システムの導入時には、コストがいくら必要になるかどうかを重視する企業が多くあります。それはWAFにおいても同じことです。
WAFの種類や種類別のコスト、選び方について解説します。
WAFの種類
クラウド型
まずはクラウド型です。クラウド型はクラウド上でサービスを利用でき、専用の機器やソフトウェアなどを購入することがないため、最も簡単に導入ができる提供形態です。
ほとんどのWAFで実施することになる更新やメンテナンスはベンダー側で実施します。そのため、自社での負担が少なく済みます。
アプライアンス型
アプライアンス型は、WAF専用のハードウェアを通信経路上に配置します。別名ゲートウェイ型とも呼ばれています。現在あるサーバーに負荷を与えることなくWAFの導入が可能です。
ただ、初期設定・運用・保守を自社で行う必要があったり、価格が高価というデメリットがあります。
インストール型
自社にWebサーバーがあり、能力に余裕があるという場合にはインストール型がおすすめです。既存のWebサーバーにインストールするだけという手軽さ、価格も安価なので条件が揃っているとすぐ導入できます。
自社で初期設定・運用・保守を行う必要があるため、インストール型を検討している場合は設定や運用ができる社員が自社にいるかどうかをまず確認しましょう。
おすすめのWAFサービス
WAFの種類別料金〜導入時〜
クラウド型の初期費用
クラウド型のWAFを導入する場合、数万円〜数十万円が初期費用となることがほとんどです。通信帯域や通信量、WAFで保護するWebサイトの数などに応じてプランが設定されています。保護するWebサイトが多かったり、サービス環境のスペックを高くする必要がある場合は初期費用が高くなるようです。
アプライアンス型の初期費用
アプライアンス型の場合、WAFを導入する機器を購入する必要があるため、数百万円の初期費用が必要になってしまうことは珍しくありません。規模が大きかったり、採用する構成によっては1千万円超の初期費用になることもあります。
インストール型の初期費用
ソフトウェア型の場合は、インストールするWAFのライセンスと更新費用が必要となります。1ライセンス数十万円で購入でき、年間ライセンスを月額換算すると毎月数万円で導入可能です。
ただ、インストールするサーバーの数が増えると、その分ライセンスが必要となります。その分費用は必要になりますが、ボリュームディスカウントにより1ライセンスあたりの単価が下がることもあります。
WAFの種類別料金〜運用時〜
クラウド型のランニングコスト
クラウド型の場合、初期費用と同じくアクセス数・登録するWebサイトが多いほど毎月のサービス料金が高くなります。プランによっては月数万円~数百万円とかなり幅があることがわかります。
対象のWebサイトの数は1サイトから設定されていることがほとんどで、追加する場合はオプション料金を支払う必要があるサービスもあります。
アプライアンス型のランニングコスト
アプライアンス型のランニングコストは、メーカーからの継続的なサービス提供やハードウェアの保守などがあります。保護するWebサイトの数が多いほど単価は安くなり、たくさんのサイトの保護を考えている場合にはお得なタイプです。
インストール型のランニングコスト
インストール型は、ライセンスの更新料がランニングコストとなります。更新料の中には保守サービスも含まれており、継続的なサービスを受けることができます。初年度に支払うライセンス料金は少し高額に感じるかもしれませんが、次年度からは半額ほどになります。
WAFを比較する際の料金以外のポイント
防げる攻撃の種類
実際のインターネット上での攻撃には色々な種類があります。どんな攻撃にも対応できるよう、ハッキング・不正ログインなどといった主要な攻撃を防ぐことができるWAFにすることがおすすめです。攻撃に対応しているだけではなく、シグネチャの更新頻度、AIの検知精度も重要なチェックポイントです。
通信速度への影響
Webサイトへのアクセスが多いと応答速度に影響が出ます。これにWAFの通信分析を加えるとさらに速度が低下する原因となってしまいます。WAFが通信を遅くする原因にならないよう、ピークトラフィックに余裕があるスペックのWAFを用意しましょう。
クラウド型の場合、料金プランを変更するだけでピークトラフィックを変更できるものもあります。
運用工数
運用工数も重要なポイントです。何かトラブルがあった場合、解決までのステップがなるべく短いものを選びましょう。メールやチャットで対応方法を確認するのではなく、リモート操作で即対応できるようにすぐ解決に結びつく方法があるかどうかをチェックしましょう。
WAFの特徴と料金を比較し、ベストなWAFを選ぼう
WAFには様々な種類があり、料金や特徴も大きく異なります。自社のサービス内容やWebサイトの数によって、どのWAFが合うのかを比較しましょう。