目次
ビジネスの現場で重要性を増しているコアコンピタンスについて、理解していますか。
コアコンピタンスを実践的に活用していくために、その意味を初心者にもわかりやすく簡単に解説するとともに、事例や特徴、ケイパビリティとの違いについて簡単に解説していきます。
コアコンピタンスとは?初心者にもわかりやすく簡単に解説
コアコンピタンスとは何か、初心者にもわかりやすく簡単に解説していきます。
企業の経営者をはじめ、自社の商品やサービスを売り込みたい、シェアを伸ばしたいと考えているマーケティング部門の方や競合店より集客をアップさせたい店舗経営者やスタッフの方まで役立つ知識です。
コアコンピタンスとは
コアコンピタンスとは、core(中核の)・competence(能力)を合わせた言葉で、1990年にアメリカの経営学誌である「ハーバードビジネスレビュー」において、ゲイリー・ハメル氏とC. K. プラハラード氏が発表した概念です。
他社にはない企業が持つ圧倒的な価値や優位性のことを指しますが、簡単に解説すれば、他社には真似できない自社独自のサービスや商品を意味します。
ビジネスにおいて、競合他社から勝ち抜くためにはコアコンピタンスを持ち続けることが求められます。
コアコンピタンスの成功事例を紹介
コアコンピタンスの成功事例として、他社と圧倒的な差別化を図っている3社の事例を紹介していきましょう。
バルミューダ
トーストを科学する、感動のトースターをコアコンピタンスとして、これまでには考えられない、トースト専用のトースターを発売しました。
一般的なトースターに比べて極めて高価格にもかかわらず、トーストを焼くためだけに購入する人が増え、他社の追随を許していません。
最高の食事のための素晴らしいご飯が炊ける炊飯器など、ほかにはない発想や技術の応用も進んでいます。
ネスレ
おいしいコーヒーは豆から淹れるものといった伝統的な概念を覆し、カプセルに入ったコーヒー液を専用のコーヒーメーカーとセットで販売、レンタルするというほかにはない取り組みを始めました。
気軽に上質なコーヒーを他社にはない形でという、コアコンピタンスが光っています。
コーヒー以外にも応用され、抹茶や紅茶、ココアやラテなど幅広いラインナップが広がり、マシンも進化し続け、レンタルサービスも多様化させています。
アイロボット
ロボット型掃除機ルンバで、他社の追随を許していません。
生活に役立つ実用的なロボットを現実のものにする技術をコアコンピタンスとして、世界を変えるロボットを設計、製造しています。
アメリカに本拠を置く会社ですが、日本における雑巾がけ文化に目をつけ、拭き掃除ロボットの応用開発も行われています。
コアコンピタンスの特徴を詳しく解説
似たような事業や商品、サービスを提供する競合他社が多い中、他社と差別化できるポイントや圧倒的に優位なコアコンピタンスをどのように定めれば良いのでしょうか。
コアコンピタンスは自然発生的に生まれるものではなく、他社よりこの点が優位である、将来この点で優位に立ちたいと考えるものを定め、伸ばしていかなくてはなりません。
コアコンピタンスを定めるにあたっての特徴を詳しく解説します。
コアコンピタンスというためには、以下の3つの特徴を満たすことが必要です。
顧客に利益をもたらす
他社とは異なる強みは、自社の商品やサービスを利用する顧客にとって、利益をもたらすものでなければいけません。
他社と比べて、ここが優れているから欲しい、使いたいと思わせることが必要です。
競合他社に真似されない
他社が簡単に真似できるような技術や商品では意味がありません。
圧倒的な技術力や独自性のある商品やサービスで、他の追随を許さないものであることが必要です。
さまざまなことに応用できる
他社からの追随や模倣は許さずとも、自社においてはさまざまなことに応用できることがポイントです。
特定の商品だけしか通用しない技術や能力では、その商品やサービスの需要がなくなれば、企業の持続的な成長を支えられません。
そこから派生して、さまざまなことに応用して使える技術や能力であることが求められます。
簡単に解説すれば、コアコンピタンスと言えるためには、一発屋で終わってはいけないということです。
コアコンピタンスとケイパビリティの違いについて
コアコンピタンスと似た概念として、ケイパビリティがあります。
他社と差別化できる中核的な能力をコアコンピタンスというのに対し、ケイパビリティは英語でcapability=素質・能力・将来性を意味します。
ケイパビリティはコアコンピタンスを内包する上位概念であり、企業が有する能力全体を示すものです。
