ポートフォリオとは?業界別の意味と使い方

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ポートフォリオは転職時にデザイナーやフォトグラファー、イラストレーターといったクリエイティブな職種において実績をアピールするために用いることが多いものですが、他の業界でも異なる意味合いで広く使われています。

そこでポートフォリオとはどんなものなのか語源や由来から各業界における正確な意味を知り、特に転職時にはその作り方やポイントも押さえておきましょう。

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは仕事などの実績をまとめたいわゆる「作品集」のことです。

その語源はイタリア語「札入れの財布」を指すPortafoglio(ポルタフォリオ)に由来し、英語では書類を運ぶための「紙ばさみ」「折りかばん」「書類入れ」といったものを指すことから、転じて書類をひとまとめにするという意味を持ちます。またまとめられた書類は糸などで綴じてしまうのではなく、部分的に差し替えることを前提としているのも特徴です。
このためポートフォリオはひとつの完成品というよりもシチュエーションに応じて内容を差し替えていくという意味合いが根本にあります。

したがってポートフォリオは仕事などの実績を伝える場合、アレンジやアップデートが可能な「自己紹介資料」ということができます。

投資、転職時、教育用語としての意味と使い方

ポートフォリオは現代では株をはじめとした金融商品への投資や、転職、教育の領域でそれぞれのニュアンスで慣用的に用いられる単語です。

投資におけるポートフォリオ

株をはじめとした金融商品への投資の際に用いられるポートフォリオは、保有する資産の一覧やその内容を指します。これには株のほかにも現金や預金、債券、不動産なども含まれますが、それぞれの配分が偏っていると大きな市場変動によって資産を失ってしまう恐れがあります。このためさまざま資産を分散させることでリスクヘッジを図り、さらにそれを組み合わせなければなりません。つまり投資におけるポートフォリオは保有する資産に対しどのようにリスクに備えているのかはもちろん、どれだけ保有しているかも明確にするものです。

また、ローリスク・ローリターンを実現する最適な組み合わせを探る研究は「ポートフォリオ理論」とも呼ばれます。

転職時のポートフォリオ

転職時のポートフォリオは、成果物をまとめたいわゆる作品集です。特にクリエイティブな職種では、どんな作品をつくるのか、あるいはデザインにどのように工夫を凝らしているか、また独創性はあるのかといったような情報を、ポートフォリオによってアピールできることがが少なくありません。このためポートフォリオ次第で作り手の得意分野やデザイン、作品の方向性、そこから醸し出される雰囲気や人柄までもが明らかになり、強みやスキルをアピールする格好の資料となります。

また近年転職時のポートフォリオは紙媒体にとどまらず、WEB上に公開し、検索エンジンやSNSなどを通じて自身をアピールしたり採用担当者からのアプローチを待つこともあります。

教育用語としてのポートフォリオ

教育用語の場合ポートフォリオは個人の評価ツールです。具体的には学習の際のレポートや答案用紙、活動の様子を残した動画や写真などもひとつのファイルにまとめ、生徒の評価をおこないます。これにより個人の能力の総合的な学習評価を可能にし、学校教育だけではなく自己啓発にも役立てることができます。ただしこのときまとめられる情報は、生徒自身が自分を客観的にとらえられるよう、意義のあるものを取捨選択しなければなりません。

ポートフォリオの重要性と作り方

ここまでに挙げたポートフォリオの中でもその認知度が高い転職時のポートフォリオは、業種や職種にもよりますがクリエーターにとっては実務経験のアピール方法としてきわめて重要なことからデザインポートフォリオとも呼ばれます。このため企業へのエントリーの段階では履歴書や職務経歴書とともに提出を求められることも多く、デザインポートフォリオがなければ書類選考すら通過しないことも少なくありません。

そこでデザインポートフォリオの作り方としてはまず、自己紹介ページを作成し、次にメインとなる作品紹介に移ります。さらに、作品のコンセプトや工夫した点、制作にかかった期間などの項目を盛り込み、自分なりの仕事の進め方を掲載すれば提出された側も一緒に働くイメージがしやすいポートフォリオが完成します。

このほか、転職時には技術的な部分だけでなく一緒に働きたいという仕事へのスタンスをポートフォリオのなかでアピールすることも大切です。

デザインポートフォリオを作成する際のポイント

ではデザインポートフォリオを作成する際のポイントとはどのようなものなのでしょうか。特にデザインポートフォリオは作成する際に必要項目を単に埋めるだけでは十分とはいえず、次のようなポイントを抑えたうえで作成する必要があります。

伝えたいことを決めておく

デザインポートフォリオに掲載する作品や説明文は転職する業界や分野、応募する職種などに適していなければなりません。そこで求められているスキルが証明できるよう、ミスマッチや掲載漏れがないように注意します。

作品に適切な説明を加える

デザインポートフォリオでは掲載する作品に適切な説明を加えることも大切です。短すぎると短すぎては伝えたいことを伝えられず、長すぎると読んでもらえません。そこで相手が知りたいないようを端的に200~400字で説明できるようにします。

レイアウトにも配慮する

デザインポートフォリオの作品やその説明は、配置が適切でないと見にくくよい印象を与えることができません。一方で作品にガイドを引くなどレイアウトにも配慮されていれば、作品に対する評価だけでなく、細部にこだわることができる人材であると相手に印象づけることができます。

ポートフォリオはさまざまな要素が組み合わされたもの

ポートフォリオは使用される領域によってさまざまな意味を持ち、一見無関係に感じられますが、さまざまな要素を組み合わせたひとかたまりのものであるという点で共通しています。また全体と中身が明確に伝わるように内容を整理する必要があり、パッケージされていながら各要素は自由に扱えるという点も同様です。これらを理解しておくことでどの領域においても本質を捉えた内容でポートフォリオを作成することが可能になります。

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