マーケティングリサーチの主な手法
マーケティングリサーチの調査手法はその目的に応じて「定量調査」と「定性調査」に分類されます。
定量調査は調査結果を割合などの数値で表示できる調査のことを指します。割合として表示するためにはサンプルが一定数必要となります。
一方で定性調査は数値としては測れないターゲットからの生の言葉や意見、状態、印象などのデータを収集する調査方法のことを指します。
定量調査
ネットリサーチ
ネットリサーチはマーケティングリサーチの中でも多く取り入れられている手法で、インターネットを用いてアンケートを実施します。
展示会やセミナーなどの会場で実施するアンケートに比べて会場費や交通費などのコストがかからないため、コストパフォーマンスに優れており、短時間で実施から回収までが実現できます。
デメリットとしては、機密情報を含んだ場合、情報流出のリスクがあることが挙げられます。
郵送調査
郵送調査は、ターゲットに対して郵送でアンケートを送付、回答・返送してもらう調査手法です。
地域団体や顧客データを保有している企業など、対象者の住所などを把握しているケースで活用されることが多い傾向にあります。
氏名と住所がわかっていれば手軽に実施できる点がメリットで、ネットを使用しないためPCやスマートフォンの操作が苦手な年配者の方でも回答しやすい点がメリットです。
デメリットとしては、個人情報の取得ができないとそもそも調査ができないことやサンプル数を大量に集めることが困難な場合がある点が挙げられます。
訪問調査
訪問調査は、文字通りターゲットの自宅や職場に訪問してアンケートを実施する手法になります。
実際に調査員が訪問してアンケートを実施するため、すぐに回収できる点や回答理由について深掘りすることができる点がメリットですが、人件費がかかりやすいため高額のコストが発生する点がデメリットに挙げられます。
会場調査
会場調査はCLTとも呼ばれ、調査会場で実施するアンケート手法になります。
会場調査を実施するメリットとしては、調査員がいる場所でアンケートを実施するため、情報流出のリスクが少ない点が挙げられます。
また、実際にテスト商品などを試してもらってからアンケートができる点もメリットです。
物理的な会場が必要となるため、アンケート調査以外のコストがかかることがデメリットとして挙げられます。
ホームユーステスト
ホームユーステストとは、ターゲットの自宅で商品やサービスを実際に試してもらって評価をしてもらう手法のことを指します。
ただし、食品や化粧品、サプリなど人体に影響がある商品を取り扱う場合、アレルギーや副作用に注意する必要があります。
定性調査
デプスインタビュー
デプスインタビューは、司会者と対象者の1対1でインタビューを行う調査手法となります。
1対1で調査を行うため、ターゲットにより深い調査を行うことができ、多人数がいると答えにくいような回答も聞き出せる点がメリットです。
しかし、1対1で行うので多くのサンプル数を集めたい場合には時間とコストがかかります。
グループインタビュー
司会者と複数の対象者(5名〜8名程度)を1部屋に集めて全員で話し合いを行う調査手法です。
デプスインタビューと比べ、複数人の意見を一度に収集できる点がメリットですが、複数人で行うが故に一人ひとりの意見を深掘りすることが難しい点はデメリットと言えます。
また、グループメンバーによっては萎縮してしまう人が現れ、意見があまり収集できない可能性もあります。