業務効率化が図れて、経営判断を助け、さらにマーケティングにも役立つ「POSレジ」をご存知でしょうか?
POSレジは経営向上を助けるだけでなく、顧客に対する満足度向上の実現が可能です。
本記事では、POSレジとは普通のレジと比較して何が違うのかを解説します。
POSレジを導入する7つのメリットやPOSレジの機能·使い方·活用例、そしてPOSレジを選ぶ際の4つのポイントも確認しましょう。
POSレジとは?普通のレジとの違い
index
POSレジとは「Points of Sales」の略で、日本語では「販売時点情報管理」を意味します。
つまりPOSレジとは、販売時点で顧客との間に生じた金銭やり取りの情報を記録·集計できるレジシステムです。
さらに、現在のPOSレジの大半は販売時点の情報の記録·集計だけでなく、オンライン上で収集したデータの分析や管理もできます。
要するに、POSシステムを搭載したPOSレジとは、売上分析機能や顧客管理機能·在庫管理機能を備えたレジです。
加えて、POSレジは各店舗の売り上げを一元管理でき、複数店舗でのデータを瞬時に統合できます。
普通のレジと比較したPOSレジの最大の違いとは、リアルタイムで販売日時や場所·商品·顧客のタイプを集計して分析·管理できる点です。
普通のレジは会計に必要な機能のみを搭載しているので、売上分析機能が付帯していません。
また普通のレジでは、オンライン上での売上げデータの確認が不可能です。
すなわちPOSレジは、店舗の経営を向上させるために役立つマーケティングに欠かせない機能を搭載したレジと言えるでしょう。
POSレジについてはこちらの記事も参考にしてください。
POSレジを使うメリット
POSレジには、主に次の7つのメリットがあります。
- 誤入力の防止
- 不正の防止
- 業務効率の向上
- 顧客の満足度向上
- 多店舗の一元管理
- 仕入れ作業の容易化
- 自社に合ったPOSレジの導入
ここでは、各メリットについて確認しましょう。
誤入力の防止
POSレジには商品ごとにボタンがあり、会計時の入力が要りません。
手入力しないため、誤入力の防止ができるでしょう。
キャンペーンやセール時には管理者が金額をあらかじめ変更できます。従って、すべての従業員に情報共有が行き届いていない場合にも誤入力の心配がないというメリットがあります。
不正の防止
POSレジではレジの使用ログが残り、会計作業の担当者が分かります。
そのためレジ担当者が分かるPOSレジでは、不正の防止が可能です。
業務効率の向上
普通のレジよりも簡単に入力できるPOSレジを利用すると、業務効率が向上します。
しかもPOSレジでは、会計時の手入力作業も最低限に抑えることが可能です。商品のデータをPOSレジで管理しているので、通常のレジと比較して短時間で会計ができ、顧客の待ち時間の軽減を図ります。
さらに、レジ締め作業の効率化も実現可能です。
業務効率が向上すると、店舗側は人件費の節約ができます。スムーズな会計処理によりスタッフの人数を減らせる上に、混雑する時間帯や曜日の把握により、無駄のないシフト構成ができるからです。
POSレジの活用で従業員にとっても労働のストレスが軽減できるので、関係者すべてへのメリットが大きいでしょう。
無人のPOSレジを導入すると、顧客自身が会計を行えるため、さらにレジ担当者の人数を削減できます。
顧客の満足度向上
時間帯や各曜日の混み具合に合わせた従業員の配置や、顧客の待ち時間を軽減した会計が可能となるPOSレジの導入は、顧客対応をスピーディーにする鍵です。
加えて会計時の入力ミスの減少や在庫切れの防止なども叶え、顧客の満足度が高まるでしょう。
さらに事前に顧客情報をスタッフ間で共有できるため、新たなスタッフであっても質の高い接客ができ、より一層の顧客の満足度の向上を図れます。しかもPOSレジの利用によって、クレジットカードでの決済やポイントサービスなどにも対応可能です。
また飲食店などではPOSレジのオーダーエントリーシステムを利用すると、顧客からの注文を即スタッフ間で共有できます。
そのため、商品の提供までの時間が短縮できて、さらに顧客からの満足度は高まります。
多店舗の一元管理
POSレジでは、売上のデータを複数店舗間で常時共有でき、店舗ごとにデータをまとめる必要がありません。
