ブレイクスルーとは?ビジネス用語としての意味や使い方を簡単に解説

更新日:

ブレイクスルーとは「現状打破」というように、厳しい状況を乗り超えるというイメージから、アスリートの成長を表す言葉として使われることがあります。

また、昨今ではコロナウイルス感染症における、「ブレイクスルー感染」として耳にすることも多くなっています。

しかし、ブレイクスルーという言葉は、ビジネスシーンにおいても使われる言葉です。
本記事ではビジネス用語としての、ブレイクスルーの意味や使い方を解説いたします。

英語由来のビジネス用語「ブレイクスルー」の意味と使い方

ブレイクスルーとは英語の「breakthrough」に由来します。
これは2つの英単語、「break(破壊する)」と「through(通り抜ける)」を合わせた言葉です。

辞書には「困難や障害を突破すること」「突破口」という意味が記載されています。
ビジネスにおいては、「停滞から抜け出す」「突破口を見出し前進する」といった意味で使われます。

ブレイクスルーの使い方

ブレイクスルーという言葉は、どのようなシーンで使われるのでしょうか。

例文を紹介します。

「思いがけないことが、ブレイクスルーのきっかけになるものだ」
「リスクを恐れていては、ブレイクスルーは起こせない」
「この研究が大きく発展したのは、あのときのブレイクスルーがあったからだ」

物事の前進や進歩を阻害する要因を、打ち破る際の出来事を指すことが、ブレイクスルーであるといえます。

ブレイクスルーが使われる用語

ブレイクスルーには関連用語がいくつかあります。

ブレイクスルー思考

目の前に困難が立ちはだかったときに、その困難を価値がある試練として受け止め、成長につなげるような思考のことです。

技術的ブレイクスルー

技術の革新や飛躍的進歩を示す用語として使われるのが、技術的ブレイクスルーです。現在ではIT分野でよく使われる言葉となっています。

ブレイクスルーポイント

ブレイクスルーが起きた出来事や、その時点を指す言葉です。
物事が大きく進化、現状が大きく変化した、ターニングポイントという意味で使われます

ブレイクスルーの種類とは?

ブレイクスルーの種類は4つあるとされ、「タイプ0」から「タイプ3」まで、各段階に分類されています。

タイプ0

タイプ0はブレイクスルーに該当するのか、意見が分かれるところです。

既存の技術を改善・改良して前進・進歩するもので、困難や壁を打ち破るというニュアンスがないため、ブレイクスルーに該当するのかという点が議論の対象になっています。

ブレイクスルーに至っていないという意味を込めての「タイプ0」ともいえるでしょう。

タイプ1

タイプ1は、既存の技術や研究を極限まで追究することで「不可能」と思われていた領域を突破するブレイクスルーです。

実例として有名なものに、青色LEDの発明が挙げられます。

青色LEDの開発は技術的に不可能と思われていましたが、粘り強い研究によりブレイクスルーを起こし、開発が実現したのです。

タイプ2

タイプ2は、既存の技術や研究の価値を見直すことで、新しい価値を生み出そうとすることです。
現状の延長線としての改善・改良ではなく、価値そのものをゼロベースで見直し、新たな方向性を探るという考え方です。

タイプ3

タイプ3は、タイプ1とタイプ2を同時に行うものです。
技術や研究を極限まで掘り下げながら、同時に新しい視点で価値を探求していきます。

基礎的な研究を深彫しながら、新しいチャレンジも同時に行うというような状態をイメージすれば、分かりやすいのではないでしょうか。

ブレイクスルーとイノベーションの違いについて

ブレイクスルーと似た概念で使われる言葉に、イノベーションというものがあります。
混同して使われることが多い言葉ですが、どのように違うのかを見ていきましょう。

イノベーションとは

イノベーションは「革新」「刷新」などを意味する言葉ですが、ビジネスシーンでは少し違ったニュアンスで用いられます。
「新機軸」「新しい切り口」「新しい考え方」といったところでしょうか。

技術革新と同義と捉える風潮もありますが、本来はもう少し深い部分にまで踏み込んだニュアンスをもっています。

「既存の技術を新しい捉え方で進化させ、新たな価値を生み出し、世の中に大きな変化をもたらすこと」を指すのがイノベーションという言葉です。

ブレイクスルーとイノベーションの違い

ブレイクスルーとイノベーションは、現状を劇的に変化させるという意味で混同して使われがちです。

イノベーションは、新しい価値を生み出し社会に変化をもたらすことを指します。困難や障害を打ち破るという意味に限定されません。

この点がブレイクスルーとの違いです。

ブレイクスルーはイノベーションにおける、ひとつの形態であるといえるでしょう。

企業におけるブレイクスルーの活用例

企業におけるブレイクスルーの活用事例を見ていきます。

コクヨ

大手文具メーカーであるコクヨは、日本製品の不買運動による危機を、ブレイクスルーにより突破します。
日中関係の悪化から、中国国内において日本製品の不買運動が活発化し、中国に進出している日本企業は危機に見舞われました。

そうしたなかコクヨは、自社の模倣品を販売しているメーカーの製品の製造を請負うというブレイクスルーを思いつきます。

その結果、中国国内で日本製品が売れないなか、コクヨ製品だけが順調な売れ行きを見せ、中国事業を守ることに成功しています。

ベネトン

アパレルメーカーであるベネトンが開発した「後染め」という技術は、ブレイクスルーの事例としてよく語られます。

従来のアパレルメーカーでは、流行の予測からトレンドとなるであろう生地の色を決め、大量生産していました。
この方法では、頻繁に変わる流行に柔軟に対応することが難しく、チャンスロスの原因となっていました。

この現状を打ち破る方法として、ベネトンは先に無地の生地を大量に生産し、流行に合わせプリントする「後染め」の技術を開発します。

後染めの手法によって、変化する流行にフレキシブルに対応できるようになり、世界的なアパレルメーカーへ成長するきっかけとなりました。

ソニー

ソニーの「ウォークマン」も、ブレイクスルーにより誕生した商品であるといえます。

「ウォークマン」の誕生以前は、音楽は自宅でラジカセやステレオで聴くものでした。

既存のラジカセやステレオを「より便利なものにできないか」と突き詰めて考えた結果の答えが、「小さくする」というものでした。

社内では反対意見が多数派を占めます。それでも反対意見を押切り販売に踏み切ります。
結果として大ヒット商品となり、「音楽をもち運ぶ」という文化を作りあげました。

まとめ

企業が飛躍的な発展をとげるのは、ブレイクスルーがきっかけになります。
大ヒット商品や新しい発明は、既存の考えを追究したり、新たな視点を加えたりすることで生まれます。

成長や発展を邪魔するのは、固定観念や先入観です。
既存の考えにとらわれ過ぎず、柔軟な発想をもつことが、ブレイクスルーを起こす秘訣なのではないでしょうか。

      その他の関連する記事

        広告

        リード情報をお求めの企業様へ
        STRATE[ストラテ]に貴社サービスを掲載しませんか?

        まずは無料で掲載