コアコンピタンスと違い、他社と比較する必要はありません。
ケイパビリティの中でも、他社より優れたものや強みがコアコンピタンスです。
コアコンピタンスを確立するための4つの手法
コアコンピタンスを確立するためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
そのためには4つの手法を順に行っていくことが必要です。
強みの洗い出し
自社の強みを徹底的に洗い出しましょう。
商品やサービスにこだわらず、技術や人材、企業文化、理念など幅広い分野から強みと言えるものを抽出します。
強みの判定
洗い出した強みを、コアコンピタンスの特徴に当てはまるか判定しましょう。
「顧客に利益をもたらす」・「競合他社に真似されない」・「さまざまなことに応用できる」のすべてを満たすことが必要です。
1つでも特徴を該当しない強みは外します。
強みの評価
3つの特徴を満たす強みを、競合他社に比べてどれほど勝っているか、以下の5つの要素で評価します。
5つの評価基準は模倣可能性、移動可能性、代替可能性、希少性、耐久性です。
それぞれ確認していきましょう。
模倣可能性
競合他社に簡単に模倣される可能性はないか、評価しましょう。
移動可能性
1つの商品やサービスに限定されず、自社のほかの商品やサービス、新たに開発するものにも応用できるかがポイントです。
代替可能性
代替可能性がないことが必要です。
自社の強みが、他社の商品やサービスにとって代わられるのでは意味がありません。
唯一無二の強みであるか評価しましょう。
希少性
現在の市場に出回っていない、これまでにない珍しい技術やサービスかもポイントです。
希少価値が高いほど消費者から注目され、他社からの追随を許さない圧倒的優位性が保てます。
耐久性
耐久性が低いと、あっという間に利用できなくなり、消費者の満足度も低く、ブームも短期間で終わってしまいます。
耐久性が高いほど、自社の持続的な成長を支えてくれるため、重要な評価基準の一つです。
強みの絞り込み
4番目の手法として、コアコンピタンスの特徴を満たすと評価された強みを、さらに1つに絞り込みましょう。
ターゲットとする顧客を明確化し、その顧客に利益や満足度をもたらすかの観点から絞り込むのがおすすめです。
コアコンピタンスを持って他社との差別化を図ろう
企業は常に競合他社や新たに登場する技術や商品、サービスとの激しい競争の中でシェア争いや生き残りをかけて戦う存在です。
顧客を獲得し続け、企業の持続的な成長を成し遂げていくためには、他社が到底追いつけないような能力を発揮することが求められます。
他社と差別化を図り、顧客満足を獲得し、他社が簡単に模倣することや追随することができないコアコンピタンスを持つことが大切になります。
30~50代経営者の29%がコアコンピタンスという言葉を知っていると回答。コアコンピタンスを正しく理解しているのは17%【コアコンピタンスに関するアンケート】
調査概要
対象者:全国の30歳〜59歳の男女/経営者・役員
サンプル数:300人
居住地:宮城県,東京都,愛知県,大阪府,福岡県
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2023年3月22日
調査メディア: STRATE[ストラテ]:https://strate.biz/
【質問:コアコンピタンスという言葉の意味を知っていますか?】
質問に対しての回答選択肢は以下
1.知らない
2.知っているが、正しく意味を理解していない
3.知っており、正しく意味を理解している
30代〜50代の男女を対象とした「コアコンピタンスという言葉の意味を知っていますか?」というアンケートで最も多かった回答は「知らない」で71%でした。
次いで多かったのが「知っており、正しく意味を理解している」と回答した方の17%。「知っているが、正しく意味を理解していない」という回答が12%で、コアコンピタンスという言葉を知っていると回答した方は全体の3割に及びました。
【コアコンピタンスを知っており、正しく意味を理解していると回答した割合は30代が最も高く、50代の約3倍】
コアコンピタンスを知っており、正しく意味を理解していると回答した割合を年代別でみてみますと、30代が最も高く26.47%、次いで40代が14.71%、50代は9.38%という結果になりました。
30代経営者の3割近い方がコアコンピタンスを知っており、正しく意味を理解していることが分かりました。
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