターンなど実用的なナレッジが共有できるので、優秀な人材の知識や経験を短時間でコピーできるようになり、人材育成の高速化が実現できます。

優秀な人材のナレッジ蓄積ができるようになれば、仮にその社員が退職してしまったとしても同じ部署の全員がノウハウを把握しているので売り上げに影響することがありません。

ナレッジの提供ができる

ナレッジマネジメントツールを導入することで、個々人が持っている有益な知識を提供できるようになります。

組織内で収集した膨大なナレッジを管理するのは大変ですが、ナレッジマネジメントツールには蓄積された情報を属性などで分析して適切に整理する仕組みがあるのでナレッジの提供が容易になるというメリットがあります。

自動で情報を捌いてくれるので、蓄積された知識が必要なものなのか不必要なものなのかを見極める手間が省略されます。

ナレッジマネジメントツール導入の注意点

操作性の確認

ナレッジマネジメントツールは導入すれば特定の部署だけでなく、社内全体で使用することも多いツールです。

ですので、管理者だけでなく、PC操作が苦手な従業員などにも操作性を試してもらうことが重要です。無料トライアルなどを活用して無理なく操作できるか、管理画面は見やすいかなどを確認して従業員全員に浸透するシステムを選ぶようにしましょう。

従業員へ理解を浸透させる

新しいシステムを導入するということは覚えなければいけないことが増えるということです。従業員の中には、今までの後輩社員を直接指導してナレッジを伝えていく方法が染み付いており、新しいシステムを導入することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

ですので事前にシステムを導入することで得られるメリットをしっかり説明して、操作性に関してはトライアルを一緒に体験してもらうなどして理解を深めてもらうようにしましょう。

ナレッジ共有がしやすい環境をつくっておく

ナレッジ共有が必要な優秀な社員は多忙な場合が多く、自身が持つ知識や技術を共有する時間を割かなくてはいけないことに抵抗を感じる人も少なくはありません。しかし、優秀な人材のナレッジほど会社にとっては蓄積したいものです。

いつでもどこでも手軽にナレッジ共有ができるようにマルチデバイスに対応しているツールを選んだり、人事評価制度を見直して、ナレッジ共有がプラスになるような体制を整備することが重要です。

ナレッジ活用がメインにならないようにする

ナレッジ共有することでマニュアルを改善して効率的な業務を行うことができますが、マニュアルに頼りすぎてしまうと、自分で考える習慣が薄れてしまうというデメリットもあります。

ですので、ナレッジマネジメントツールによってマニュアルの効率化は進めつつも自力で考えて行動できるような人材を育成する方針も強化していくようにしましょう。

ナレッジマネジメントツール導入の失敗例

操作性が悪く社内に浸透しなかった

せっかくナレッジマネジメントツールを導入しても、操作方法が難しかったり、操作性が悪いと感じられてしまい社内で利用されなくなってしまったという失敗例もあります。

ナレッジマネジメントツール導入の際には、システム部門などが製品比較などを行い導入を検討する企業も多いと思いますが、ITリテラシーが高い従業員だけでなく、PC操作が苦手な従業員や、年配の従業員などにもトライアルを体験してもらい無理なく利用できるツールであるかを事前に検証するようにしましょう。

ナレッジ共有して欲しい人材の使用頻度が低い

ナレッジマネジメント導入の目的の1つとして、優秀な人材が持つ知識なナレッジを蓄積したいと考える企業も多いでしょう。

ですが、優秀な人材は忙しく、ツールを利用する頻度が低かったり、自分が築いた財産を他人と共有することを嫌がる人もいます。

ですので、忙しい人材がいつでも利用できるようにスマホやタブレットからもツールの利用が可能なマルチデバイス対応のナレッジマネジメントツールを導入しましょう。移動時間などを活用して利用してもらうことで時間がないという方にもツールを浸透させることができます。

他人とのナレッジ共有に抵抗感を抱かれている場合は、自社の人事評価制度を見直して、ナレッジ共有することが評価につながるような体制を構築するなどの工夫が必要です。

ツールを利用する文化が社内に浸透しなかった

ナレッジマネジメントツール導入直後は管理職や経営層も利用を促したり、従業員も目新しいツールへの興味から積極的に利用することも多かったものの、1年も経つとツールを利用している従業員は皆無といった状態になってしまったという企業もあります。

ナレッジマネジメントツールは継続して利用することに意味がありますが、実はそれを実現するのはなかなかに難しく、システムの利用を途中で断念してしまう企業は意外と多いようです。

このような事態を回避するためにも、各部署にナレッジマネジメントツール運用のメンバーを配置し、ツール利用に関する問題点や改善点を定期的にヒアリングして、全社員が継続して使いやすい環境を構築するようにしましょう。目標管理にツールの利用も組み込む方法も効果的です。

ナレッジマネジメントの活用で人材育成の効率化を

ナレッジマネジメントを経営手法に取り入れることで優秀な人材の育成を効率的に行うことができます。

昨今では、ナレッジマネジメントをシステム的に社内に取り入れることができるツールも多数登場しているので、自社が抱える課題や人材育成制度を見直した上で導入を検討してみると良いでしょう。

操作性や従業員への理解をしっかりと事前に確認して、必要であれば人事評価制度の見直しも検討することで、スムーズかつ継続的なツールの利用·導入が可能となります。

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執筆者  STRATE編集部