建設工事や土木工事などあらゆる工事に欠かせない職種の1つに施工管理があります。
今回は、将来的にも需要があり注目されている施工管理について具体的な仕事内容や収入、やりがいや魅力について分かりやすく解説していきます。
施工管理とは?主な仕事内容
施工管理の仕事内容は、建築工事の現場監督として工事全体の管理を行います。
施工管理自体は資格がなくてもできるのですが、工事の規模によっては「監理技術者」や「主任技術者」を配置する必要があります。
このようなポジションに専任されるためには「施工管理技士」という国家資格が必須であり、監理技術者では一級施工管理技士、主任技術者では2級施工管理技士が必要です。
具体的な仕事内容としては「工程管理」「品質管理」「安全管理」「原価管理」の4つがあります。
工程管理
工程管理とは、工事全体の各工程において作業員の人数や進め方、必要な重機を把握した上でその手配など全体的な管理を行います。
野外での工事の場合、天候などに左右されることも珍しくないため、その都度工程を考え直したり調整が必要です。
品質管理
品質管理では建設で使用する材料や寸法などが設計図書通りであり、規格を満たしているかを確認していきます。
工程ごとに品質評価の対象項目などを試験するなどして、長期的に高品質を確保するためのチェックを行います。
安全管理
安全管理では、工事を行う作業員の安全確保のために、現場の労働環境をチェックしていきます。
具体的には資材の保管場所や必要な箇所に手すりや消化設備の設置を指示したり、使用機材の定期的な安全点検などを行います。
原価管理
原価管理では、建設工事全体の費用が決められた予算内に収まるよう、各工程の人件費や材料など原価を計算していきます。
材料の納期などが遅れたり、天気により工程がずれてしまうと費用が多くかかったりする可能性があるため、事前にチェックを行い工事全体で利益を確保しなければなりません。
年収や男女比について
施工管理の平均年収は全体で約446万円ほどで、ボーナスの平均は夏冬共に60万円前後となっています。
施工管理技士などの保有資格や経験年数などにより前後しますが、最も多いのは300万円〜400万円未満で約27%で次に多いのが400万円〜500万円未満で約24%ほどです。
男女比では93%が男性で女性は7%となっています。
おすすめの資格
建築工事といっても土木工事や配管工事、電気工事など多くの種類があります。
施工管理技士を行う人たちが保有している資格はそれぞれですが、特に多い資格としては「第二種電気工事士」や「建築施工管理技士1級」などがあります。
第二種電気工事士
電気工事士とは、文字通り電気設備における工事や取り扱いに必要な国家資格であり、電気工事に携わる人に取っては代表的な資格と言えます。
建築工事では電気設備の設置などが必ずと言っていいほどあり、屋内外の配線工事や冷暖房設備工事などに必要です。
資格には第二種電気工事士と第一種電気工事士がありますが、施工管理を行う上では第二種電気工事士でも十分に役立てることができます。
建築施工管理技士1級
一級建築施工管理技士は上記で説明したとおり、大規模な工事で配置が必要な監理技術者などに専任する上で必須となる資格です。
請負代金額4,000万円以上の工事では必ず配置が必要なため需要が高く、建築業界における転職はもちろんキャリアアップにつなげることができます。
施工管理のやりがいや魅力について
施工管理の仕事は工事全体の管理をするため、建築工事における経験や知識が必要です。
また、様々な会社の工事作業員と連携を取りながらの仕事となるためコミュニケーションスキルなども必要なので大変と言える職種です。
そんな施工管理のやりがいや魅力としては「安定した収入と需要」や「完成時の大きな達成感などがあります」
仕事の需要が高く収入が安定している
建築工事は全国各地で行われており、新規工事だけに限らず老朽化による建て替えや増設などもあるため需要の高い業界となります。
その中でも施工管理という仕事は今後も必須であり、機械化などにより働き方が代わったとしてもなくなることはないでしょう。
仕事内容は簡単ではなくスキルと経験が必要で責任も大きいポジションであることから給料も高く、施工管理技士などの資格を取得することで更にキャリアアップを目指せます。
また、会社によっては成果報酬などを設けているため、普段からやりがいをもって働くことができます。
仕事が形に残り大きな達成感を味わえる
施工管理を含めた建築の仕事は、工事が終わっても建築物は後世に残る為、自分が携わった作品として大きな誇りとなります。
また、お客様にとっても大きな買い物であり、重大な責任がある一方で建物が完成した時には大きな達成感を味わうことができます。
職人からの信頼を得られて成長を実感できる
工事全体を管理する立場にある施工管理はあらゆる工事箇所をチェックする必要があり、様々な会社の職人と一緒に作業を進めます。
気づいたことはしっかりと指摘しつつも、現場監督として仕事がしやすい環境を整え時には支えてあげる必要があります。
自分の判断で工事全体の質が変わると言っても過言ではない施工管理士は、悪かったところも良かったところも結果が分かりやすく成長を実感しやすいです。
工事がうまくいった際には職人からの信頼も得ることができます。
施工管理は将来性があり、やりがいのある職業
今回は施工管理について紹介してきました。
あらゆる工事に必須と言える施工管理は、工事全体の管理を行うため高度な知識と経験が必要であり、その責任は重大です。
その分、収入は高めであり、施工管理技士を取得することで更にキャリアアップを目指すことも可能です。
将来性もあり、転職する上でおすすめの職種と言えます。