そのため、POSレジを利用すると、多店舗経営であっても売上の管理が行いやすいというメリットがあります。
仕入れ作業の容易化
POSレジの導入によって、売上傾向が時間帯や販売数量などの情報と共に、リアルタイムで把握可能です。
よって分析したデータを基に、仕入れ数の決定や商品の開発ができ、今後に対する経営判断が行いやすくなります。
たとえば売れ筋の商品の在庫切れを防ぎ、売れない商品の在庫処分の決定が可能です。また昨年の同時期と比較することで、今年度の仕入れを決定できます。
顧客層を分析すると、店舗の内装や価格構成の決定にも役立つでしょう。実際の販売データを元に経営判断ができるので、経営に関する失敗を極力防げます。
自社に合ったPOSレジの導入
POSレジにはタブレット型やターミナル型·ハンディターミナル型など色々な種類があるので、自社に合ったPOSレジを選ぶことができます。
自社の導入目的や経営規模·店舗の規模·求める用途などに合わせて、必要なPOSレジを選ぶことで、より効率的に店舗運営を行うことができます。
小売業やサービス業·飲食業·医療や福祉·商業施設など業種に応じて、必要な機能を搭載したPOSレジもあります。
こちらの記事でもPOSレジのメリットについて紹介しています。
POSレジではどんなことができるか、POSレジの機能を紹介
普通のレジと比較して、POSレジは経営の向上に役立つ以下のような7つの機能を備えています。
- 商品管理
- 在庫管理の自動化
- バーコード管理
- 複数店舗の一元管理
- データ収集
- 基幹システムとの連携
- 経営分析
ここでは、POSレジのそれぞれの機能を確認しましょう。
商品管理
POSレジでは、各商品を1点ずつ登録可能です。
そして、商品の原価やメーカー等の商品情報や売上傾向·在庫数などの管理ができます。
1点ずつ管理をすることで売れ筋や売れない商品が判別できるので、仕入れに役立つでしょう。
在庫管理の自動化
各商品に応じて登録した在庫数は、売れると自動的に更新されます。
従って常時最新の在庫情報を確認できるため、「在庫がないのに注文を受けてしまう」などの事態を防止できるでしょう。
加えて、在庫管理や発注業務の時間を短縮できます。
バーコード管理
バーコードの読み取りにより、各商品の情報をすぐに読み取ります。
また手入力が少なくなるため、売上金額の入力ミスの防止が可能です。従って、円滑な会計処理ができ、会計時のミスを軽減できるでしょう。
複数店舗の一元管理
POSレジを利用すると、複数店舗の売上状況を店舗別に、リアルタイムで一元管理できます。
店舗に不在時であっても在庫数の把握ができるので、店舗間の在庫調整がしやすくなるでしょう。
データ収集
商品が売れた時点で、販売日時·場所·該当商品·顧客層の情報をリアルタイムに収集できます。
よって、常に売上の傾向が確認できるでしょう。
基幹システムとの連携
基幹システムとPOSレジの連携により、各店舗からの売上報告を待つ必要がなく、常に本部で売上データが確認できます。
売上情報·顧客情報·在庫数などを店舗と本部で共有できるため、経営管理が容易になるでしょう。
経営分析
各商品の売上管理や共に購入されがちな商品·人気メニューなどをリアルタイムで把握可能です。
さらに、曜日や時間帯ごとの売上傾向や顧客層·客数などもデータ化できます。
POSレジのデータ収集機能は、多角的な視点からの経営戦略を考える上で役立つでしょう。
POSレジの使い方/活用例
POSレジを導入する際は「POSレジベンダー」に依頼をします。
業種に応じて必要なPOSレジやセットで導入する機器は異なります。
飲食店の場合
飲食店ではキッチンで顧客からの注文を印刷するキッチンプリンターと共に、POSレジを導入する店舗が多いです。
または注文を取るためのハンディと共にPOSレジを導入する飲食店もあります。
アパレル店舗の場合
アパレルの小売店では、リアルタイムの売上管理により商品の流行が分かるので、柔軟な発注が可能です。
複数店舗の在庫状況もできるため、顧客の希望のサイズの取り寄せの可否を伝えることもできるでしょう。
美容室の場合
顧客が常連客で構成されやすい美容室では、POSレジの顧客管理機能が役立ちます。
