給与前払いサービスは、従業員のニーズが高く、あらゆる企業で導入されており支持を集めています。
しかし、デメリットも存在するため、導入を検討している企業の方は十分に注意するべきです。
今回は、そのデメリットや失敗例について解説しますので、導入を検討する際の参考になさってください。
給与前払いのデメリットとは?
手間・費用が発生する
給与前払い制度を導入する場合、以下の負担が発生することをしっかりと把握しておきましょう。
- 就業規則を見直さなくていけない
- 勤怠情報をしっかりと整理し、前払いできる給与を計算しなくてはならない
- 従業員の勤怠データをしっかりと管理しなくてはならない
給与の前払いは、素早い対応が求められますが、利用者の数が増えるに従って、企業の負担や人件費も比例します。
そういった際は、給与前払いサービスを導入し、業務の効率化を図るべきです。
導入に時間がかかる
給与前払いサービスの導入に際しては、準備に少々時間がかかる場合もあります。
例えば、サービスと提携している銀行の新規口座を開設する必要に迫られ、思った以上に時間を取られてしまうことも考えられるでしょう。
スムーズな導入を望む際は、給与前払いサービスがどこの金融機関と提携しているのか、もしくは新規口座開設の必要があるのか、十分にチェックしてから契約に踏み切るべきです。
従業員負担の手数料が高い
給与前払いサービスを導入したにも関わらず、従業員負担となる手数料が思った以上に高額で利用してもらえない、といった例も少なくありません。
初期費用・月額費用などのコストはなるべく削減したいと考えるのは企業として当然ではありますが、その分従業員に負担を背負わせてしまっては、元も子もありません。
本来、給与前払いは、従業員にとって魅力的なシステムであるべきですので、企業の負担を抑えると同時に、従業員の負担に関しても、事前にしっかりと配慮しておきましょう。
法律に抵触する危険性
給与前払いサービスを利用する場合、法律に抵触していないかしっかりと確認しておく必要があります。
従業員への前払い給与をサービス提供企業が立替える「立替型」の場合、サービスの内容によっては貸金業者としての登録が必要とされますが、貸金業法に違反しているサービスを利用してしまった場合、導入した企業も罰則を受け危険性があります。
このようなトラブルが生じないよう、顧問税理士・顧問弁護士などの助言を聞き、それに従い、サービスの利用を検討することをおすすめします。
サポート業務に負担がかかる
給与前払いサービスを導入したことで、従業員の満足度は向上したが、サポートを担当する部署の業務負担が増加してしまったという事例も、前払いを運用する上でよくあるデメリットです。
そのため運用が継続できず、頓挫してしまうことも珍しくありません。
給与前払いサービスを導入したとしても、利用者や前払い額を管理する「従業員データ」「勤怠データ」は必ず必要です。
日払いに対応している企業の場合、1日単位で勤怠データを更新しなくてはならないため、その作業に追われてしまっては、効率的ではありません。
給与前払いサービスの中には、データ管理や更新をシステム内で行ってくれるものも存在します。
企業に給与前払いを導入する際には、しっかりと運用方法をシミュレーションし、負荷過多にならないよう、配慮することが重要と言えます。
給与前払いを企業に取り入れ、有効に活用するためのポイントは?
企業の状況を踏まえ、最適な給与前払いサービスを選ぶ
給与前払いサービスには従業員にかかる手数料と、企業側にかかる運用費用が発生します。
サービスには大まかに、企業負担が少ない「システム提供型(サービスの提供元が前払いする給与を立て替えるシステム)」と、従業員負担が少ない「アウトソーシング型(企業が準備金をあらかじめ用意し、前払いの際はそこから引き出すシステム)」の2パターンに分かれますので、企業の現状を踏まえた上で、最適と思われるサービスを導入すると良いでしょう。
提携している銀行が多いサービスを選ぶ
従業員によって、所有している銀行口座がまちまちである場合、提携している銀行が少ないサービスを導入してしまうと、煩雑さを極めます。
なるべく多くの銀行と提携しているサービスを選び、従業員の使いやすさにも配慮すると良いでしょう。
勤怠システムと連携しているサービスを選ぶ
給与前払いサービスを導入する目的として、企業側の負担を減らすことは重要な要素です。
従って、勤怠システム・給与システムなど、すでに既存利用しているサービスと連携を図れるサービスを導入すれば、業務効率化が大いに推進されることでしょう。
特に前払いのデータを給与計算に反映させることができれば、非常に便利なはずです。
まとめ
以上、給与前払いのデメリットを失敗例を交えて解説いたしました。
給与前払いサービスを利用するなど、有効に活用するためのポイントを踏まえて、ぜひ有効な運用を実現してください。