企業間の取引においては、取引の開始時や更新時など、幅広いシーンで契約業務が発生します。
この、企業間で交わされた契約内容を管理する業務について、どのような業務があるのか、その重要性について把握していないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、契約管理業務について、内容やポイントを解説しますので参考にしてください。
契約管理業務とは?
契約管理業務とは、企業間取引における契約内容や、契約に関する書類などの管理を行うことを指します。
契約管理業務は、契約締結時に定めた契約期限や更新のタイミング、取引事項などを管理し、更新漏れを防いだり、契約内容を正しく遂行するために必要な業務です。
企業の情報漏洩や、セキュリティリスクが問題視されるようになった昨今、契約管理を適正に行うことは、企業としての社会的信用に関わるため、非常に重要な業務といえます。
契約管理業務は、代表的な手法として、紙媒体による管理や、Excel・スプレッドシートなどのソフトを用いた管理が行われています。
しかし、これらの管理方法は、内部・外部からの情報流出のリスクや管理効率の問題があることから、昨今では契約管理に特化した業務効率化ツールも登場しており、導入する企業も増えている状況です。
契約管理業務を行う重要性
契約管理業務を行う重要性は、主にリスクマネジメントと業務効率化にあります。
契約管理業務が適切に行われていない場合、非効率な業務を続けるだけでなく、最悪の場合、企業としての社会的信用を失ってしまうことになります。
リスクマネジメント
契約管理における最大の重要性は、リスクマネジメントといえます。
契約内容や規定、契約期限などについて、社内でしっかりと情報共有ができておらず、一部の人物しか契約内容が把握できていない状態や、契約書の管理が不十分なことによる破損や盗難などのリスク、第三者への情報漏洩が契約管理にはつきものです。
契約管理業務を適切に行うことで、契約書管理に関する様々なリスクを未然に防いで、健全な取引を実現、社会的な信用性も高めることができます。
契約管理システムなどを導入すれば、契約期間の管理も効率化でき、期限超過による契約更新忘れを防いで機会損失を避けることも可能となります。
業務効率化
契約管理は、業務効率化という意味でも重要です。
契約方式や契約書のフォーマットなどは企業ごとに異なります。さらに、部署によって紙で契約していたり、PDFで契約していたりと、管理が煩雑化するケースもあるため、契約管理業務を行い、社内の契約状況を管理、視覚化して業務効率化する必要があるのです。
それぞれの契約状況をまとめ、契約日や契約期限、更新日などをわかりやすくすることで、契約管理業務を適正化することができます。
契約管理業務を行う際のポイント
担当者を決める
契約管理業務を行う際は、まず管理担当者を決めます。
契約管理業務を行う専任チームを発足し、複数人で契約書を管理します。
社内での契約書の取り扱いや目的を定め、契約管理を行うゴールを設定、社内からのフィードバックも受けつつ、管理業務を定期的に見直し改善することも重要です。
管理台帳を作成する
契約書管理のためのチームを編成した後は、管理台帳を作成します。
管理台帳には、契約内容や契約書の保管場所などのデータをまとめておき、誰が見ても管理状況がわかるようにしておきましょう。
多くの企業では、Excelやスプレッドシートを活用して管理台帳を作成していますが、より効率的かつセキュリティを意識するのであれば、契約管理システムを利用するのもおすすめです。
台帳へ契約書情報を登録
管理台帳の作成後、社内に現存する契約書を棚卸しして、台帳に登録していきます。
契約書の量が多い場合は、最低限の管理がしやすいように、契約書の種類や番号などの情報から優先して登録していくと良いでしょう。
また、管理台帳に登録した後は、必要な時に契約書をすぐ検索できるように、分類指定を決めておきます。
この分類指定を適切に行なっていないと、いざ契約書が必要になった際に、見つけるまで時間がかかってしまい、業務効率化にはつながりません。
分類指定の方法は企業ごとに異なるため、自社で管理しやすいように保管すると良いでしょう。
契約書を電子化する
契約書の管理基盤が完成した後は、紙の契約書を電子化します。
契約書のスキャンを行う際は、取り込むサイズやカラー、解像度など社内で統一されたルールの上電子化することが重要です。
契約書を電子化しておけば、手軽に検索ができるだけでなく、電子帳簿保存法の要件を満たした形式で保管しておけば、法的根拠も証明されます。
契約管理業務の意義を理解して業務効率化に取り組もう
契約管理業務について、内容や重要性、取り組む際のポイントなどを解説しました。
契約管理業務は、企業としての信用性にも関わることなので、自社で正しく管理ができているか、一度見直してみてはいかがでしょうか。