POSレジの顧客管理機能の利用によって、美容室は顧客が髪をカットする頻度やコースから好みの把握が可能です。
またタブレット型のPOSレジを利用してヘアカタログを見せることで、施術前に仕上がりのイメージを共有でき、顧客の満足度を高められるでしょう。
病院の場合
同じくPOSレジの顧客管理機能の活用で、病院でも患者の年齢·病歴·体調·体質などのデータを管理できます。
さらに診察時のカウンセリングシートもタブレット型POSレジで作成すると、事務スタッフの作業が軽減でき、人件費を削減できるでしょう。
POSレジ(システム)を選ぶ際のポイント
POSレジを選択する際に大切なポイントは、「何を重視するか?」です。
たとえば「コストと機能、または使いやすさを優先するか?」などを考えましょう。
POSレジを選ぶ際には、具体的には主に次の4点を意識すると良いでしょう。
- POSレジを導入する目的
- 現時点の必要性と拡張性
- 簡単な使い方の機種
- 日々の運用
ここでは、POSレジの導入時に意識すべき4つのポイントを確認しましょう。
そして紹介するポイントを参考に、自社が重視するポイントを決めてください。
POSレジを導入する目的
業種や規模次第で、必要なPOSレジの機能は異なります。
初期費用も運用費用も高くなる多機能なPOSレジは、必ずしも必要ありません。
よってPOSレジを導入する目的を明確にして、自社に合ったPOSレジを選びましょう。
選択するPOSレジの機種に応じて導入にかかる時間が違うので、スケジュールに支障が生じないよう、気を付けてください。
現時点の必要性と拡張性
自社の規模や今後の展開についても、POSレジを選ぶ上で考慮しましょう。
たとえば地域密着で事業を展開する場合と、全国展開では必要となるPOSレジは変わります。
また店舗数を増やす予定があれば、柔軟性があったり拡張性のあるPOSレジを選ぶと良いでしょう。
簡単な使い方の機種
実際に操作するスタッフが使いやすいことも、POSレジを選ぶ上で大切です。
特定の業種に特化したタッチパネル式のPOSレジも登場していますので、様々なPOSレジの機種の確認をおすすめします。
クレジットカード決済やクラウド会計ソフトとの連携など、自社の必要とする機能も操作しやすいPOSレジの方が良いでしょう。
日々の運用
POSレジの導入には、自社のPOSシステムを運用できるスタッフの有無も考慮しなければいけません。
またリース契約かレンタル·購入により、保守についても異なります。
おすすめPOSレジシステムの比較
Airレジ(エアレジ)
特徴
0円から導入できるPOSレジサービスとして人気なのがエアレジです。
簡単な操作性なので従業員の方もすぐに使いこなすことができます。
グループサービスであるAirペイと一緒に活用することでキャッシュレス決済を導入することも可能です。
主な機能
- 会計機能
- キャッシュレス対応(別途サービス契約)
- 商品登録機能
- 複数税率に対応
- 商品リストのCSV登録
- 分析機能
- 顧客情報管理
- 席管理
料金
- 初期費用0円
- 月額費用0円
- iPadや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:Airレジ公式サイト
スマレジ
特徴
クラウド型のPOSレジサービスのスマレジ。
0円で始めることができるコスパの良さと直感的に操作することができる操作性が好評です。サポート体制にも定評があり、365日問い合わせることができます。
主な機能
- レジ機能
- 売り上げ分析
- 顧客管理
- 複数店舗管理
- 本部管理
- 予算管理
料金
- 初期費用0円
- 月額費用0円〜
- iPadや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:スマレジ公式サイト
ユビレジ
特徴
使いやすさに定評があるタブレットPOSレジサービスのユビレジ。
ユビレジシリーズの製品との連携でオーダーシステムの利用などさらに効率的に活用することが可能です。複数店舗を運営しているという方でも売り上げ共有機能があるので活用できます。
主な機能
- レジ機能
- キャッシュレス決済対応
- 売り上げ管理
- 顧客管理
- 複数店舗管理
