「プロキシサーバー」という言葉を耳にしたことはありませんか?
プロキシ(Proxy)は「代理」という意味があり、ネットワークとクライアントPCの間に入り、代理でネットワークにつなぐのがプロキシサーバーです。
プロキシサーバーがどのような仕組みや役割を持っているのか、メリットやデメリットと合わせて説明します。
プロキシサーバーとは?どんな仕組みでどんな役割があるのか
インターネットを代理で接続するサーバーがプロキシサーバーです。
たとえば、内部ネットワークのクライアントPC※のリクエストをサーバーが受けて送信します。
そうして受けたリプライを、クライアントPCに返す役割をしているのがプロキシサーバーです。
※クライアントPCとは、サーバシステムにおいて、サーバーにサービスの依頼をし、それを受ける側のことを言います。
プロキシサーバーを構築するには?
プロキシサーバーを構築するには、次のステップが必要になります。
1.環境設定する(ハードウェア・仮想空間どちらでも可)
2.ソフトウェアをインストール
3.初期設定する
ソフトウェアはさまざまなものがありますので、適したものを利用しましょう。
プロキシサーバーを使用する際のメリットとデメリット
プロキシサーバーは、メリットとデメリットを把握した上で使用しましょう。
得られる情報に変わりはないので、メリットとデメリットを比較した上で導入を検討していいかもしれません。
プロキシサーバーを使用するメリット
プロキシサーバーを使用すると以下のようなメリットが考えられます。
1.アクセス管理がしやすい
プロキシサーバーにはさまざまなログが残ります。
そのため、アクセスしたPCやサイトを確認するだけでなく、外部のどこからアクセスがあったのかという記録も確かめられるメリットがあります。
2.ウイルス対策ができる
プロキシサーバーを経由すると、サーバー上でウイルスチェックしてから、クライアントPCにデータが送られます。
こうすることで、個々のPCを保護するほか、事前にウイルス対策できるので、全体のセキュリティが高まります。
3.匿名性が保持できる
プロキシサーバーを利用すると、サーバーのIPアドレスのみが送られるので、どの端末からアクセスしたのか見分けるのは難しくなります。
IPアドレスがアクセス先に知られると、悪用やサイバー攻撃の対象になる可能性があるので、匿名性が確保できるということは、プロキシサーバーの利点の一つであると言えるでしょう。
4.負荷の軽減と表示速度の向上
プロキシサーバーを利用すると、接続にかかる負荷が減らせるメリットがあります。
プロキシサーバーはキャッシュとしてデータを保持しておき、アクセスを高速化して負荷を軽減する機能があります。
また、ロードバランシング機能という、アクセス集中時にリクエストを分散させる機能を持たせることも可能です。
また、キャッシュが残っているためサイト表示速度も上がります。
プロキシサーバーを使用するデメリット
プロキシサーバーを使用すると以下のようなデメリットの発生が考えられます。
1.接続履歴が見られる場合がある
プロキシサーバーには数々のログが残っています。
そのため、ハッカーなどにこれらのログが見られる可能性があることを事前に把握しておく必要があります。
ログにはIDやパスワード、メールアドレスなど重要な情報も含まれる可能性があるので、個人情報漏洩や迷惑メールの対象になることもあるので気をつけましょう。
2.不正サイトへのリスク
サーバーが何者かによって攻撃を受けると、不正サイトへ誘導されてしまう場合があります。
よく耳にする偽サイトやフィッシング詐欺はこの事例の一つです。
サーバーへの攻撃により、ユーザーのリクエストとは違うサイトに誘導してしまうと、そこで個人情報が抜き取られたり大きな被害が生じる可能性があります。
3.情報が盗まれる危険がある
プロキシサーバーがハッキングされた場合、アクセスの間に送受信した情報が抜き取られて情報が盗まれる危険があります。
サーバーはもちろん、アクセス先のサイトのセキュリティについても注意しましょう。
プロキシサーバーの種類について
サーバーの種類は、大きく2つに分けられます。
すでに構築されているものを利用する
企業内ネットワークなどがこれに該当します。
構築されているサーバーにはさまざまな違いがあるので、適したものを利用することが大切です。
サーバーを自ら構築する
自らサーバーを構築する場合には、環境の用意(ハードウェア導入・仮想空間に環境を作る)・サーバーのソフトウェアをインストールするなどの手順を踏む必要があります。
各種必要な設定が完了後、使用可能になります。
メリットとデメリットを把握してから利用しよう
プロキシサーバーは利用すると匿名性の確保など多くのメリットが得られますが、攻撃を受けた際のデメリットも大きくなります。
それらを考慮した上で、利用を検討してください。
また、サーバーを自ら構築するには知識が必要になるので、本格的に運営したい場合はレンタルなど、すでに構築されているものを利用した方が良いでしょう。