従業員の心身の状態に気を配り、必要に応じて労働環境を整えることが生産性の向上を図る上で重要です。
ある程度の規模になると、産業医の選任を行うことになります。
選任する際の人数など、疑問に感じている方が多いのではないでしょうか？
今回は産業医の役割だけでなく、選任基準について解説していきます。
気になる方は一度参考にしてください。
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産業医とは
従業員が健康な状態で業務に従事できるようにするため、産業医を選任・設置します。
選任する際、産業医の役割や要件について押さえておきたいところ。
快適な労働環境を目指し、従業員の休職率・離職率を抑えましょう。
まずは産業医の役割と要件について取り上げます。
役割
産業医の役割は以下の通りです。
・健康診断と結果に基づく措置
・職場の巡視
・ストレスチェック制度に基づく従業員の面接・指導
・衛生委員会への参加
・治療と仕事を両立させるためのサポート
・従業員の健康に関する情報管理
産業医の選任を予定している方のために各役割について紹介するので、一度チェックしてください。
健康診断と結果に基づく措置
健康診断の結果をチェックし、従業員が業務に従事できるかどうかを把握するのが産業医の役割。
企業は産業医に労働環境を改善する必要があるかどうか意見を聞き、業務量などを見直すことになります。
職場の巡視
職場を巡視し、労働環境を把握するのも役割の1つに挙げられます。
産業医は従業員の健康を保つため、どのような作業や労働環境に問題があるかを指導。
従業員が体調を崩すのを防ぎます。
ストレスチェック制度に基づく従業員の面接・指導
ストレスチェック制度がメンタルヘルス対策の一次予防を促進する目的で義務付けられています。
ストレスが高い従業員に対し、産業医が面接・指導。
長時間労働を行っている従業員に対しても面接・指導を行います。
衛生委員会への参加
衛生委員会へ参加するのも産業医の役割。
医学的な立場から健康管理の体制や働き方などに対してアドバイスを行います。
企業は産業医に業務に関する状況や課題について把握させることが求められます。
また、産業医が衛生委員会で積極的に意見を出すことも働き方などを変えていく上で重要。
治療と仕事を両立させるためのサポート
治療しつつ、業務に従事する従業員がいます。
産業医は従業員と面談し、業務に従事できるかどうかの判断だけでなく、どのような点に配慮する必要があるかアドバイスするのも役割の1つ。
従業員の病院が悪化しないように配慮しましょう。
従業員の健康に関する情報管理
従業員の健康に関する情報管理を適切に行うのも産業医に求められます。
情報を開示する際、従業員の同意が必要。
産業医は人事や上司に従業員の健康について分かりやすく報告します。
産業医の要件
産業医は医師であることに加え、労働安全衛生規則第14条第2項の要件を満たす必要があります。
・労働衛生コンサルタント試験に合格し、尚且つ試験の区分が保健衛生である者
・厚生労働大臣の指定する者が行う研修を修了した者
・大学で労働衛生に関する科目を担当する教授・准教授・常勤講師またはそれらの経験者
・産業医の養成課程を設置している産業医科大学その他の大学が定めた実習を履修した者
厚生労働大臣の指定する者とは、日本医師会と産業医科大学です。
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産業医の設置義務
産業医の設置義務について知っておくのが大事。
ここでは、産業医が必要な条件や設置義務を怠った場合の罰則などについて触れていきます。
従業員50人以上の職場は必須
従業員が50人以上になると、産業医の設置義務が発生します。
企業の規模が大きくなった際は産業医の選任・設置を進めてください。
選任人数は規模によって異なる
産業医の選任人数は規模によって変わってきます。
必要な人数は以下の通り。
・50人未満：産業医の選任・設置する必要が無い
・50～3,000人：1人以上
・3,001人以上：2人以上
選任を怠った場合の罰則
産業医の選任を怠ると、50万円以下の罰金が科されることが労働安全衛生法第120条で定められています。
また、産業医が従業員の健康管理を行っていない場合も50万円以下の罰金が科されるので注意してください。
専属産業医の設置義務が発生するケース
特定の企業で産業医としての業務を行う専属産業医を選任・設置する必要がある企業も中には存在します。
ここでは、専属産業医の設置義務が発生するケースについて取り上げます。
従業員1,000人以上の職場
専属産業医の選任・設置する必要があるケースは企業で働く従業員が1,000人以上。
設置義務が発生してから14日以内に労働基準監督署に選任届を提出してください。
特定業務に該当する場合
有害物質などを取り扱う特定業務に該当する場合、専属産業医の選任・設置が義務付けられています。
産業医の設置義務が発生した際には速やかに届け出をしよう
従業員が50人以上になると、産業医の設置義務が発生します。
3,000人を超えた場合は2人以上の産業医を選任・設置する必要があるので注意してください。
産業医は従業員の健康管理を行う上で欠かせない存在。
従業員の心身の変化に対して敏感になり、適切なサポートが行えるかどうかが重要です。