- 在庫管理機能
料金
- 月額6,900円〜
- iPadや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:ユビレジ公式サイト
SQUARE(スクエア)
特徴
モバイル決済サービスとして有名なSQUAREはPOSレジシステムとして活用することも可能です。
レジ機能以外に、勤怠管理機能などが利用できるので、店舗運営の幅広い業務を効率化することができます。
主な機能
- キャッシュレス決済対応
- 商品登録機能
- 在庫管理機能
- 売り上げレポート機能
- 顧客管理機能
- スタッフ管理機能
料金
- POSレジ利用料0円
- 決済端末代7,980円
- タブレットや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:SQUARE公式サイト
POS+(ポスタス)
特徴
ポスタスは様々な機能が利用できるPOSシステムです。
複数の店舗データを一括で管理することができるので多店舗経営をしている方でも活用できます。
多言語対応していることも特徴的で、外国人のスタッフがいるという場合でも安心して利用することが可能です。主な機能
- 会計機能
- 伝票機能
- 注文機能
- テーブル管理
- 顧客管理機能
- 分析機能
料金
- 月額料金6,000円〜
- POS利用料月額12,000円〜
- 初期費用(周辺機器代金含む)450,000円〜
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:ポスタス公式サイト
NECモバイルPOS
特徴
多店舗飲食業に特化したNECモバイルPOSはiPadに対応したPOSシステムです。
環境変化の影響を受けやすい飲食業界でも常に入れ替えなしで使い続けることができる設計がユーザーから高評価を受けています。
主な機能
- 差分商品マスターアップロード機能
- 外部サービスとの標準連携機能
- 商品設定機能
料金
- 料金詳細は要問い合わせ
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:NECモバイルPOS公式サイト
でん票くん
特徴
飲食店専用のPOSレジサービスとして、iPadやAndroidに対応しているでん票くん。
手書きの伝票と比べて、入力ミスが激減し、文字を書く時間も省略できるので業務効率化が可能です。
専用のアプリをインストールすることなく、ブラウザで利用できる手軽さもユーザーから高評価を得ています。
主な機能
- 注文受付機能
- 売り上げ集計機能
- 配膳管理機能
- 日報、情報共有機能
料金
- 初期費用10,000円
- 月額1,000円〜
- タブレットや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:でん票くん公式サイト
Orange POS
特徴
Orange Tabletシリーズの中でPOSレジとしてリリースされているのがOrange POSです。
iPadを利用してPOSレジが導入できる手軽さと小売業、サービス業、飲食店など幅広い業界で導入されている実績があります。
安定して操作が可能なシステムと万が一のトラブルにも即座に対応してくれるサポートセンターがユーザーから好評です。
主な機能
- レジ機能
- 多店舗対応
- ポイント利用
- プロモーション機能
- カメラによるバーコード読み取り
料金
- 月額9,800円〜
- タブレットや周辺機器の購入が必要
2021年2月現在/詳細は公式サイトを確認
画像·データ出典:Orange POS公式サイト
自社にマッチしたPOSレジを導入しよう
本記事では、POSレジを導入する7つのメリットや機能·使い方·活用例·選ぶ際の4つのポイント·各POSレジのサービス比較をご紹介しました。
本記事を読んで、普通のレジとは異なる「POSレジとは?」をご理解いただけたでしょうか?
POSレジはマーケティングにも役立ち、業務効率化や顧客の満足度·経営業績の向上にも効果があります。
本記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ自社に合ったPOSレジをお選びください。